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2024年GWキャンプ『1.5時間くらいで行けて空いている予約がいらない無料キャンプ場』を探して


平日キャンパーだから世間がGWと浮かれていても家でじっとしてればいいんだけど、好天気の予報が続いてるもんだから世間並みにキャンプに出かけた。
キャンプはできればいいってもんじゃない。GWであっても自分のスタイルは崩したくない。
人混み・テント混み・渋滞・高価格が大嫌いだからキャンプ場選びは『家から1.5時間くらいで行けて空いている予約がいらない無料キャンプ場』これが条件だ。なんのことはない、普段利用しているキャンプ場から選べばいいだけのこと、それほど厳しい条件ではないはず。



4月28日(日)川内村 高塚高原キャンプ場(ウッドデッキ)

役場に電話を入れて状況を聞いてみると「6サイト埋まってます」とのこと。ここはオートサイトが10サイト+ウッドデッキサイトが3サイトの小さなキャンプ場だ。空きがあるようなので当日予約。

高塚高原キャンプ場 サイト配置図


14時ころに着いて一回りしてみると、炊事場下の広いサイトに3人のグループ、他にはソロが5人。いつも泊まっている一番奥の13番サイトは空いていたけど、10・11・12はテントが建ててあって気に入らない。最近お気に入りの1番のウッドデッキサイトに決定。
ウッドデッキは専用ペグさえ持っていれば建てるのに苦労はしないし、撤収も土のサイトよりずっと楽だ。岩手や山形などでは珍しくもないけど、なぜか福島県にはウッドデッキのサイトはほとんど無い。だからなのか、ここのウッドデッキにテントを建てている人も見たことがない。
他のキャンパーからは離れているし、薪は十分すぎるほど落ちているし、陽当りもいい。何の問題もない。3人グループの笑い声が時折風に乗ってくるくらいの静かな夜だった。

ウッドデッキに設営
木とデッキをロープで結び、ポール2本でタープ設営
1000mの高原は葉がまだ育っていない
下の建物がトイレと炊事棟
最近お気に入りの麻婆豆腐鍋
朝は目玉焼きと納豆、フキノトウ入り

4月29日(月)田村市 桧山高原キャンプ場(東屋横)

翌日は山を降りて隣の山、桧山高原キャンプ場。暦上の連休に挟まれた日とは言え、テント場には誰もいないのに驚いた。天気もあいにくのどんより模様、夕日や星空は期待できそうにない。だったら設営ヶ所はリュックひとつで登る東屋横しかない。前回散々苦しめられた強風と寒さもそれほどでもなさそうだし、同じキャンプ地でもテントを張る場所を変えることでキャンプの方向性も変えてマンネリ化を避ける。

桧山高原キャンプ場

車を丘の下まで持っていって装備の選択、空のリュックに詰めることから始まる。
テントは手持ちでは最小のNaturehike CloudUp1、今日の風ならアルミVペグとガイロープで十分だろう。熱源は焚き火台とアルスト、固形燃料1個とミニストーブ。25cmの10枚アルミ風防。薪は裏側の松林で調達できそうだからノコギリとハンマー代わりの棍棒となにかと役立つプライヤー。山クッカーとフライパン、箸とスプーン、マグ・カップとインスタントコーヒー、1.8L紙パックの芋焼酎、麻婆豆腐の素、豆腐、豚小間切れ肉、水2リッターペットボトル1本、うどん1玉、米1合、生卵1個。LEDランタン1個とヘッドランプ、トランジスタラジオ。などをリュックと肩掛けソフトクーラーバッグに詰めて、リュックの外側に寝袋と銀マットをカラビナで吊るして装備は完成。
丘の下に車は停めておくので足りなければ取りに行くのは可能だけれど、明日朝の帰るときまで丘を降りたくはない。たぶんこれで大丈夫。

丘の上の東屋のテーブルに荷物を降ろす。前回は水が入った2Lペットボトルが倒れるほどの風に悩まされたが、今回の風はそれほど強くもなくせいぜい風速5mくらい。
倒したリュックとクーラーバッグで壁を作り風防を建ててアルストで湯を沸かし熱々のインスタントコーヒーをまずは一杯。キャンプ場を見下ろしても誰もいない。GWなのに完ソロ?
天気が良ければテント場でもいいけど、空はずっと分厚い雲に覆われ、夕暮れには霧まで降りてきて寒い夜だった。たまにはサイトを変えて設営するのも面白い。

狭い平地にテント設営
テント場から見た東屋方面の景色 白丸がテント位置
風も強くなかったので東屋を利用
日が沈むと霧が降りてきて寒い
下から見上げた東屋
ここにテントを建てようとする人は少ないはず
ここまでなら非力な軽でも入ってこれる

5月3日(金)川俣町 峠の森自然公園キャンプ場

いよいよGW後半、空いているキャンプ場を見つけるのは難しいかも知れない。行ってみて環境がそぐわなければ帰ればいいだけのこと、我慢しながらキャンプなんてしたくもない。
案の定、芝生広場は20張り以上のテントが並び、子どもたちが走り回り、子供以上にうるさく大声を上げるママさんたちをかき分けてテントを張る勇気も決心もつかない。

ここにテントを建てる勇気はない
この状況で野宿する気にはなれない
尾根伝いにちょっと下がると誰もいないゾーンがある


先端の東屋から尾根伝いに30mくらい下ると隠しサイト的な空間がある。周りを松と桜に囲まれ日陰も十分あるし薪にも苦労しない、専用の水道蛇口も数本立ち上がっている。テントだって余裕で10張りは建てられる広さなのに、こっちのサイトで設営している人は見たことがない。駐車場から50m歩くことで快適空間が手に入いるのならば迷わずこっちを選ぶけど、駐車場の近くからスペースが埋まっていく感覚は正直わからない。楽な設営よりは楽に時間を過ごせる空間を選ぶけどねー。難民テントの喧騒がかすかに伝わる下の隠しサイトは完ソロだった。

ゼロポールテント設営前
ゼロポールテント設営完了


風も弱いし頭上に木もあるのでゼロポールテントで設営。まだ虫も出ないので蚊帳テントでカンガルースタイルにしなくてもいい今の時期こそ、いちばんテント内を広く使えるベストシーズンだ。日没のきれいな景色も見れたし、騒がしさは欠片もない良いキャンプだった。

日暮れもきれい
上の広場では見られない景色

5月4日(土)田村市 桧山高原キャンプ場

気温30℃超え晴天の予報、 5日ぶりに桧山高原へ戻る。今日は強風も雨や雲の心配も一切ないので、晴天の遠景→吾妻連峰に沈む極上夕陽→郡山市の夜景→満天の星空→風車が唸る音→風車がシルエットに映える朝焼けまで全部楽しめそうだ。となると設営は普通のテント場のほうが都合がいい。
家に寄って時間調整をして14時30分に到着。ここのテント場は日陰が一切無いので到着は遅ければ遅いほどいいのだが、GWなのでなるべくいいポジションに設営したい欲望もありいつもより早めに到着してしまった。
テント場下の池の畔にテントが6張り。マジかー?!かつて経験したことのない盛況さだ。ここは池に向かって傾斜しており虫も多く、宿泊適地とは言い難いけれど風は幾分弱いのでたまに泊まっている人もいる。皆さん子連れのファミリーグループらしい。
レストハウスの裏側のいくぶん傾斜が弱いダートコースを轍にハマって腹を擦らぬよう注意しながら運転してテント場に到着。

GWなのにガラガラ


先住者は池よりの平地に御夫婦が1台、西側北のベストポジションにパップテントのソロが1台だけ。お隣さんにちょっと近いかなとも思ったけれどパップテント近くに3張り目のテントを建てることにした。ポジションが決まったらテントを建てる前に車の窓枠とポール1本を使ってタープを張って日陰づくり。西側からテント・車・タープと並べる。タープは陽が傾いたらすぐに撤収して車をテントに寄せる。明日朝の日除けにするわけだ。
その後テント場にはバイクが1台増えただけで全部で4張り、GWとは思えない。

まずはタープで日陰を作る
いつ風が吹いてもいいようにテントはがっちり建てる

そして期待通りの絶景が見れたわけなんだけど、このキャンプ場は日本でもかなり上位の良キャンプ場なんじゃないかなと思う。
景色がいいキャンプ場ならたくさんあるけど、西は開けた吾妻連峰、東は池と風車。東西南北違ったロケーションを見れるキャンプ場はそんなに無い。車両横付け可だし、マイナスポイントはトイレと炊事棟が池の側にあることくらい。時折吹き荒れる強風はむしろプラスポイントだ。そして何より予約申請不要の無料キャンプ場で、思いつきで出かけられて、いつでも空いている奇跡のキャンプ場だ。
おしゃれキャンパーやグループを強風と悪路(と言っても、私の非力な2WD軽自動車で来れるくらい)が拒んでいるお気に入りのキャンプ場だ。

日没を見るなら福島県じゃここがいちばん
何回見ても飽きない夕焼け
日が沈むと郡山市の夜景が光りだす
星空だって見とれるくらい美しい
東側の朝焼けも見逃せない
風がなければ池が鏡になる
日中の東側の池 ブラックバスは釣れるらしい

というわけで世間が最大10連休と浮かれていたGWに4泊、人とテントに囲まれること無くいつも同様のキャンプが出来た。
1.川内村 高塚高原キャンプ場 ウッドデッキで完ソロ気分。
2.田村市 桧山高原キャンプ場 東屋横で完ソロ。
3.川俣町 峠の森自然公園キャンプ場 下の隠しサイトで完ソロ。
4.田村市 桧山高原キャンプ場 正規のテント場で絶景キャンプ。
ちょっとだけ手間を掛けたり歩いたりするだけで快適空間が手に入るのならば、迷わず手間を掛けるけどね。人がいなきゃ嫌という人もいるんだからキャンプって一括りじゃ語れない趣味だと思うわ。


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