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糸を染めてデニムを織る

こんにちは、藍屋テロワールの湯浅です。
藍屋テロワールではこの春から、藍染のデニムを織るための糸染めが本格的にスタートしました。
そんな糸染めについて、僕らが糸を染める意味について書いていきます。

絣の三大産地 備後

藍屋テロワールの畑、工房が位置する広島県福山市山野町は古い呼び方で備後という地域にあります。この備後地区では古くから絣の産地として織物が盛んでした。
絣とは、織物の技法の一つで、糸に防染をして染まらない部分を作り、先染めすることで、染まっていない部分を用いて経糸と緯糸を組み合わせ、柄を織りあげていく織物です。

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この絣はインドから琉球にわたり、その後、福岡県の久留米、愛媛県の伊予と発展し、この備後にわたってきたと言われています。
この久留米、伊予、備後が三大絣として知られています。
現在では、久留米に20軒ほど、伊予ではもう織られておらず、備後では2軒しか残っていないと言われています。
備後地域は、絣から始まり、厚地の先染め綿織物の産地として発展を続け、現在はデニムの産地としてその歴史の上に立っています。

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さらに、現在は徳島で有名な藍の産地ですが、当時は日本全国で栽培がおこなわれ特に備後地域でも栽培が盛んだったという情報も残っています。
そんな歴史的文脈を持つ、この土地で藍の栽培から染料づくり、藍染めを行う僕たちだからこそ、糸染めに力を入れていきたいと思っています。

最初の目標は藍染めのジーンズ

そしてこの春から、ついに糸染めが始まりました。
デニムを100m織るために必要な糸は300綛。綛とは一本の糸を束状にしたものです。
もちろん、綛を手で染めていきます。
一日に染めることができる量が限られている天然の藍染め。
現在の染色槽で、染めることのできる本数は10綛だけです。
また、一度染めただけでは到底、デニムにできるような色の濃さにはなりません。
1つの綛を約10回、何度も何度も染め重ね、深い藍色に仕上げていきたいと思っています。
通常の化学染料で染められているデニムが1m約1000円前後だとしても
今回の出来上がる生地は2万円以上になると思います。そんな夢のような生地で夢にまで見る藍染めジーンズを創る挑戦が始まりました。
日々、コツコツと大切に丁寧に染め上げていきます。

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