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【読書メモ】親としての心構え

■読書本

『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』

■サマリー

幸せは、人生のタスクから逃げることなく立ち向かった先にあるとアドラーはいいます。
人生の主なタスクである「教育」「仕事」「愛」の課題を成し遂げるための向き合い方、「幸せ」への指針を示してくれるコンパスのような本。

■幸せとは

わたしたちが幸せになるためには多くの課題を成し遂げなければなりません。
大企業に入れば幸せになれる、結婚すれば幸せになれる、というものではないのです。

『われわれにとっては、なんでもない日々が試練であり、「いま、ここ」の日常に、大きな決断を求められているのです。』

アドラーはこうもいいます。

自分の人生は自分で選ぶことができる。

人生のタスクから目をそむけずに常に課題と向き合い、
幸せに向かって歩み続ける勇気さえあれば、わたしたちは必ず幸せになれます。

そしてそれを決めるのはわたしたち自身です。

人生を複雑化し人生の嘘に逃げこまない勇気、幸せに向かい一歩ずつ確実に歩を進める勇気こそ、「幸せになる勇気」なのです。

大切なのは、なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである(アドラー)

■教育の目標は「自立」


教育とは「介入」ではなく、自立に向けた「援助」。

「自分の人生は、日々の行いはすべて自分で決定するものなのだということを教えること。そして決めるにあたって必要な材料ーたとえば知識や経験ーがあれば、それを提供していくこと」

教育とはこどもの課題への介入ではなく、こどもが自らの課題に立ち向かうために必要な知識などを与える援助である。

■教育の第一歩は「尊敬」すること

尊敬とは、人間の姿をありのままに見て、
その人が唯一無二の存在であることを知る能力。

どんなに優れた教育者であろうと、子どもが変化する保証はどこにもない。
水辺まで連れていくことはできても、水を呑ませることはできない。

だからこそ自分で意思決定させる「自立」が必要であり、
そのための「尊敬」が必要となる。

・尊敬とは、その人がその人らしく成長発展していけるよう、気遣うこと。

自分の価値観を押し付けようとせず、
その人が「その人であること」に価値を置く。

さらにはその成長や発展を援助する。
操作しようとする態度、矯正しようとする態度には、一切の尊敬はない。

「ありのままの自分」を認められたとき、その人は大きな勇気を得る。
尊敬とは、いわば「勇気づけ」の原点である。

■尊敬を示す具体的な方法

「子どもたちの関心事」に関心を寄せること。

自分の目から見て、どんなに低俗な遊びであろうと、
まずはそれがどんなものなのか理解しようとする。

自分もやってみて、場合によっては共に遊ぶ。
「遊んであげる」のではなく、自分自身がそれを楽しむ。

同じ立場に立ち、同じ課題を抱いた相手が、
「共感」してくれたことにより、そのときはじめて子どもたちは、
・自分たちが認められていること
・子ども扱いされていないこと
・ひとりの人間として「尊敬」されていること

を実感し、自立への勇気が湧く。

■「共感」する技術を身につける

「他者の目で見て、他者の耳で囁き、他者の心で感じること」
これは子どもだけでなく、あらゆる対人関係で求められる具体的な第一歩。

具体例

例えば、まったく勉強しようとしない生徒がいる。
ここでは「なぜ勉強しないんだ」と問いただすのは、
いっさいの尊敬を欠いた態度である。

そうでなく、まずは
「もしも自分が彼と同じ心を持ち、同じ人生を持っていたら?」と考える。

つまり、自分が彼と同じ年齢で、彼と同じ仲間に囲まれ、
彼と同じ興味や関心を持っていたらと考える。

そうすれば、「その自分」が勉強という課題を前にどのような態度をとるか、
なぜ勉強を拒絶するのか想像できるはず。

このような態度を共感と呼ぶ。
共感とは、他者に寄り添うときの技術であり、態度である。

距離をおいて眺めているだけではいけない。
自らが飛び込まなければいけない。
飛び込むことをしないあなたは高い所に立って、
「それは無理だ」などと批評するだけとなり、そこに尊敬と共感はない。
だからこそ、「他者の関心事」に関心を寄せる必要がある。

■叱ってはいけない、ほめてもいけない

叱ることも褒めることも、てっとり早く相手を「操作」しようとする行為である。

叱ることは、相手と向き合うこと、つまり「共感」することを放棄している。
もちろんそこには「尊敬」もない。

褒めることは「能力のある人が、能力のない人に下す評価」であり、
その目的は「操作」である。

褒めるとどうなるか

他者を評価することで上下関係が生まれます。
また評価される者どうしの競争も生まれます。

そしてその結果、他者に自分の評価を任せることになります。

はじめに教育の目的とは「自立」であるといいました。
しかし他者に自分の評価を任せてしまうことは「依存」です。

 自立とは、自分の価値を自ら決定すること
 依存とは、自分の価値を他者に決めてもらうこと

誰かと比べることで自分の価値をきめるのではなく、
自分が自分であることに価値をおくべきです。

『個性とは、相対的なものでなく、絶対的なものなのですから』

■学問だけでなく、「人間知」も学ぶこと

「人間の悩みは、すべて対人関係である
すべての喜びもまた、対人関係の喜びである」

そのために、他者共存していくための「人間知」が必要である。

「人間知」とは、人間が人間として幸福にいるための「知」

└共同体の中でどのように生きるべきなのか
└他者とどのように関わればいいのか
└どうすればその共同体に自分の居場所を見出すことができるのか
└人間としてのあり方を理解すること

宇宙に自分一人だけ、という状況だったら、確かに悩みはないかもしれませんが、
同時に、喜びも存在しないというのです。

そして人間知は、他者と関わる関係の実践から学んでいくしかないものである。



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