【超短編】このアニメの結末を知ったら死ねる
「で、まだ死なないわけ?」
魔神は寝そべり、鼻をほじりながら言った。
「話が違うじゃん」
魔神は、ある雨の日に現れた。雷が落ちる音が聞こえて、その数秒後に部屋がぴかっと明るくなる。僕はあの雷に打たれて死にたいと思った。早く死にたかった。
人間が嫌いで、人間が恐くて、誰の言葉も聞きたくなかった。誰の意見も聞きたくなかった。
目を覚ますと、雨は弱まっていた。いつの間にか眠っていたらしい。床に転がった粗悪な缶チューハイの中身は空だった。
僕は缶の横に、“何か”が立っていること