見出し画像

大腸がんは、検査するまでわからない。


大腸がんにかかる人は増えている。

大腸がんは、増加傾向にあります。
2019年のデータでは、
大腸がんにかかる人の数が、
すべてのがんのなかで最も多いのです。
そして、亡くなる方の数は、
肺がんに次いで2番目に多くなっています。

どんながんでも、リスクを避ける予防に加え、早期発見が大切。
今回は、大腸がん検診の方法について
詳しくお話ししたいと思います。

大腸がんに気づく、3つの方法。

覚えておいてほしい大腸がんの検査は3つあります。
まずは、便を採取して検査する「便潜血検査」。
これは健康診断などで広く知られていますね。
最も簡単な検査です。
通常、食物が便として排泄される過程で
便に血が混じることはありませんので、
この検査で陽性と判定された方は、
「大腸がんの可能性がある」ということです。

次に、肛門からカメラを入れて
直接大腸をみる「大腸内視鏡検査」。
肛門からカメラを入れるため、
大きな苦痛を伴うという方もいらっしゃいますが、
詳細に検査ができる特徴をもっています。
さらに、ポリープやがんが疑われる病変があった場合、
必要に応じて病変の組織を一部採取したり、
同時にポリープの切除を行うこともできます。

それから、大腸内視鏡検査の苦痛を軽減しつつ、
大腸内視鏡検査に近い情報を得られる特徴を持つのが、
「大腸CT検査」です。
大腸内視鏡検査より少ない下剤で腸をきれいにし、
肛門から細いチューブを入れ、CTで撮影することで、
腸内の疑似画像を得ることができます。

ためらっている間に、がんは進行する。

私が心配しているのは、
便潜血検査で、陽性判定になったとしても、
「硬い便だったから肛門が切れてしまった」
「昔から痔があるからソレが原因だろう」
などと自分に都合の良い解釈をし、
精密検査を行わずに、
そのまま放置する方が非常に多いことです。
それは絶対にいけません。
便潜血検査で陽性と判定されたら、
早めに医療機関を受診してください。
本当に痔であるケースもありますが、
受診してみないことにはわかりません。

「検査が嫌だ」、「苦手だ」、「行く時間がない・・・」
ためらっている間に、がんは進行しているかもしれません。
早くに発見できれば、
体への負担が少ない内視鏡治療で済むところですが、
進行してしまえば、もっと大きな治療が必要となります。
人工肛門など、
どうしても今まで通りの生活というわけには
いかなくなってしまうこともあるのです。

大腸がん検診を習慣にする。

大腸がんのリスクを減らすことも大切です。
まずはリスクとなるような
肉中心の食生活や飲酒、喫煙を避け、
肥満を解消するために運動をしたり、
生活習慣を改善しましょう。
まれに遺伝が関与していることもありますので、
身内で大腸がんにかかった人がいれば、注意が必要です。

大腸がんに早く気づくために、
ご自身でできることは、
便に血が混じっていないか、
色が黒っぽくないかなど、
毎日の便の状態をチェックしておくこと。
毎日チェックすることで、
変化にも気づくことができますよね。

そして、「大腸がん検診」を定期的に受けること。
生活習慣の改善と併せて、
大腸がん検診も習慣にする。
結果に異常があったら、
絶対に放置しないことが大切です。

元気で長生きをするために、
未来の自分の健康への投資を、
今から始めましょう!

解説:相澤健康センター 副センター長 髙木健治

相澤健康センター エフエム長野oasis79.7