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さばけるチャンネルのお手伝い

先日アップしたかつお節の品質の話ですが、ちょっと不確実な内容があったので、検証してきちんとお話ができるようになったら、再度掲載いたします。
読んでいただいた方、ごめんなさい。

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先日、人気Youtube番組のさばけるチャンネル、収録のお手伝いに行ってきました。

この『さばけるチャンネル』は番組登録者数18万人を超える大人気番組で、色々なお魚などを捌いています。
皆さんの身近な鯖や鯵や鰯などから、ちょっと上級のヒラメやカサゴ、そして珍しいヤガラやナマコなどもあります。

そのさばけるチャンネル、今年は新型コロナの影響であまり活動ができなかったため殆どアップされていませんでしたが、年末にせめて出汁のことをやろうということでお声がかかりました。

内容はざっくりと
・節類の紹介(かつお節の他、鯖や宗田などなど)
・かつお節の扱い方、削り方
・出汁の引き方
・昆布の事
・昆布締めについて
の5本立てです。

集合は朝の8時。
初めての収録現場に若干緊張しながら入ると、撮影スタッフの方が次々と機材の搬入を済ませ、次々に組み上げていきました。

写真の割烹着の方は、服部栄養専門学校の西澤先生。
元々東京の吉兆で八寸を任されていた方で、現場を知り確かな経験を積まれた料理人です。
今は専門学校で教鞭を振るっておられますが、その手つきや所作の美しいこと…。見ているだけで勉強になるとはまさにこのことだと、感心しました。

スタッフの方が設営をしているところでも慣れたもので、気にせずに仕込みをされている西澤先生。

わたしも提供の節を用意しておきます。
うちの削り節2種と、色々な節類。
特にかつおの枯節は背腹を左右で用意して丸一尾になるようにしています。(収録では丸一尾では使いませんでしたが💦)

下準備で、貝印さん提供の新商品の削り器、こちらの刃の出具合を調整しています。最初買ったときはどこのメーカーのものも大抵刃が出すぎているので、引っ込めて調整しておきます。
そして、この削り器はなんと1台いただけました!
ボディがプラスチックなので軽くて薄型ですので、気軽に持ち運ぶのにはちょうどいいかもしれません。

そしていざ撮影が始まったら、節の向きや配置で苦労。。。
モニターを見ながらざっくりと方向や配置を出しましたが、この後撮影スタッフさんが、ミリ単位の微調整を繰り返して、きれいな配置に。
本当に、ごくごくわずかな配置や向きの変更で画面が一気に締まって見えるので、こんな風にやっているのだと感動しました。

割烹着を着て、節を洗う場面を撮影したり、実際に削ってみたり。
ゆっくり削るのが意外と難しいですね。

削りの具合を確認しているときは、撮影スタッフの皆さんも興味津々で、かぶりつきでご覧になっていました。
そして、ニットの上から割烹着を着ていたのでもこもこになっています。

昆布もお手伝いしました。
こちらの昆布は、真昆布と日高昆布は大阪のこんぶ土居さんから、羅臼昆布と利尻昆布は築地の吹田商店さんから、それぞれご提供いただいております。
画面の上から羅臼、真昆布、利尻、日高です。
個人的には真昆布が一番上に来てほしかったのですが、配置のバランスなどもありこの並びに。。。
羅臼昆布と真昆布は古来から、出汁昆布の双璧として扱われてきました。
羅臼はしっかりとした磯の香りと強い味わい、やや塩味も感じられるほど、濃い出汁が取れます。お寺さんなどで、精進料理の味わいを支えるものとして活躍している昆布です。
真昆布は爽やかで上品な香りと甘味を感じる味わいで、浜によって違いますが、白口浜の上質なものになると出汁がとても甘く感じられるものです。
大阪の素材の味わいを活かしつつ、しっかりと出汁を効かせたお料理に好まれてきました。
真昆布は天皇陛下や将軍に献上されていた昆布でもあるので、「献上昆布」と呼ばれていたほど、上品な出汁が引けるのです。

カツオと合わせて、奥から一番出汁、二番だし、手前の濃いのが濃い出汁(めんつゆなどに使うもの)と3つあります。
めんつゆ用の出汁は厚削りを使ってしっかり煮上げてあります。使っている分量も多めです。

出汁昆布ではない日高は昆布は、こうやっておでんや昆布巻きなどで「食べる昆布」として使われます。
このおでんは撮影後、スタッフが美味しくいただきました(笑)

そして最後は昆布締めです。
西澤先生の流れるような所作が美しく、つい見入っていました。

そして最後に、出来上がった昆布締めの画像です。
何とも言えず美味しそうな…。(さすがにこれは食べていません(笑)
こちらの撮影が終わって締めでした。

5本立て、盛沢山の内容でしたので朝の8時から夕方17時までたっぷりと時間をかけて丁寧に撮影いただきました。
こういった撮影の現場ってあんまりやることなくて、私は出番の時に出るだけかと思っていたのですが、ワンショットワンショットでとても細かく修正をされていて、視聴者に対して「美しく見せること」「わくわくさせること」にも非常に気を使っていらっしゃるので、結構出ずっぱりで見させてもらいました。

こちら、編集と文字入れなどが行われて、最終的には年明けの1月にアップされる予定です。
年末にはさすがに間に合わないのですが、かつお節の事、昆布の事、出汁の事を初めて学ぶ方には見やすい内容になっていると思います。
1本3分強の動画なので、あっという間です。

またアップされましたら続報をお知らせします!
お楽しみに♪

文章に残して、後の世代に繋いでいきたいと思っています。 サポートいただけると、とても励みになります。 よろしくお願いします。