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【毎週発行】「グローバルITトレンド」から見えた未来,2024年2月21日


EU,EUのデジタルサービス法本格的稼働へ

Yahoo News

ヤフーニュースによるとEUの執行委員会は、EUのデジタルサービス法(Digital Services Act, DSA)が2月17日から小規模なオンラインプラットフォームを除く全てのプラットフォームに完全に施行されることを報道しました。

執行委員会が定めた基準によると、従業員数が50人未満で年間売上が1,010万ドル未満の小規模企業は除外されます。この法律により、ほとんどの大手オンラインプラットフォーム企業は、児童性的虐待資料を含む有害・違法・虚偽のコンテンツを迅速に削除しなければなりません。また、プラットフォームユーザーが違法コンテンツを報告する手段も別途設ける必要があります。

未成年者だけでなく、政治・宗教的信念や性的嗜好などに関連する個人情報データを使用したターゲット広告も禁止されます。EUのデジタルサービス法(DSA)は、特定の人種、性別、宗教に偏った発言やテロ、児童性虐待などと関連するコンテンツのオンライン上での拡散を防ぐことを目的として、昨年8月に導入されました。

施行初期には、Google、Facebook、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeなどの大手プラットフォームと検索エンジンが対象となりましたが、今回施行対象が拡大されました。プライバシー保護の観点だけでなく社会的に悪影響を与えるコンテンツ・データに関する直接規制になります。

自民党、安全なAI使用につながるAI関連法案を2024年内制定


自民党は、AI技術の監視を目的とした法律の制定を政府に求める提案を準備しています。自民党AIプロジェクトチームは、虚偽情報、権利侵害などAIに関する問題に対処するための枠組みを設け、主要なモデル開発者に対する罰則を含む予備規制を準備する予定です。これは、AI技術の倫理的かつ責任ある使用を監督するための包括的な規制の必要性が高まっているためです。オープンAIを含む主要なAI産業体がこの規制の対象になると予想されます。日本のこの動きは、昨年末にEUでの人工知能法(AI Act)に関する政治的合意に合わせ、技術の倫理的な発展と法的枠組みを通じてAI関連の問題に対処しようとするグローバルトレンドと一致していると評価されています。

日経ニュース

アップルVision Proがリードする、空間Computing革命が来る

Image source: Apple

最新のiPhone 15に目を見張るような革新的な機能が欠けている中、AppleはApple Vision Proを2月にリリースしAR、機械学習及ぶ空間COMPUTINGを上手に融合したことで話題を呼んでいます。この記事を参考に、Apple Vision Proがアプリマーケティング領域においてどのような影響を与えているのかApp Store Optimization(ASO)の観点から解説してみたいです。

Apple Vision Proにてアプリを検索するには下記のような方法があります。
1. 仮想キーボードで入力
2. 音声入力
3. 見て選択する

多くのユーザーは実際Vision Proを利用してタイピングすることがいかに難しい作業なのか感じたようで、比較的にスムーズなのは音声を活用する方法だそうです。なのでSIRIなどを利用してアプリを探したり、起動する際にも影響されるタイトル領域での対応も音声検索を意識してメタ情報を構成したほうが良いかと思います。比較的に明確で簡潔なアプリ説明文を作成しながら、ユーザーが良く使用する単語や表現を把握するため常にトレンドを把握する必要があるでしょう。

記事:Spatial Computing Revolution: Adapting ASO to Apple Vision Pro

YC's latest Request for Startups:世界的に有名なスタートアップアクセルレーターY-Combinator社が最近公開した有望創業アイテム


ワイコンビネーターでは年2回バッチと呼ばれるスタートアップピッチデックイベントがあり新しい事業アイデアやアイテムを審査して選ばれたら投資を受ける事になりますが、YCでは今年の有望事業カテゴリを下記のように20カテゴリに分けて発表しています。

これらのアイデアは、YC (Y Combinator) が今後の投資対象となるスタートアップのために特に興味を持っている分野を示しています。これらの分野は、技術の進歩や社会のニーズに基づいて選ばれており、将来的に重要な影響を与える可能性がありますので現在自社のサービスや新規事業開発の観点からも非常に参考になるインサイトではないかと思っております。

  • マシンラーニングを適用したロボティクス事業:ロボット工学におけるマシンラーニングの応用は、より高度で効率的な自動化ソリューションを生み出すことができますので今後注目を浴びる業界だと思います。

  • 物理世界のシミュレーションにマシンラーニングを使用する分野:複雑な物理現象をモデル化し、予測するためにマシンラーニング技術を利用します。実際Open AIの動画生成AIもこの物理世界をいかに理解してリアルに再現できるか、動画を作れるかが実力の決め手になることを理解しております。Teslaの自動運転の領域も膨大なデータを利用して物理世界を運転する(シミュレーション)することに尽きると思っています。

  • 新しい防衛技術:セキュリティと防衛の新たなフロンティアを開拓する革新的な技術です。個人的に世界で平和しかなくこのような防衛技術や武器などがない世界を望んでおりますが、リアル世界では実現は永遠にできないかもしれません。

  • アメリカへの製造業の回帰:高度な製造技術を活用して、製造業をアメリカに戻し、雇用を創出していく。このポイントは実際日本でも非常に魅力的な領域だと思われますが、今後AI発展による一番の恩恵を受ける分野の一つが製造業ではないでしょうか。製造業部門はAIだけでなく,IoTセンサー、スマートファクトリ、デジタルツーインと呼ばれるメタバース関連技術、ロボティックスなどがすべて融合される領域だからです。

  • 新しい宇宙会社:宇宙探査や商業宇宙旅行など、宇宙関連産業の新しい可能性を開拓します。Space Xがイノベーションを起こした一番の成果物として取り上げられるのが再利用できるブースター技術を確保したことだと思います。それにより打ち上げ費用が飛躍的に安くなり宇宙観光時代が開けられるかもしらないとの希望を世界の人にみせてくれたからです。


  • Climateテック:気候変動に対処し、持続可能な未来を実現するための技術を開発します。最近日本でも異常気象の影響で暖冬が続いており他人事ではないイッシューでもっと有望な領域だと思います。個人的に今の時代気候変動で大変だから、利便性を放棄して昔に戻りましょう的ないくら話しても実現不可能だと思いますので、技術革新による二酸化炭素の排出のない社会を作るしかないかと思っています。

  • 商用オープンソース企業:オープンソースソフトウェアの開発と商用化を促進します。META社がリリースしたラーマ―モデルのようにオープンソースは小さい会社や一部の組織が手掛けていくものではありません。世界的に影響力高いもので実際集団知性による発展してきているオープンソースの力は既に無視できないレベルだと思っています。それからオープンソースがもたらす社会的に、ビジネス的な影響力もますます増加していくでしょう。

  • 空間コンピューティング:現実世界とデジタル世界の間の相互作用を強化する技術です。METAやAppleが推進していく空間コンピューティング領域もSF映画でみるような未来を現実世界にする技術だと思いますので徐々に我々の生活に浸透してくることになると思います。ただ、これではないと思っております。空間コンピューティングが身近になればなるほど、リアルの世界の大切さも我々人間がもっと気付くことになると思います。


  • 新しいERP(企業資源計画)ソフトウェア:企業の運営をより効率的にするための革新的なソリューションになりますが、企業側の内部でなく既存のCRM、SFA,RPAなど様々なソリューションと統合していくのではないかと思われます。各部署ごとにより専門で高度なソリューションが浸透していくことになるのではないかと思っています。合わせて顧客データプラットフォームとしてCDPを有効活用できるソリューションが逆光を浴びていくと思います。

  • 既存の内部ツールに触発された開発者ツール:開発者の生産性を向上させるための新しいツールやサービスです。現在の生成型AIもそうですが、単純作業や形を作るものはより効果的処理できるツールが発展していくと思います。コード作成よりわたしが作りたいSWの企画や中身つくりがもっと価値ある事になるのではないでしょうか。ウェブチューンとかの領域もクリエイターはストーリや企画をするだけで実際スケッチや彩色はAIがやってくれる時代が来ると思います。

  • 説明可能なAI:AIの決定プロセスを透明にし、理解しやすくする技術です。XAIのことですが、ブラックボッス化された現在のAI領域で説明可能なAIはより安全で中身を確認できるためより信頼性が要求される医療やセキュリティー、法務的な領域で発展していくと思われます。

  • 従来の企業のバックオフィスプロセスのためのLLM(Large Language Models):手作業によるプロセスを自動化し、効率化するための技術です。
    現在のチャットボットもそうですが、簡単で既に社内データーが応用できる分野はロボットやAIによって人が代替される時代が来るでしょう。

  • 企業ソフトウェアを構築するためのAI:ビジネスのニーズに合わせたカスタマイズ可能なソフトウェアソリューションを提供します。現在のGTPsもよい事例だと思いますが、サポートを超えて実際人々が行われる領域の仕事までAIが応用されると思います。

  • ステーブルコインファイナンス:暗号通貨の安定性と利便性を高める金融技術です。ワイコンビネーターはコインベースなどのブロックチェーン事業関連にも投資をして大きな利益を得ました。WEB3.0 などともつながる領域でブロックチェーン技術による新しいビジネス創出に関してはやはりポジティブに受け止めている気がします。

  • がんを終わらせる方法:がん治療に革命をもたらす新しいアプローチや技術です。創薬分野は非常に難しく莫大な資金や時間が必要な領域ですが、我々の生命と関わる領域のため我々人間が永遠に挑戦し続ける領域だと思っています。
    実際Googleのアルファフォールドをはじめ、タンパク質予測するAI技術の応用でがん治療につながる物質を予測したり、空間転写体技術を利用して創薬の各プロセスに分析技術を提供する会社はこれから非常に注目されていくと思われます。弊社も創薬分野でPortrai社とパートナーシップ提携を結んでおり日本でのビジネスを展開しております。

  • 生物学的システムのためのファウンデーションモデル:生物学的プロセスを理解し、新しい治療法を開発するための基礎モデルです。実際NVIDIA BioNeMo™ は創薬のための生成 AI プラットフォームで、独自のデータを使用したモデル トレーニングや、創薬アプリケーション向けモデル デプロイメントのスケーリングを簡易化および高速化できるサービスです。このようなBioNeMo は、AI モデルの開発と展開の両方を最短で実現し、AI を活用した創薬への道のりを加速できる生物学的システムのためのファウンデーションモデルのよい事例だと思います 。

  • ヘルスケアのためのマネージドサービスオーガニゼーションモデル:効率的で質の高い医療サービスを提供する新しいビジネスモデルです。

  • ヘルスケアにおける中間業者の排除:医療コストを削減し、患者への直接アクセスを改善する方法です。

  • より良い企業用グルー:異なるシステムやアプリケーション間の統合を改善する技術です。私の理解が正しいか少し不安ですが、標準化ではないものをスムーズに統合できるようなものやサービスに当たるものではないかとおもっています。例えばOPC UAという産業用通信プロトコルがありますが、この規格に沿って開発できたソリューションなどは製品やOSなどが異なる製造業者間の境界を越えてデータ交換ができるようになります。これはある意味規格の創出だと思いますが理解しやすく例として申し上げた次第でございます。

  • 巨大な汎用モデルの代わりとなる小さな微調整モデル:特定の用途に特化した効率的なAIモデルの開発です。このながらに関しては前回の記事でも申し上げましたように企業のニーズや専門分野の合わせて細分化し、実際生産性アップに直結するため最低限必要な動きだと思います。現在はマーケティング、セキュリティー、バイオなど大きなファンデーションモデルがカテゴリ別発展していきますが、もう少しでより繊細なニーズの答えられるような微調整モデルが増えていくでしょう。

これらの分野は、技術革新の潜在力を活かし、社会的、経済的影響を与える新しいビジネスの機会を提供する領域ですので一度新規事業対象として真剣に考えてみるのも良いでしょう。


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