生存報告(2023/06/04)(柔術と趣味とロックンロール、エル・カブキ月一単独ライブ「世界一決定戦」ゲスト TKO

柔術と趣味とロックンロール

今年に入ってから柔術を始めた。健康のためとか体力づくりという意味合いもあるが、二年後に医師になるにあたって特に手技において、自分がいまどのようにして体を使っているのかをもっと意識出来るようになりたいという目的もあった。そんなわけでどうにかこうにか通っていて、力や技術が当然足りていないわけだから練習でもやられまくる。それは別に良い。当たり前だ。しかしなかなかに慣れないのが、明らかに体が二回り以上大きな相手に文字通り赤子の手をひねるようにこてんぱんにやられたときで、そんな日の帰り道は月だって滲んで見える。

柔術は体が小さくても大きな相手を倒すことが出来る競技だというイメージがあったのだが実際にはほとんどそんなことはなく、大会でも細かく体重別のカテゴリーに分けられているし、自分も大きいほうではないから20キロ以上も上の相手から上に乗られたときなどはもはや手出しのしようがない。技術を超えた圧倒的な体格差というのが競技として存在していて、それはまあほとんどの格闘技というものがそもそもそうなのだろうが、しかしだとしたら何のためにいま自分がやられているのかが分からなくなる。どれだけ自分がスキルを上げたとしてもこの20キロ以上自分より大きな相手より強くなることが出来ないのだとしたら、ここでその相手からやられ続けることに何の意味があるのだろうか?

そんなことを考えていたときに、しかしふと、甲本ヒロトが言っていたことを思い出す。それはつまり、ロックンロールとは何かということだ。

ロックンロールバンドがね 目指す場所はね 無いんだよ
中学生でもいい 小学生でもいい 高校生でもいい
例えばホウキでもいいんだ ギター持ってなくてさ
ロックンロールに憧れて 教室の隅っこでワァーってなる すっげぇ楽しいんだ
そこがゴールです
そこにずっといるんだよ そっからどこにも行かないよ
それが東京ドームになろうが 教室の隅っこであろうが そんなの関係ないんだ

これは甲本ヒロトがロックンロールの人だから主語がロックンロールにはなるが、おそらくそれに限った話ではない。夢中になれること、ということは全てそうだろう。趣味、という言葉で言い換えても良い。それをすることの先に何か目的や目標があるのではない。それをすること自体が目的であり目標なのだ。趣味というのは本来そういうものだ。

だから例えば柔術ならば、20キロ大きい相手よりも強くなりたいとか、そういった目的のために今日の練習があるわけではない。今日の練習が楽しいかどうかが何よりも大切なことだ。というかそれしか大切なことはない。もちろん大きな相手からやられまくること自体が楽しいと思えるほど自分の懐は深くはないが、やられまくったことでやられまくらなかったよりも強くなっているのであれば、それは楽しい。この過程そのものが目的であり、その先に何か結果があるわけではない。楽しいという、そこがゴールなのだ、という話。

そんなこんなで、柔術、毎日楽しいです。

エル・カブキ月一単独ライブ「世界一決定戦」ゲスト TKO

今年の2月に続いてTKOが二度目の出演。敏腕作家として勝手に大宅壮一文庫で集めた資料を送りつけてしまいましたが、ネタとして使ってもらってありがたかったです。

今回も非常に面白かったですが、特に売れる売れないについての話のときにエル・カブキの二人に木本さんがかけた言葉がとても美しかった。以下書き起こし。

人それぞれ売れる時期って絶対あんのよね、きっとね。それ(がエル・カブキには)今までなかっただけで。励ましてるんじゃなくて、ホンマにそう思ってて。
だから今オレらもそれを信じてて。
元々決まってたんやと。
自分のせいでこうなってんけど、でも自分たち中心の物語で考えたときに、なんかたぶん、もう一回なんかがあんねやろなって。

この場面ではないところで木本さんが語った芸人論で、芸人のファンやお客さんは芸人としての溢れ出るにおい、香りに惹き寄せられていくというお話をされていたけど、「もう一回なんかがあんねやろなって」と信じて語る木本さんに間違いなく「芸人」にしか出せない香りを感じた。いまの木本さんが本当に悩んでる人に人生相談する企画、どこかの媒体でやってほしいと心から願ってます。

ライブはアーカイブ配信中。視聴期限: 2023年6月10日(土) 23:59 までだそうです。

https://twitcasting.tv/c:19850126/shopcart/233348

観たものなど

4/9「雪見だいふくの第一印象は固い」(配信)
4/16「三浦マイルドのスタンダップコメディ破邪顕正」(配信)
4/23画餅「モーニング」(劇・小劇場)
5/1マッハスピード豪速球×ヤーレンズ「白髪まみれ」(なかの芸能小劇場)
5/6バカリズムライブ「fiction」(配信)
5/8マキオカリー店長会議(配信)
5/14鈴木みのり×竹中夏海×和田彩花「歌って、踊って、演じて、表現するアイドルのための健康とジェンダー」(配信)
5/17シンクロニシティ初単独ライブ「おわりのはじまり」(配信)
5/22 「スカート×街裏ぴんく」(配信)
5/28 画餅「ホリデイ」(配信)
6/2エル・カブキ月一単独ライブ「世界一決定戦」ゲスト TKO(配信)

そのほか(箇条書きで)

・「THE SECOND」振り返り系は色々観たけど、一番良かったのはダイタクのYouTube(5/24公開)で語られてた、囲碁将棋・文田さんからスピードワゴン・小沢さんに言ったという台詞。スピードワゴンが「THE SECOND」出場を決意したことに対して、「俺が小沢さんだったら絶対に出ないですけど、小沢さんが小沢さんだったら絶対に出るんだろうなって思ってました」。やばすぎるなー。
・令和ロマン「あっちゃんへ。」はもっと評価されるべき。ただふざけてる、の強さと痛快さ。「THE SECOND」振り返りのちょっと異常なほどの秀逸さも。
・「推しの子」についても色々と思った。敵の敵は味方ではないし、敵の味方は敵ではないということ。エンタテインメントを本当に必要としているのは誰なのかという問題(これは映画「怪物」とクィアに対しての言及でも感じた)。など。

ネット記事など

落語家・柳亭小痴楽さんが暮らした代官山、巣鴨、祐天寺の思い出と魅力 - SUUMOタウン

【ピエール学園コレクション】CREATER AND PRODUCED BY : APPLEBUM / TAMANIWA

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(2023/05/14〜2023/06/04)

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