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aiumi radioでラジオドラマやってみました【台本】

先日私のInstagramにて投稿しているaiumi radioにてラジオドラマをしてみたのですが、折角なのでnoteではその台本(ほぼメモ)を公開したいと思います。

「届かないラブレター」

私は今手紙を書いている。
返事は来ない。
それでも私は手紙を書く。
なぜなら「愛を伝える」手紙だからだ。

今日も私は手紙を書く。
もう何通目だ。
桐谷相馬、通称キリマ。ギターリスト、たまに楽曲提供までするアーティスト。
一生ファンであることを誓った人。
誰に対して誓ったか、そんなことはどうでもいいのだ。
自分の心に深くとどまっている、それだけでもう誓いなのだ。

ただ、伝えるには練習が必要だ。
正しい言葉で、正しく気持ちが伝わるようにしなければただのめんどくさいファンだ。
誠実に、まっすぐにシンプルに、この20行の便せんに込めなければならない。

練習で送る相手はストリートトランぺッター。たまに作曲もするアーティスト。
とても似ている。いや似てはいないけど近いのだ。
私にとって彼女はとても近い存在なのだ。

書き留めた5通の練習用紙を持って公園へ行く。
「おお、今日も持ってきたんだね。」
「そう!5通!すべて言葉もニュアンスも違うからしっかり読んでね」
「わかった」
「なぜ、私宛じゃないものを読んでるのか本当にわからないけどいっか。」

いやそうな顔はされたことない。そうなると止まらない。
一週間後に添削されて帰ってくる。
「今日の演奏はどうだった?」
「とってもよかった!それよりも返事よこして!」
「ほんとによかったって思ってる?まあいいけど、はい青ペンで添削してみたよ」
「ありがとう!」
「うん。そういばさ、なんで練習の手紙を私にみてもらうんだ?」
ちょっと私は困った。何で困ったかは分からない。
「なんとなく。」
「そっか。」
「いやなんで?そんなこと聞くの??」
「読んでて思ったんだよ。どれもセリフっぽいなって」
がっかりした。というか傷ついた。
「思いってさ、心の動きだと思うんだよ。だからそれを伝えるときってその言葉よりも動いたタイミングで送るその瞬発力が一番伝わる力って高いとおもうよ」
「そういうもん?」
「あくまで私の考えだけど。」

心の動く瞬間を、そのまますぐに伝える。
「簡単なように見えて難しいね」
「難しくなんかないさ、いるのは勇気だけ。」

一週間後、私はキリマのラジオの放送を聴いていた。
「さあ、ここでお便りを募集します。お題は『ココロオドル瞬間』。ぜひ皆さんのココロオドル瞬間をどしどし送ってくださいね!」

私はすぐにメールを送った。
「私のココロオドル瞬間はキリマさんの音楽を聴いた時です。キリマさんのすべてがこの音楽を聴いて好きになりました。」

なんだか届いた気がした。

「お、さっそく来ているみたいですよペンネームは、、、、」

終わりに

一度ラジオで投稿して終わりなのがなんとなく寂しかったので載せてみました。これからもまだ何作品かはやりたいので、ラジオ投稿し終わったらこちらに随時台本を掲載したいと思います。


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