見出し画像

「早く見つけていたら・・・」を、がん検診で防ぐ。


がんは予防しきれないから、早期発見しかない。

振り返ってみると、
がんをテーマとした話を多くしてきました。
それは、がんが日本人の死因第一位になっており、
今や2人に1人ががんにかかる時代だからです。
医療の進歩によって、
早期に発見すれば根治も期待できるようになってきたからこそ、
がんを早く見つける一助になればと思い、
これからも、がんの話をしていきます。

そもそも、がんは防げるのでしょうか?

残念ながら、100%防ぐことはできません。
しかし、がんのリスクを減らすことはできます。
まずはリスクとなるものをできるだけ避けること。
塩分を少なめにし、野菜を多くとるなど、
がんになりにくい食事を心がけ、
禁煙やお酒の量を減らすなどの生活習慣の改善に努めましょう。
それから、症状のないうちに、定期的にがん検診を受けること。
がんを早期に発見し、治療につなげることも大切です。

早く見つけるための、がん検診。

がん検診とは、
症状のない人ががんにかかっているかを調べるものです。
対象になるがんなどによって検査方法が異なります。
検診を受け、がんの疑いがある結果が出たら、
なるべく早く精密検査を受けましょう。

がん検診として、最も身近なのは、
自治体で実施している、住民を対象にしたものでしょう。
検査日や対象年齢、検査方法などが限られていますが、
費用負担が少なく済みます。
一方、個人が任意で受けるがん検診もあり、
人間ドックがその代表例です。
自治体で実施しているものに比べると費用はかさみますが、
自分のリスクなどに合わせて選ぶことができます。
たとえば、女性なので乳がん検診を受けようとか、
家族や親戚に大腸がんにかかった人がいるから
大腸がん検診を受けてみようとか、
そういうこともできますね。

がんは多くの場合、
初期には症状が出ないものがほとんどで、
症状が出る頃には進行していることもあります。
がんを早期に見つけるために、
症状のないうちから、ぜひ定期的にがん検診を受けてください。

がん検診の最大のメリットは、
がんの早期発見につながることです。
そして早期に治療することができれば、
治療による体への負担やその後の生活への影響は
少なくて済みますからね。

がん検診は、一度きりでなく、定期的に。

残念ながら、がん検診の精度は100%ではありません。
がんは、発生してから一定の大きさになるまでは発見できないため、
一度のがん検診で確実に見つかるとは限りません。
だからこそ、がん検診は1回だけでなく、
定期的に受けることが大切です。

国は、がんによる死亡を減らす効果が
確実なことが科学的に認められている、
胃がん、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮頸がん検診の
受診を推奨しています。
これらをまとめて5大がんと呼びます。
しかし、必ずしも、
5大がんだけに注意すればいいというものではありません。
たとえば、膵がんは本当に発見が難しく、
進行も速いので、気をつけなければならないがんですし、
まずは5大がんの検診をベースにしつつ、
不安なことやリスクに合わせて、
他のがん検診を受けていくのがオススメです。

次回以降で、それぞれのがんについてと、
その検査の説明をしていきたいと思います。


解説:相澤健康センター 副センター長 髙木健治

相澤健康センター エフエム長野oasis79.7