昨日、登山を趣味とするお客さんから聞いた話。

ある山で、下山の時に仲間から逸れてしまって、大急ぎで降っていた途中、道に迷った。

ふと枝道があり、方向的に「最善か?」と思いそちらに進む。

すると、程なく少し開けた平場に出た。そこには、人の高さほどのケルンがいくつもいくつも作られていた。
ケルンとは、過去登山した人や、昔、山を管理していた人が、登山者が遭難しないように、道しるべとして石を仏塔のように積み上げたものだ。
そして、まれに、誰かが遭難した場所に供養のために積み上げられる場合もある。誰かが何かの意味を込めて積み上げた石の塔だ。
それを見て荘厳な気持ちになる。

道は、そのケルンの広場を越えて続いており、その道を通って降りていくと、ようやく見知った道に出て、無事下山できた。

不思議なのは、地図はもちろん、後で何度行っても、そんなケルンの連なる平場などなかったこと。

その手の似たような話はよく聞く。

でも、間違いなく、彼が実際に体験したことだ。

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