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電通大の留年率の高さの原因を考察する

こんにちは。現在電気通信大学Ⅲ類化学生命工学科に在籍している4年の者です。電通大は留年率が高く、実際のデータでもストレートで卒業できる割合が大体72%で推移していました。Ⅲ類は特に低く、62%ほどです。
令和4年度情報理工学域卒業者等の状況│電気通信大学 (uec.ac.jp)
例えば東京外国語大学のように留学するのが主流になっているなど特別な事情があるなら話は別ですが、私の周りでそのような人はいないですし、長期インターンや起業など前向きな理由で休学している人も他大と同様あまりいないと思います。
となると単に学業不振で留年しているわけですが、なぜここまで留年率が高いのかを電通大全体とⅢ類に分けて考察してみました。


電通大の留年率が高い理由

1年次の実験でメンタルがやられる

1年次には基礎化学実験AとBがあり、BはまだいいのですがAは多方面から阿鼻叫喚が聞こえてきます。私は丁度コロナで過去や現在のと状況が違うかもしれないですが、私の頃の実験Aは12題のテーマから3題割り振られ、それを実験してword10枚くらいにまとめるというものでした。実験は通常3時間程度で終わりますが私は長引いて13時から21時まで実験していたことがあります。レポートもただ書けば単位が来るというわけではなく、フォントだったり図の指定だったり書く内容も複雑で、入学してパソコンの操作に慣れていない大学1年の頃にやるのは酷でした。徹夜で書いたレポートが3点中1点で再提出を求められた時には心が折れました。
実験Aの単位を落としている人は毎年かなりの数見受けられますし、1年の必修科目が全て取れていないと3年にあがれないシステム(だったはず?)なのでこれが留年率の増加に寄与していると思います。

単位取得条件が比較的厳しい

電通大のGPAは他大学に比べて低いです。GPAの分布表がなぜか学内閲覧限定だったので大体で伝えると、1年次のGPAの最頻値は2以上2.25未満、2および3年次のGPAの最頻値は2.25以上2.5未満でした。1年次のGPA3以上の割合は8%、GPA1未満の割合は15%ほどでした。
また、これはどの理系学部もそうだと思いますが理系科目は基本出席とかは関係なくテストで単位が決まるので、要領の悪い人は容赦なく落とされます。追試とかもないです。

協力し合う雰囲気がない

医学部などでちょくちょく聞く話として、頭のいい人数人がテスト対策ノートをまとめてライングループに流すなどというのがありますが、電通大にはそのような文化がありません。1年の頃クラスのグループ、2年の頃Ⅲ類のグループ、3年の頃化生のグループに入っていたのですがそのような他人同士で協力し合う雰囲気が一切なく、ほとんどの人は数人の中のいいグループを作りその中で協力し合うか、個人プレイです。過去問過去レポの入手手段としては主にサークルだと思います。
そうなると、過去問のあるサークルに所属していない人や、過去問過去レポを流してくれる友人のいない人はどんどん情報戦に負け、過去問から出題されるテストの単位を落とし、留年します。
電通大のいいところとして一人でも全く浮かないというのがありますが、その副作用として一人でいることに危機感を抱けず、気づいたら一人取り残されて留年するという悪循環に陥ります。

真面目な人が多い

電通大は学問に対して真面目な人が多く、効率的に生きることが苦手な人が多い印象です。先ほど留年するのは過去問過去レポを入手できない人たちだという話をしましたが、そもそも「過去問過去レポの入手=単位取得できる」という理論の中で生きていない人が一定数存在しています。単位取得よりも授業内容を理解することを優先しているのか、授業内容を理解すれば単位取得できると思っているのか、過去問過去レポの重要性に気づいていないのか私には理解できませんが、当然授業内容を理解することと単位を取ることはイコールではないので、そういった「優秀なのにテストで点が取れず単位を落とす層」が留年率を高めていると思われます。
また、特定の科目が好きでそれに時間をかけて他が疎かになったり、特定の科目が苦手でそれが原因で留年するという人もいると思います。

Ⅲ類の留年率が高い理由

ここまで電通大全体の留年率の高さを考察したので、Ⅲ類単体での留年率の高さについて考察します。

工学基礎数学が難しい

Ⅲ類では2年前期に工学基礎数学という必修の授業があるのですが、これがⅢ類の鬼門です。授業の進行速度が速く、他類の人が1年かけて行っている内容を半期で終わらせているらしいです。また、成績の比率が毎週のレポート:中間:期末が3:3:4だったのですが、毎週のレポートも難しく、私は第3講あたりで今期の単位取得は無理だと判断し、レポートは提出期限後に解答が配布されるシステムだったので毎週の課題と解答だけ保存し再履修しました。そこそこ去年のレポートと使いまわしの問題が多かったおかげでレポートの点数も取れ、中間と期末も勉強して無事単位取得できました。しかし、これでも単位取得の中で最低評価の「可」だったので、数学の苦手な人は鬼門になると思います。

GPAの低い人が集う

おそらくⅢ類の留年率の高さの要因はほぼこれです。電通大には情報系のⅠ類、融合系のⅡ類、理工系のⅢ類に分かれており、人気度はⅠ>Ⅱ>Ⅲです。さらに、最近は前期も類毎に分かれた受験になったかと思いますが、私の代は前期が一括入試で、1年前期のGPAをもとに類配属が行われます。Ⅰ類ボーダーはGPAが約2、Ⅱ類は約1.6、Ⅲ類はボーダーフリーという感じです。前述の通り1年次の平均GPAは2くらいなので、結構な数がⅠ類から漏れます。その結果Ⅲ類に配属されるのですが、GPAが低いことに加えやりたくない学問をやらされるので勉強のモチベーションが上がらず留年しやすいということになっています。
では、類別に入試が分けられている後期はどうかというと、電通大の後期入試は「Ⅰ類→Ⅱ類→Ⅲ類」というように希望を選べることができ、仮にⅠ類の合格最低点に達していなくてもⅢ類のに達していれば合格です。よって、Ⅲ類の後期入学者の中にも不本意の人が一定数存在し、留年率を上げているということです。


以上が私の考える要因です。今まで上から目線で電通大の留年率の高さについて指摘しましたが、かくいう私は電通大の中で底辺に位置しており、現在も3年後期に取り残した科目のテスト勉強や課題と並行しながら卒論を書き進めています。私が思うことは、コミュ障ほど人との関りを断つべきではないし、大学が嫌いな人ほど大学を早く卒業するべきです。コミュ力ある人というより世渡り上手な人は過去問過去レポなどの情報をあらゆる手段で入手できるでしょうが、そうでないコミュ障の私たちは入手手段が限られています。その数少ないライフラインを切らないよう、大学生活を送りましょう。また、学問が好きで大学も好き!という人は留年しても精神的には大したダメージにはならないでしょうが、そうでない大学が嫌いな人は留年したら金銭的負担や就活でのデバフに加え、もう1年嫌いな大学に向き合わなければならないという苦痛が待ち受けているので、早く卒業しましょう。私も大学嫌いなので早く卒業したいです。

追記:
卒業できました!累計GPA1.66という底辺ですがなんとか4年で卒業できてよかったです


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