わかりやすいインターオペラビリティー学習講座の学習帳(開催日時:2023年9月2日 22時~)

 2023年9月2日、22時からTsumugi DAOにて「わかりやすいインターオペラビリティー学習講座」がありました。講師は、木村 優さんです。
 参加したので、少しでも身につけるため、学びをアウトプットしてみます。なお私は、クリプトそのものの知識がほぼゼロです!

そもそもTsumugi DAOとは?

 Tsumugi DAOは、co-founderのjoetakayamaさんと、同じくco-founderの南国さんが立ち上げられたDAOです。

 2023年9月1日開催のコミュニティコールについて、まとめ記事も書いていますので、気になる方は読んでみてください!

インターオペラビリティとブリッジの違い

 講座は、「インターオペラビリティとブリッジの違いについて」から始まりました。
・ブリッジはインターオペラビリティに含まれる
・インターオペラビリティはブリッジではない
と、上位語・下位語の関係なのかな?と咀嚼しました。

 インターオペラビリティは何でも司令できる=ブリッジよりできることが多いので、ブリッジではない、となるそうです。
 ブリッジはトークンを送ることしかできない代わりに、インターオペラビリティはNFTだって送ることができるそうです。

インターオペラビリティの規格はたくさんある

 次に、インターオペラビリティの規格について学びました。
 たくさんの規格があるなかで、最近よく目にする「LayerZero
もインターオペラビリティの規格であるということを、この講座で知りました。

ポルカドットとアバランチは特別

 今回は「わかりやすい」ということで技術面のことはさておき、ビジネス面で使うとすると、ポルカドットとアバランチは特別だそうです。

 まずポルカドットは、ポルカドットパラチェーンオークションに勝って、パラチェーンにならないといけない、とのことですが、パラチェーンって何なのでしょう……?話の雰囲気的に「傘下に入る」という認識でいいのでしょうか。
 続くお話でも、パラチェーンになると「ポルカドットに面倒を見てもらえる」とあったので、雰囲気理解しています。面倒を見てもらえる代わりに、オークションに勝たないといけない。ポルカドットと何の苦労もなく関わりたければ、パラチェーンになることは必須だそうです。

 続いてアバランチは、アバランチのSubnetにならないといけないそうです。これも「面倒を見てもらう」という表現をされていたので、傘下に入るという認識です。

 ポルカドットとアバランチは両方とも「中心となるブロックチェーンに面倒を見てもらう」という特徴が特別、だそうです。
 一方LayerZeroなどは、中心となるブロックチェーンに面倒を見てもらう必要がないそうです。この面倒を見てもらうかどうかが、どのように関係してくるかはこれから出てきます。

セキュリティ面について

 運用していくなかで気になるセキュリティ面については、インターブロックチェーンコミュニケーション(Cosmos)が一番安全と言われているそうです。Transactionを送っていた証拠があれば、受け取ってもいい……?この辺りは、まだ理解が追い付きませんでした。
 
 噛み砕いた説明としては、「チェーンAからチェーンBに何かを送った証拠がないのに、チェーンBに何かが届いていれば不正が発生している。そういう不正を検知するための機構を、通信するチェーンのなかで持って行う。他のブロックチェーンに面倒を見てもらうなくても、セキュリティを担保しているチェーンAとチェーンBのセキュリティに依存している。チェーンそのものが改ざんされていればインターオペラビリティなんて関係ないので理論上一番安全と言われている」だそうです。
 
 確かに、特定のどこかに面倒を見てもらうよりも、たくさんのチェーンそのもののセキュリティに依存する方が安全性は高そう、と感じます。
 
このインターブロックチェーンコミュニケーションのことを、略して「IBC」と言う、ということすら今回の講座で学びました。

LayerZeroのセキュリティ

 LayerZeroの場合は、チェーンに加えてChainlinkにも依存するそうです。ここでオラクルの仕組みがでてきたのですが、何でオラクルが出てきたんだろう……?オラクルは「本当に司令があったかという情報を書き込むという仕組み」を取っているそうです。
 
IBSはブロックチェーンの内容に依存しており、Chainlinkは通信に異常がないかに依存しているため、「Chainlinkに何かあれば何か起きる」がLayerZero、のようです。

ポルカドットとアバランチの時価総額とインターオペラビリティについて

 ここでCosmosのエコシステムとATOMトークンの価格の関係性について触れられました。
 
 先ほど習ったとおり、ポルカドットとアバランチは、それぞれのブロックチェーンに依存しています。ポルカドットはドットトークンの時価総額に依存しているので、ドットトークンの時価総額が高いほどインターオペラビリティは高くなりますし、低くなれば低くなります。
 アバランチはPチェーンなので、AVAXトークンで同じことが言えて、結論「影響はありません」となるそうです。

規格:deBridge

 12個のサーバーが、正誤をデジタル書面するため、12のバリデーターが全員やられたらアウトな規格だそうです。
 似ているワームホールのサーバーは19個。12や19はweb2としてだと多いけれど、「ブロックチェーンとしては少ないと感じるかもしれませんね」ということでした。小さめのブロックチェーンでも、バリデーターは50くらいありますよね、ということだったので、まだ知識はありませんが少ないんだな、という印象です。

規格:Axelar

 deBridgeと似ていて、バリデーターの数は50くらい。そのため、すべてをやっつけると乗っ取れるのかな。

規格:ワームホール

 19のガーディアンに依存しているそうです。
 ここで突然出てきた「ガーディアン」に戸惑っています。言葉の雰囲気から察するに、守護神なのでしょうか。バリデーターは「創造主」みたいな認識をしているのですが、ガーディアンはバリデーターとはまた違って、護ってあげるだけなのでしょうか。学ばなくてはなりません。

質問:検証スピードについて

 ここで検証スピードに関する質問がされたのですが、これもまだ理解できません。
 回答として「ブロックチェーンが覆らないという保証が、Ethereumなどにはない。Bitcoinはは6個のブロックがあれば事実上覆らないでしょう、と言われている。安全性のためにコンファメーションの数を事前に決めておかないといけないブロックチェーンがある。ファイナリティがないブロックチェーンがないブロックチェーンだとコンファメーションに必要な時間も増えるので検証スピードに時間がかかる」ということでした。
 Ethereumにはコンファメーションがないから、すべて終わらないと確定しない=Transactionが通らない!という状況が起きる、ということなのでしょうか……?

具体例:インターオペラビリティで何ができるようになる?

 ここからは、具体例をもっとに「インターオペラビリティで何ができるようになるのか」を学びました。

比較材料
・ETHのイールドアグリデータ ヤーンファイナンスを例に
・UnUniFiのインターチェーンの イールドアグリデータを例に
・前提条件:Polygon上でUSDTを持っている として

 ここで、一つひとつ用語の説明もありました。

インターオペラビリティが無い場合

  • ガス代を払って、USDCをEthereumにブリッジします

  • いくつかのコンファメーション数を待つ

  • →ETHはファイナリティが無いから、完了を待ちます

  • ブリッジが完了したらガス代を払って、Ethereum上でUSDCをYearnにデポジットします

  • おしまい!

インターオペラビリティがある場合

  • AxelarとIBCを使って、UnUniFiのイールドアグリデータにUSDCをデポジットする、という司令を出すコントラクトをPolygon上に出す。その際にガス代が発生する。

  • おしまい!

感想:ガス代がかからないのはうれしいのに、どうしてインターオペラビリティが使われない場合があるの?

 全然違う!と感じました。ガス代のかかる回数も違うし、Ethereumにブリッジできているか不安になりながら待つ時間も必要ない。
 インターオペラビリティが使われていればユーザーはみんなしあわせになれそうなのに、どうして使われない場合があるのかが不思議です。

インターオペラビリティを使うことの発展性

 Yearnの運用先は、すべてEthereumだそうです。
 一方UnUniFiだと、Osmosis・Sei・Terraなどに加え、メープルファイナンスなどにも運用の司令を出せるそうです。
 「一つのチェーンに引きこもらないことで、飛躍的に可能性が拡大する」という説明は、なるほど!分かりやすい!と感じました。

 一方、「Ethereumは囲い込みをする」と触れられていました。
 だからガス代は高くなるし、インターオペラビリティにも問題が出てしまうそうです。ガス代が高い理由を、ようやく知ることができました。

質問:使用するWalletについて

 Joeさんからの質問でした。この質問は、回答がまだ理解できません……。回答は「Cosmos系のデポジットだと、Cosmos系に対応したWalletを使う必要がある。Cosmos系のWalletを使いたくなければ、Metamaskだけでも大丈夫」だったと思います。
 MetaMaskでは扱えないトークンについてなのに、MetaMaskだけで大丈夫というのは違和感があるので、私の認識誤り、もしくは知識不足の感じます。

質問:ラップの必要性について

 「ラップ」というものを、今日初めて知りました。話の雰囲気からして、食品に使用するあの「ラップ」に由来している言葉なのでしょうか?
 
 回答としては、「どのトークンがどのチェーンから飛んできたかを管理する必要はある。そうしなければ、辻褄が合わないから。PolygonからUSDCに飛んできたとして、飛んできた分しか戻せない。これは、どれだけインターオペラビリティの規格が発達しても残る問題である。どう解決するかというと、例えばIBCにあるEthereum・Polygon・Arbitrum、3つのチェーンを使って考える。具体例として、EthereumからArbitrum経由で、PolygonにUSDT.eを送る。Polygonに着く頃には、EthereumからArbitrumを経由したUSDT.eとなってしまい、Ethereumから届いたUSDT.eとごちゃ混ぜになる。けれど、分けて考えないといけない。そのため送る元のチェーンを辿ってラップされたトークンが乱立する、という研究はされている」というものでした。
 
 合っているのかな……まず「ラップ」を学ばないといけないです。

質問コーナーの開始

 時刻は22時45分頃になっていました。質問コーナーが始まります。

質問:EVM系とCosmos系を結ぶチェーンとして、Axelarは使われそうか?

 回答としては「EVMにIBCを乗せるのは難しい」とのことでした。理由は、ガス代が高騰するためです。そこでガス代を抑えるために、「ゼロ知識証明」というものが研究されているそうです。
 安全だけどガス代が高い、を技術で解決しようとしているということです。何か、すごいです。

質問:Cosmosのエコシステムがもっと大きくなっても、ATOMトークンの価格には影響が出ないという認識でいいのか?

 Joeさんからの質問でした。何故こんな疑問が出るのか、私はまだ知識不足で不思議です……。
 回答しては、「この世からCosmos HubがなくなってもIBCは残るので、これからCosmos Hubがどれだけ大きくなってもATOMトークンは関係ない」ということです。

 Cosmos Hubは何をしているかというと、「シェアードセキュリティ」を作ってるそうです。そして、例えば「ニュートロン」というブロックチェーンがあるそうですが、Cosmos Hubはニュートロンの面倒を見ているそうです。ポルカドットやアバランチに似ています。
 最初は中継地点としてお仕事をしていたけれど、今はIBC関係のお仕事を何もしていない。中継地点を通るよりも、直接やったほうが早い!と気付かれて、中心の中継地点で使われなくなったから、だそうです。

 ここで、質問コーナーが終了しました。

何故「わかりやすい講座」を行おうと思われたのか

 最後の締めくくりとして、南国さんが木村 優さんに質問されました。
 木村さんの考えは「先進性を追い求めることによって、近視的になっていた。人に伝わらないと、技術の先進性がビジネスに使われない。なので、わかりやすい講座を行おうと思った」とのことでした。
 もっとたくさんの人がインターオペラビリティを理解して、さまざまな性質を知った上で活用して欲しいと考えられているんだな、ということが、とてもよく伝わってきました。

参加してみた感想

 講座のなかでも「今回は置いておいて」と、何かを説明しながら木村さん自ら掘り下げることはしない、という雰囲気を何度か感じました。
 まずはわかりやすく、発展ではなく基礎を学ぶ講座、という雰囲気があり、「ここが基礎なんだから、まずは今日聞いた知らない単語は学んでおかないといけないんだな」と分かることができました。

 今まで、自分がいかに「ブロックチェーンそのものは知りたくありません」という姿勢でいたかを実感させられました。
 そろそろ、お勉強してみようと思います!

 今回の講座で使われた資料は、Tsumugi DAOのDiscord内で共有してくださっています!資料まで配布されて無料で学べるだなんて、とても貴重な機会だと思います。切磋琢磨する雰囲気で満ち溢れているので、気になった方はぜひ、公式Xのプロフィールから参加されてください!

今回参加した講座です↓



2022年9月頃から、Web3に触れています。綿菓子のように、軽く軽く触れています。