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マーケティングは罠猟

こんにちは。AJIMAのおしおしです。
今日お仕事関係の方から聞いた情報によると、呉服屋さんはすごく儲かるそうです。

高い服を買う人売る人

一着500万円とかする着物、しかも日常使いもほぼしない。
でも値段が落ちることもあまりなく、資産として持っていられる。
布だけ買っておいて後で仕立てるといったことが出来るので、孫に買ってあげて成人したら仕立てるなんてことも出来るそうです。
あまり詳細は聞けませんでしたが、上記のような「へーそうなんだ意外といいかも」というようなポイントを上手く説明してセールスしてるんだろうなと思いました。
5000円くらいの予算感で来たお客様が500万円の着物を買っていくこともざらにあったそうです。
かくいう私も大学生の時は友達が働く服屋さんで10万円のパーカーとかを買っていました(売られる側)。説明を聞くうちに、確かにこれはかっこいいぞ、持ってればおしゃれ、他人には理解されなくてもおれは価値がわかるぜ、という気持ちになったものです。今でも気に入ってよく着ています。

商品によらず「売る方法」がある

このお話をしてくれた方は以前呉服屋さんで働いていたようで、「今でも売ってこれますよ」と言っていました。
宝石を売っていた経験のある方や、不動産の営業マン、なぞの高額商材を売っていたことがある方、ペンや鉛筆を売ってみろと言い出す人も、みんな「今でも売ってこれますよ」と言いますね。
私が社会人になって初めての会食をご一緒した方も「うちにはこの割り箸5000円で売ってこいと言ったら売ってくるやつごまんといる」とおっしゃっていました(その人はいまカレーを売っているとかなんとか)。
私は営業をしていて、やれプロダクトに問題がとかサービスがほにゃららとか金額がどーちゃらこーちゃらとかアタックリストがぬーやんぴーやんとか、売れない理由を並べちゃいますが、きっとどんな商材でも売ってこれる手法というのがあるんですね。

罠を仕掛ける

トークだけではなく、百貨店の呉服屋やアパレル店舗などでは、人が行き交う廊下からどう見えるか、逆に何を見えなくさせているか、どこに何を並べるか、この棚に入ってきたらスタッフはこっち側に移動し、裏から回り込んで話しかける、などの仕掛けがあるそうです。
この話しをしている時の彼は、マーケティング担当者という佇まいからは遠く、呉服屋さんですらなく、まるでマタギのようでした。
ここにこれ置いとくと動物がこう来るから、ここにこれ仕掛けといて、こうなったトコをズドンようはは、という感じでした。

買わせるシステム

マーケティングや、チームマネジメントも、要はこういう「システム」なんだろうなと思います。
人を相手にしているからこそ、もっとお客様の気持ちをとか、きっとこう感じてくれるはず、と思いめぐらせがちですが、「ヒトはこのように力を加えるとこう反応する」とシステマチックに動かすことができるんですねきっと。
店舗型のビジネスは歴史も長く、こういうナレッジが多く貯まっているんだと思いますが、それをこれからもっとWEB(例えば店舗=サイト)に活用していけるのでしょう。
私はこういう時いつも「水は低きに流れる」という言葉を思い出します。見込み顧客が商品を買ってくれないとき、ユーザーが回遊してくれないとき、メンバーが思い通りに動いてくれないとき、見つめなおすべきはそれぞれの意識ガーなんてあやふやなものではなく、プログラムやシステムなんだろうなと。

悪いことじゃない

ちなみに私は、先のパーカーを今でも気に入ってよく着ているように、こうやって売ってもらえた商品も、なかなかいいぞ。と思っています。
Googleが私の行動履歴を収集しておすすめ広告を出してくれるのも賛成です。
誰かに"自分が素敵だと思う商品"を手に入れてもらうお手伝いをしているのであれば、それはとてもいいことでしょう。(うしろめたいことが無ければ)ペドロさんも「人間を獲る漁師にしてあげよう」と言われて、誇りを持ってそれをやっていたでしょうし。

かしこ

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