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コシウォン暮らし

結婚して妻と一緒に住む前はコシウォンに住んでいた。おそらく韓国で一番リーズナブルな部屋だ。簡単に言うと家具家電付きのマンスリールームなのだが、個室の広さは約2〜3畳。私が住んでいた部屋にはベッドと机、ミニクローゼット、ミニ冷蔵庫、テレビが所狭しと置かれていた。全部屋セントラルヒーティングで自分で温度調節はできない。シャワールーム、トイレ、キッチン、洗濯機は共用で、私がいたところは卵と食パンが無料で提供された。
コシウォンは漢字で書くと考試院、もともとは公務員を目指す地方の貧しい若者が一人で試験勉強に集中するための空間だったらしい。身分制度の厳しかった李氏朝鮮時代において人生逆転するには科挙に合格することが何よりの方法だったに違いない。現在でも経済的に厳しい生活を強いられる若者が初期費用を抑えて一人暮らしをするために利用されている。
ちなみに窓の有り無しでひと月の料金が変わるが、私が住んでいた窓無し部屋はドアを閉めて電気を消すと暗室レベルに暗闇になったので、夜は熟睡できて意外と住み心地は悪くなかった。

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