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第420回  < 今年の夏は異常な暑さでした >

9月も下旬に差し掛かり、ようやく暑さが一段落してきました。今年は東京で6月末から30度越えが続き、真夏日が87日、35度以上の猛暑日が22日続くという異常な暑さだったようです。夜間が25度以上の熱帯夜も57日ということで、我が家でもクーラーを止められる日がほとんどなかったと記憶しています。これだけ暑いと生産性にも影響が出てきます。暑さは集中力や注意力にもマイナスの影響を与えますし、体調管理も難しくなります。

日本のみならず北米、欧州、アジアなど全世界で異例の暑さとなった今年ですが、欧州の気象情報機関コペルニクス気候変動サービスによると、今年の6-8月の暑さは1991年から2020年の平均値を0.66度上回ったとのことです。人間が快適に過ごせる気温帯がかなり狭く、今後の気候変動は我々の生活に大きなインパクトを与えることを実感させる夏となったのではないかと思います。

昨今、ESG(環境・社会・ガバナンス)の中でも、あらためて環境について取り上げられることが増えたように感じますし、また、地球に暮らす我々一人一人が、これまで以上に真剣に環境問題について取り組んでいかないと、今後数十年の気候変動がもたらすコスト増加は想像を絶すると思われます。私たちの投資領域においても、SDGs、ESGをテーマにした投資ファンドの設定が加速しています。また、私どもの投資対象案件の中にも環境問題解決型の事業が数多く見られるようになりました。これまで環境問題に目を背けつつ経済発展に邁進してきた人類も、ここにきて、課題解決に取り組まざるを得ない状況まで追い込まれつつあります。

再生可能エネルギーの普及と化石燃料由来の発電からの脱却は2000年初期からの取組が効果を上げてきている一つの事例です。国際エネルギー機関(IEA)では、2025年に太陽光、風力を中心に2025年には再生可能エネルギーが石炭火力を抜いて最大の発電源になる見込みであるとしています。ロシアによるウクライナ侵攻等によってガスや石油価格が高騰したことも背景にあるとはいえ、比較的短期間で大きな成果をあげた分野といえます。

しかし、残念ながら世界における二酸化炭素排出量は2022年時点で史上最高水準を更新しています。特に中国、インドをはじめとするアジア地域における経済発展の影響が大きく、このトレンドはまだ継続すると考えられます。この状況を見ると、これからも暑い夏が続くものと想定されます。温暖化問題からESG投資を進めるなど、仕事上での対応を考える一方、生活、健康を守るためにも、次の夏に向けての対策を講じないといけないかもしれません。


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