見出し画像

ケフィア植え継ぎ研究レポート

2020/08/04 09:26

 和食の食材は別として、だいたいのものはアメリカの食材で満足していますが、これは日本のものじゃないとと思うものに、ヨーグルトがあります。アメリカのヨーグルトは種類こそ豊富ですが、充実しているのは低脂肪、無脂肪のものと、フルーツなどのフレイバーの付いているもの。甘すぎたり、逆に味気なかったり、食感がヘヴィだったり、毎朝食べても飽きないようなものに出会ったことがありません。日本で食べていた、東欧の某国名を冠したヨーグルトのような、軽くて滑らかで、程よい酸味のあるものが毎朝食べられたら……と思い、10年ほど前にたどり着いたのが、ケフィアでした。



 もともと母が日本でケフィア菌を定期的に購入していたので、ついでに私の分もまとめて買って送ってもらっていました。ところが2年ほど前、ケフィア菌を販売していた会社が良からぬ理由でニュースの見出しを飾り、商品には全く問題はなかったものの、「この先、菌が手に入らなくなる可能性もあるかも?」と思いました。母の方はとうの昔にケフィアをやめて市販のヨーグルトに戻っていたので、これを機に、アメリカで製造販売されていないかを調べようと思いました。残念ながら同じようなフリーズドライの種菌は見つからなかったのですが、「ちょっと待てよ?ヨーグルトのように、植え継ぎができないだろうか?」と思いました。要するに、少量のヨーグルトに牛乳を足して菌の培養を繰り返すのと同じ要領で、ケフィアも作れないものかと考えたのです。



 ネットで調べてみたところ、業者のウェブサイトには、「雑菌が混ざるのでできない」とありましたが、長年種菌を植え継いでいるという人の体験談もあったので、とりあえず試してみることにしました。結果、100ml のケフィアに900mlの牛乳を足して、1リットルのケフィアがちゃんと出来ました!ただ、5、6回は美味しくできましたが、それを超えると、飲むヨーグルトのようなドロッとした液体になってしまいました。それでも10袋分の種菌を節約できたことになるので、ここ2年ほどは、5、6回植え継ぎ、ゆるくなったら新しい種菌を使っていました。



 ところが、コロナ禍で流通が乱れていたせいか、ある日マーケットへ行くと、いつも使っていた脂肪分2%の牛乳がありません。仕方なく、脂肪分の多いwhole milkを買ってケフィアの植え継ぎに使いました。すると、脂肪分2%の牛乳に比べて、よりしっかり凝固したのです。もしかしたら?と思い、この牛乳を使い続けてみたところ、6回を超えても、全く問題なくケフィアが出来るではありませんか。これは永遠に植え継ぎができるかも?とも思いますが、繰り返していくと、やはり、少し“す“が立ってきます。もうちょっと研究が必要です。



 この情報を欲している人がそう多く存在するとは思わないのですが、自分のための覚書として記録しておくと、植え継ぎの回数を重ねる毎に培養時間は短縮されるようです。新しい種菌だと24時間かかりますが、2回目から3、4回目までは15時間、それ以降は、12時間前後が目安です。必要以上に置くと、ガスが発生して“す“が立ち、分離が進んでしまうようです。私はまだ、8回ぐらいまでしか試したことがないので、また新しい発見があれば、追記したいと思います。



 これを書くにあたり、再度ネット検索をしたところ、とても分かりやすい実験レポートが見つかりました!

https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/68/5/68_5_315/_pdf

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?