成長企業のコーチング事例を共有!すぐに使えるノウハウ・TIPSを公開します〜freee株式会社、アディッシュ株式会社、株式会社グッドパッチからコーチングを学び、実践中のスペシャリストが登壇〜

2020年9月某日、株式会社AIトラベル主催で「コーチング」をテーマにしたウェビナーを実施しました。本記事では、ウェビナーの内容をレポートいたします。
また、当日はこちらの皆様に登壇者としてご参加いただき、コーチングそのものの考え方や活用事例も交えてお話しいただきました。

登壇者 (発表順)

freee株式会社/中島 星(なかじま せい)様

2017年1月から現職。freeeではインサイドセールスを経て、法人向けカスタマーサクセス部門の立ち上げに従事、カスタマーサクセスとして3年半で約200社のオンボーディングに携わる。2019年7月からは1年間、新規事業部の立ち上げに従事。freee入社後にコーチングを習得、カスタマーサクセス活動、マネージャー教育や採用活動に活用。みらい創世舎認定コーチ/認定講師。
Twitterアカウント @freee_say

アディッシュ株式会社/杉之原 明子(すぎのはら あきこ)様
2008年に株式会社ガイアックス入社後、学校非公式サイト対策のスクールガーディアン事業の立ち上げ責任者を担う。2014年にアディッシュ株式会社を設立及び取締役に就任。管理本部の立ち上げ及び上場準備の旗振りを行った。2020年3月に東証マザーズ上場。ZaPASS認定コーチ。
Twitterアカウント @AkikoSuginohara

株式会社グッドパッチ/瀬川 貴之(せがわ たかゆき)
2007年ミズノ株式会社へ入社し、経理財務や海外支店勤務を経験。外資系企業を経て、2017年に株式会社グッドパッチに入社。管理部が正社員1人の状況から立て直し、上場準備を推進。2020年6月に東証マザーズ上場。
Twitterアカウント @takasega416

チーム内のコミュニケーション活性化、目的達成、またご自身のモチベーション向上・維持や目的達成のヒントとして、すぐにご活用頂ける内容です。コーチング初心者の方はもちろん、コーチングをご存知で活用方法を模索中の方も、ぜひご一読ください!


#誰にでもすぐ出来る !「賞賛のワーク」で育むチームの心理的安全性/中島 星 様

コーチングには、freeeに入社した後に出会ったという中島様。勉強するうちにコーチングの面白さにどんどん夢中になり、難しくなく誰にでもできてかつ良い影響力を及ぼすことの出来るコーチングをもっと広めたい、という思いから「みらい創世舎」で認定講師・認定コーチとして副業をされているそうです。

以下、中島様のご登壇内容を書き起こし形式でご紹介します!

※ご登壇内容から一部内容を省略・変更しております。ご了承ください。


みらい創世舎〜日本人の働き方マインドを変える〜

私が所属するみらい創世舎は、「日本人の働き方マインドを変える」というビジョンを掲げ活動している団体です。なぜこのビジョンを掲げているかというと・・・ご参加された皆様にお伺いしたいのですが、熱意あふれる社員は日本人の何%くらいいると思われますか?

こちらはギャラップ社の調査ですが、日本の「熱意あふれる社員」の割合は6%で、調査対象の139カ国中132位という結果でした。世界で最低レベルです。


皆様の周りには、熱意あふれる方はいらっしゃいますか?私はfreeeで働いていてとても楽しいですし、freeeの社員は熱意を持っている人が多く、挑戦したいこと・取り組みたいことを持っているので、日々の仕事もクリエイティブであると感じます。私にとってはこういう環境がとても楽しいので、仕事がつまらないと思っているような方にも同じ感覚を味わってほしいという思いで、コーチとして活動しています。

コミュニケーションが重要な理由
コーチングとは何か、の考え方は団体によって異なりますが、みらい創世舎が考えるコーチングとは、「対話・コミュニケーションの技術、もしくは対話・コミュニケーションを通じて主体性を引き出すこと」として考えています。

では、なぜコミュニケーションが重要なのでしょうか。
会社は成果を出すためにあり、その会社はチームから成り立っていて、そのチームはさらに小さいチームで成り立っていますよね。では、チームは何から成り立っているかというと、そう「人」です。

なので、チームの中の人対人のコミュニケーションが円滑でないと、チームひいては会社が成り立たなくなってしまいます。ということで、会社が成果を出すためには、まずチームでの個人と個人のコミュニケーションが円滑であることが重要なのです。

この考えについては、伊賀泰代さんの「生産性」という書籍に書かれていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。


チームのコミュニケーションを促進する「心理的安全性」

みなさん、こんなチームにしたい、こんな世界を実現させたいというような目標やビジョンをお持ちですよね。それに向かって戦略を立てて、行動して、日々PDCAを回していらっしゃると思うのですが、目標達成のためにより重要なことは実はそれより手前のところにあります。それが、「チームの状態管理」です。

いくらPDCAを回すことを考えても、例えばチームのメンバー同士が意見交換ができないとか士気が低いとかーチームの状態が良くないとうまく機能しません。なので、戦略・戦術・PDCAの前に、チームの状態管理を行うことが重要です。そして状態管理を機能させるためには、心理的安全性、心理学の用語だと「セキュアベース」が重要なんですね。

「心理的安全性」と聞くと「組織にいる人のタイプ次第じゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、心理的安全性は意図的に作り出せるものです。この作り出し方の一つとして、これからご紹介する「賞賛のワーク」がとても有効ですので、ぜひやってみてください。

誰にでもすぐ出来る!脳に良いエキスを与える「賞賛のワーク」

用意するものは二つだけ、付箋とペンです。後は場所さえあればできますが、リモートでも実施可能です。まず、付箋に相手の名前と褒める内容、それから自分の名前を書きます。褒める内容は、そのひとの持ち物や容姿ではなく、行動です。例えば、「昨日の〇〇社との商談での丁寧な対応が素晴らしかったです!チームのミッションを体現していました。」なんていう内容が良いですね。

実施の手順としては、褒める相手と内容と自分の名前を書いたら、次に渡し合います。その時に、相手の目を見て内容を読み上げてください。声に出すことが重要で、相手も自分も聞いていて良い気分になります。最後に付箋を渡すのですが、もらった側は大いに喜んでくださいね。喜ぶことが右脳にとても良い影響を及ぼします。

もらった付箋は目に見えるところに貼っておいて、定期的に賞賛のワークを実施して、どんどん付箋を蓄積していきましょう。それを見返すことによって、チームにどんな人が集まっているのか・何を大事にしているのかが分かります。

賞賛のワークの三つのコツ、やってはいけないこと。

やり方のコツとしては、三つあります。
一つは、事前にワークの実施を告知することです。告知すると、その日から実施当日まで、お互いが良いところを探すようになります。仕事をしていると、どうしても改善点に目が行きがちですが、みんなの良いところを見つけようと視点と考え方が変わるので、この準備期間もチームにとってプラスになります。

もう一つは、チームや会社のビジョンに基づく行動や考え方を褒める、ということです。そうすると、繰り返し実施することによって、ビジョンの共通認識がクリアになっていきます。最後の一つは、「真剣に実施する」ことです。馬鹿にしながら実施すると効果は出ないので、みんなで真剣に取り組みましょう。

やってはいけないことは、行動以外の持ち物や容姿など、チーム運営に関係ないことを褒めること、それから褒められた側が謙遜することです。謙遜をすると脳に逆効果になるので、ちゃんと喜んで脳に良いエキスを送ってくださいね。

実例紹介:「あえて褒める会」で自分の強みと貢献ポイントを把握!

freeeでは、ビジョンや行動基準を大事にしています。行動基準の一つに、「あえて共有」というものがあります。これは、良いことも悪いこともどちらも共有しよう、という意味なのですが、私のチームでは月に一回「あえて褒める会」を実施しています。

「あえて褒める会」によって、二つ良いことがありました。一つは、自分の強みが分かったり、貢献ポイントが分ったということ。もう一つは、お互いの良いところを見ようという意識になったことです。日本人は褒めることに慣れてないのですが、毎月実施していると、参加者の褒め方がどんどん上手になっていくことを実感します。

こういった取り組みは、クオーターのはじめだとかの区切りが良い時に開始すると、ビフォア・アフターが比べやすいですね。私の場合をご紹介すると、これまで一緒に仕事をしたことがないチーム編成だったので、結構不安があったんですね。どのような不安かと言うと、メンバーが自分をどう見てるか、とか、チームに貢献できているか、とか、なんとなく気を使い合ってるな、とか。

ですが、「賞賛のワーク」を30分実施しただけで、リモートワークでもメンバーが自分のことをよく見ていてくれるんだな、と安心感が生まれたり、自分が貢献したいと思う方向性に確信が持てたり、また、良いところがきちんと見えているからこそ厳しいフィードバックをしても大丈夫だろうなと思えました。それから、褒め合うとみんな嬉しいので、終わった後はニコニコで、雰囲気も気分も良くなっていますね。

付箋とペン、それから30分あればすぐにできることなので、ぜひ始めてみてください!

【みらい創世塾 8期生募集中!】
中島様、瀬川様が過去に参加されたみらい創世塾にて、コーチングを学ぶことの出来る「みらい創成塾」8期生を募集しています。2020年11月7日開講予定、10月に東京で説明会を実施します。
詳細はぜひこちらをご参照ください。


IPO経験者ゼロの上場準備チーム、弱さを見せあえる関係性の作り方/杉之原 明子 様

2017年、アディッシュにコーチング資格を取得されたメンバーの方が入社され、社内でコーチングの練習をされていることを目にしたことが、杉之原様とコーチングの出会いだったそう。


2019年には、上場準備がハードになってきたタイミングで、ビジネスパーソン向けオンラインコーチングサービス『ZaPASS』で垂水コーチに出会い、以来月に1回コーチングを受け、ご自身もコーチ養成講座にも通われたそうです。会社では、管理職にコーチングをマネジメントに取り入れてもらうため、コーチング基礎研修などに取り組み、試行錯誤していらっしゃるとのこと。


以下、杉之原様のご登壇内容を書き起こし形式でご紹介します!
※ご登壇内容から一部内容を省略・変更しております。ご了承ください。

IPO経験者ゼロの上場準備チームの構成は・・・

上場準備チームは全部で5名、20代から50代まで様々なメンバーがいます。私自身は学校営業の経験が主で、コーポレート領域については素人でした。また、私以外のメンバーも、IPOの経験者がいないというチームで、上場準備を目指さないといけない状況でした。

加えて、上場準備中にあたってはハードワークが予想される状況でしたが、家族や体調など個人の事情がありますので、すべての人が筋肉質な働き方が出来るわけでもありません。なので、抱え込み体質になってしまったら、上場という目標を実現する前に沈没するだろうなと思っていました。

起きたら嫌なことを考えたら、目指したのは「弱さを共有できるチーム」だった。

次に、起きたら嫌なことが何かを考えました。例えば、ミスが共有されないだとか、悪い報告がすぐに上がってこないとか、助けてと言い出せないとか、縦割りになって助け合えないとか・・・あるいはプライベートの出来事がのしかかっていることに気が付けないとだとか。

こういったことを防ぎたいと考え、「弱さを共有できるチーム」を目指していました。

GROWモデル的コミュニケーション施策とマネージャーの関わり方
GROWモデルとは、Goal(夢・目標)、Resource(現状把握)、Option(選択肢)、W(意思・アクション)の頭文字を取ったもので、最も重要なのはGだと考えています。会社の目標のみならず、個人がどうしたいかを考え、それに対して現状のリソースを考察して、取るべき選択肢を考え、意思を強く持って行動する。Gに対してROWの経験学習を得る概念だという理解をしています。

私が行ったチームのコミュニケーション施策を、GROWモデル的に解釈してみたいと思います。

G(夢・目標)では、四半期に一度ある評価・フィードバックのタイミングで、なぜアディッシュに入社したのか・人生でどんな挑戦をしたいのか・どんな人生にしたいのかといった質問を忍び込ませています。Gを強く持っておけば、ROWは自動的に回るという性質もありますので、Gを意識的に話すことはとても重要です。
R(現状把握)では、起きたら嫌なことが発生しそうかどうかを把握するための状況確認をします。起きたら不都合なこと、メンバーの得手不得手、それから何に恐怖を感じるかを確認していました。

ここで、マネージャーである私がどう関わったかと言うと、まずGに対してはコーチング的関わり合いをしていました。Rに対しては自分の弱さを見せあえる空気を作るということ。OとWはもちろんメンバー主体ですが、有事が発生したときが私の出番でして、一緒に手を動かして見通しを立てたり、社内調整をしたり、時には社外にリソースを調達しにいっていました。

メンバー側の視点で考えると、なぜアディッシュで働いているのか・人生で何をしたいのかがうっすらと分かっている状態です。それから、何かが起きた時に上司に言いやすい関係性であり、そして有事の際には周囲に相談できて何かしら動いてくれるだろうという認識を持ってもらえたのではないかと思います。その結果弱さを見せ合るチームを作りながら、上場という目標に向かって、まっすぐ向かっていけました。

すぐにできる!空気感をつくるためのコミュニケーション施策

次に、今日からすぐにできる取り組みをご紹介します。

R(現状把握)の施策について。有事に協力し合って迅速な対応ができるかどうかは、平時でいかに細かいコミュニケーションを積めるかにかかっていると思います。

まず、私の部署では毎朝10分の雑談タイムを設けていて、基本的には全員参加で気になった出来事やニュースを取り上げて雑談していました。そして月例の定例会議では、10分ほど時間を設け、個人の取扱説明書の共有をしていました。得手不得手の共有が目的ですが、個人の性格や職歴、家族の話、やりがいに思うことなどをプレゼンしてもらうようにしていました。それによって、そのメンバーに頼れる場合や、良い意味で期待しないほうがいい場合が分かるので期待値の調整をすることができました。

本日の内容で、通常のコミュニケーションを重ねることで有事の際に強いチームを作るということと、皆さん自身がチームやメンバーに使っている時間をGROWモデルに当てはめて健康診断的に使って頂けると思いご紹介させていただきました。ぜひ、ご活用ください!


【ZaPASS 5期生募集中!】
杉之原様が受講されたZaPASSにて、コーチングを学ぶことの出来る「コーチ養成講座」5期生を募集しています。2020年10月22日開講予定。(開講直前まで申し込みを受け付けていらっしゃるとのことです)
詳細はぜひこちらをご参照ください。


誰でもリーダーになれる!管理部門的リーダーシップとは??/瀬川 貴之 様

中島様と同じく、みらい創世舎でコーチングを学ばれたという瀬川様。

現職で入社前に実施されたカジュアル面談の場で、「管理部門が全員退職予定」ということを聞き、面白そうだと思いご入社を決められたそうです!入社から三ヶ月、人手不足によって、経理、財務、経営企画、労務、総務、法務を一手に引き受けることになるというハードシングスに直面した状況で、どうリーダーシップを発揮されたのでしょうか。

以下、瀬川様のご登壇内容を書き起こし形式でご紹介します!
※ご登壇内容から一部内容を省略・変更しております。ご了承ください。


リーダーは誰にでもなれる、リーダーシップは誰でもできる!

リーダーシップは、指導者の資質・力量・能力と定義をされています。

リーダーというと、経営層や役職者といったイメージがあるかもしれませんが、リーダーは肩書ではなく、カリスマ性も必要ありません。また、リーダーシップは技術であり、未来の方向性を決めるためのもので、マネジメントとは異なります。つまり、リーダーは誰にでもなることができて、リーダーシップも誰もが身につけることが出来る、とお考えください。

リーダーシップを発揮するための三つの要素

さて、リーダーシップを発揮するための三つの要素をご紹介します。一つ目は「自己の理念や価値観に基づく、魅力ある目標」を設定すること。例えば成果を出したいとどんなチームを作りたい、といったことだとかですね。

二つ目は「人々の意欲を高め、支援し、課題や障害を解決する行動・姿勢」、これは例えば1on1でメンバーの悩みややりたいことを聞き、そこに対してサポートしたり、リソースを追加するなどして、相手を支援したり信頼関係を築くことです。そして最後三つ目は、「自らの意思で、理想を実現に導く行動・姿勢」が必要であるということですね。周りが動いても自身がそこに向かっていかないと周りは付いてきてもらえません。

「魅力ある目標」と現状のギャップを埋めて、目標を実現するための過程でリーダーシップが活きてきます。毎日が忙しいと、どうしても「現在」に目が行きがちですが、現在ではなく「未来」に焦点を当てるのがリーダーシップです。未来の目標に向かって周辺環境を整えて、メンバーに主体性を発揮してもらうのがリーダーシップだ、とお考えください。

コーチの役割は、「クライアントのゴールを正確に把握し、伴走すること」。ゴールは将来の魅力ある目標、コーチはクライアントのリーダーシップを引き出す役割もあるのです。

未来の目標に向かって行動!リーダーシップとセルフコーチングを活用
コーチングとは他人に働きかけるものだけではなく、自分に使うこともできます。クライアントが自分である、ということですね。当時の私は、組織は課題を抱えている状態でしたし、初めてのベンチャー、初めての管理職と慣れないこともあり、胃が痛いこともありました。

そんな中で、当たり前のことを当たり前にやって、少しでも前進することが大事だと考えていました。ゴミが落ちていたら拾う、電気がつけっぱなしなら消す、お客様には挨拶する・・・といったこと。それから、会社として当たり前のことが回るようにするための行動していました。例えば、稟議が上がってきたらそのまま購入するのではなく、松竹梅を検討したかを確認したり、人手不足で日常業務が回らない可能性もあったので、給与計算を期日通りに完了させるとかですね。


たまには力尽きて、「何やってんだろう俺・・・」と思う時もありました。ベンチャーで資金調達して、業績も伸びて、自分もスキルを磨けると思ったのになぁ、なんて。
繰り返しですが、忙しくなるとつい現状に焦点が当てがちですが、未来の目標に当てるのがリーダーシップです。私は、ベンチャーに入社したのだから、東証で上場した時に鐘をつきたいなと思いがあり、それを強く思って日々仕事をしていました。

みんなが気分良く働けて、離職率が下がって、業績が上がり、上場に近づくのであれば、何でも喜んでやろうと考えていました。ゴミも捨てますし、電球も換えますし、ネズミも駆除しますよと。それらは全て、東証で鐘を鳴らすことにつながると信じていました。

will/can/mustを活用してセルフコーチング!

will/can/mustのフレームワーク、ご存知でしょうか。willは未来に実現したい事、canは今できること、mustは今やらなければならないことです。willとcan/mustの間には、当然ギャップがあります。そのギャップは、成長機会、つまりご自身の伸びしろです。

私の場合は、A4のワークシートにまとめて整理していました。二年くらい前に取り組んだですが、上にwill、下にcan/must、それから真ん中にギャップを書きました。
まず、自分がやるべきこととできること、次に将来やりたいこと、そのギャップを埋めるためのに必要な知識や技術などを書き出します。

これは自分自身にも使えますし、チームメンバーと1on1を実施する際にも使えることです。私の場合、会社を東証に上場させるには、もっとマネージャーとしても引き出しを増やしたいと考えてまして、それでコーチングに興味を持ったという経緯もあります。

結果、グッドパッチは2020年6月に上場することができました。こう口に出すと簡単なようですが、大変な道のりでした・・・。リーダーシップ・コーチングの考え方も活用しながら、目標を信じて日々行動することを積み重ね、上場にあたって組織に貢献できたように思います。

質疑応答


今回のウェビナーでは、下記のような質問を頂きました。質問内容、回答内容を一部抜粋してご紹介します!

Q マネージャー教育において、コーチングを継続して取り組むためになにかいい方法はありますでしょうか?

中島 様:freeeの場合、マネージャー教育に取り入れようという動きが少し前から出てきた段階で、まずは代表の佐々木とか幹部陣で育成プログラムを受けました。その内容を少し下の層に伝え、その人達が次世代にバディという役割でコーチングをするという仕組みに取り組んでいます。

杉之原 様:現在は、コーチングの要素をどう取り入れるかに落ち着いています。先ほどお話した管理職向け研修では、研修が終わった後、希望者が講師になり、希望制で集まったメンバーに学んだことをアウトプットする場を設けていましたね。また、経営幹部が集まった場で、代表の江戸に対して、コーチ資格保有者の大西が公開コーチをするという場を設けたこともあります。継続については当社も試行錯誤ですが、ご参考までに。

瀬川様:グッドパッチには、元々コーチング的問いかけをするカルチャーがありました。なので、そもそも組織としてコーチングの研修を行うことはしていないのですが、採用面接の場でオープンマインドでフィードバックを正面から受ける文化ですよと伝えています。つまり、採用の場で根付いているコーチング的文化を伝えて、それにフィットする方に来ていただいているので、入社後に大きなギャップもないと考えています。
Q付箋で良いところを可視化すること、最初は良いと思いますが、マンネリ化したらどう回避しますか?以前勤めていた会社で二ヶ月で自然消滅してしまったことがあり、対処法を伺いたいです。

中島 様:私のチームではマンネリ化はしていなくて、なぜかというと日々仕事がやはり大変なのでみ、んなこの時間を楽しみにしてくれていて。
マンネリ化回避なら、目的をきちんと認識してもらうことが重要じゃないかと思います。ただただ褒めることじゃなく、「チームの状態をより良くし、心理的安全性を高めるため」だとか、「ビジョンを確認するため」にやっています、ということを今日津認識として持っていれば、参加者が自主的にこの時間を良くするためにはどうしたら良いかを考えるようになると思います。
やはり、真剣に褒めて真剣に喜んでもらうことによって、効果が出ますからね。

Q「あなただから出来る」と思われてしまい、それ以来相手に気持ちが伝わらなくなってしまったように思います。どうしたら良かったのでしょうか。

瀬川様:コミュニケーションがうまくいかなくなったときは、WHYに立ち返ることですね。なぜそういう質問をしているかとか・・・固い表現ですが、「僕もあなたのことを知りたいです、理解しあえないことが苦しいです」と正直に伝える。「あなただから出来る」と言われた時点で、そもそもこのコミュニケーションが成立していないので、僕もできてないと思っています、なんて言ってみたらどうでしょうか。

Q will/can/mustのシートに「数字面から事業をサポート」とありましたが、コーチングは役に立ちましたか?
※ウェビナーでは瀬川様が作られたシートの実物をお見せいただきました

瀬川様 :はい、活用できました。まず、実績値は過去の事実ですよね、それに対して未来の目指す数字はなにか?そのためになにをしたいか(何に投資したいか)?なんていうアプローチをします。現在と将来のギャップを数字で可視化をして、ロードマップの作成が出来るようにしたりしています。

Q自責傾向が強いメンバーと接するときの注意点などありますか?

杉之原様 :感情にどうアクセスできるかが重要で、いまどういう気持ち?とか、どういう心の変化があるかといった質問をするようにしています。そこから、会話のきっかけを掴むようにしています。
後は会話を積み上げて関係性を構築することが一番だと思うので、複数の問いを準備するようにしています。

中島様(チャットにて):こちらの書籍もおすすめです!


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以上、コーチングウェビナーのイベントレポートをお届けしました。チームのコミュニケーション活性化、組織づくりや目標達成のためのご参考にしていただけたら幸いです。コーチングとは人と関わる技術であるため、個人やその時関わった人が特定されるような内容はすべて省略しております。ご了承ください。

また、追加のご質問などもお待ちしております!本記事のコメント欄か、下記TwitterアカウントまでリプライもしくはDMをお送りください。

@aitravel_jp


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