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ワインとID

このところワインを買いに行くと毎回のようにIDを見せて、と言われる。

ロックダウンのころはマスクをしていたのもあって、IDを見せてとよくいわれていたのだが、マスクを外した途端言われなくなった。
ああ、やっぱりね、年相応に見えるのでしょうね。とちょっとがっかりした。

それから数か月後、私が若返ったとはとうてい思えないのだが、IDを見せてとほぼ毎回言われる。
ただ、思い当たることが一つだけあって、ー前髪を切ったのである。

昔から前髪を伸ばしては、ぱつんときって、伸ばして飽きてはぱつんと切って、を繰り返していた。ここ数年は40代にもなったし、ぱつんとしたら若づくりしてるみたいだからやめていたのだが、急に切りたくなって切ったら、思ったほど悪くなかった。そして周りの評判が非常に良かった。(なぜか親戚の子供たちのウケもすごくよかった)

そしてそれから、ワインを買うたびにIDを見せろと言われるようになったのである。たまたまかもしれないが、IDを見せろというのはインド系の人が多い。インド系の人には私の年齢が全くわからないのかもしれない。確かに私もインド系の人の年齢が全然わからない。

それにしてもID見るほどではないと思うのだが、と夫に話したところ、この国は疑わしきは、罰せず、ならぬ、IDを確認。らしい。とにかくちょっとでも怪しかったらとりあえずID確認しとこ、ということらしい。
(20代の時に住んでいたオーストラリアではID見せろと言われたのは数回だけ)

おそらく私が当たった店員さんたち、こいつ年齢が全然わからないけどたぶん30歳はいってるだろうし、でもまあとりあえず、ID確認しとくか。となったのだが、IDを確認してびっくり、30代かと思ったら、おいこいつ、40過ぎてるよ!!70年代生まれだよ!昭和だよ!(とは思わないだろうが)俺(私)より年上だよ!
そして皆さんとてつもなくバツの悪そうな顔をするのである。

30歳が20歳に見えるなら、若く見えるね、と声をかけるのかもしれないけど、45歳が20歳に見えるなんて、目が悪いとしか思えない。判断力の悪さに何も言えなくなるのではと推察する。一度なんて、IDを見せたら、店員さんに「グゥ」と変な声を出された。

最初は若く見えてるのかしら?と思ってうれしかったのだが、このバツの悪そうな顔を見るのがつらく、最近はワインを買うのも苦痛である。


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