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怖い話 不思議な話

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日本酒バー會津蔵武のカウンターできいた、不思議な話を入れています。
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2021年6月の記事一覧

小さな怖い話3つ

◯◯町の蕎麦屋に座敷わらしが出るという。 女将さんが仕込みをしていると、 二階でトントントンという子供のもののような軽い足音がする。 暗い二階を覗いたら、誰もいなかった。 座敷わらしと言うことにしておいた方が、怖くなさそうだ。。。 高校時代の同級生に寺の娘がいた。 その子の話では、夜に境内を箒で掃く物音がすると それからまもなく葬式が入るという。 高校時代の同級生の家の話。 お盆の入りには、まず虫が来る。 それは立派なカマキリだったり、きれいな模様のカミキリムシだったり。

着物の女性

これは私自身の30年以上前の話。 私は八丈島のリゾートバイトから引きずったテンション(まあ、怪異がいろいろあって。これは別の話)で、大学の寮に戻ってきた。 大学はキリスト教系の芸術大学で、◯◯城址という山城の上にあり、その山腹に寮や修道院がある。その山を降りたところにバスプールがあり、多くの学生が使うので、その前の停留所も屋根がついて割と人数が座れるベンチが設置されていた。 戻ってきてからしばらくして、市内に用事があり、停留所でバスを待っていた。 天気は雨で、雨音を聞

叔母から聞いた話

叔母は今年85になった。彼女は7年前に亡くなった私の父の妹だ。 まだ元気にしている。 うちは古い神道の家系で、今ではそんなことはないが、昔は神社の娘を嫁に入れたり、娘を巫女に出したりしていた。祖母(叔母の母)も近隣の神社の娘だ。そんな風なので、世代にひとりは、妙に感のいい子供が生まれる。 叔母はそういう人だ。 60年以上前、彼女は静岡の小都市に嫁に行き、夫婦でその町に土地を買い、新しい家を建てることになった。 その敷地の中に、傾き壊れた小さな石の社が、半分、土に埋まった状

奥会津の村の古い旅館の思い出

高校時代の同級生の話 彼女の母の実家は、奥会津のある村の小学校の隣で旅館を営んでいた。屋号を◯◯屋という。 今はもうない。 ◯◯屋には大広間があり、村の集まりをしたり、隣の小学校が夏休みになれば、子供たちを呼んで移動映画館になったりした。 そんなときには、小学生だった彼女もお手伝いに旅館に呼ばれて、子どもたちに配るお菓子袋をつくったりした。同じ年頃の子ども同士なので、毎年手伝いに来る彼女と彼らはすぐに仲良くなった。 ある年、人数分のお菓子袋を用意し、来てくれた子どもたち