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#108 勉強の仕方(その2)

前回記事の20年前の自分の文章を読み返し、たくさんの人のおかげで今の自分がいるんだなと、改めて思いました。なかでも5年前に鬼籍に入る(いる)父親の影響は、当時は気づいていなかったけれど”意外と”大きかったなと気づきました。「木の上に立って、みんなを見ていて助けてくれるのが”親”おや」と、小学校の国語で先生が言っていました。さて、今の自分は、遠くに暮らしている自分の子供を”ちゃんと”見守っているかナァ?(疑問ですが、、、。ちゃんと”根回し”だけはしているつもりですが、、、)

 さて、ここから、前回の続きです。

切符がないと電車には乗れない!

 これは、大学の4年生から大学院の5年間、計6年間お世話になった先生の言葉です。学歴社会のひずみは確かにありますが、実力主義の社会で最も簡単で平等だと思われる‘ものさし’は、やはり学歴になると思います。例えば、企業の基礎研究所で、今まで誰も作り出したことがない新製品を研究したいとします。いくら自分がそう希望しても、会社の人事担当者が自分より学歴の高い、いわば“難しいところ”を卒業してきた人と自分を比べれば、失敗の少なそうな人、より学歴の高い方の人を社運を担う部署へ配置するでしょう。学歴が高いだけで、未来への確実な切符にはなりません。失敗すれば飛ばされるし、地道に努力していれば“栄転”の道もあるかも知れません。
もしも、経済的、家庭の事情などが許すならば、自分の希望する職種へ入ることができるより有効範囲の広い切符を持つことは、損ではないでしょう。切符を手にした後で、それを使わなければいいだけですから。
そう自分も思い、結局27歳まで学生として勉強させてもらえました。いろいろな方々のおかげだと思っています。

やル気、その気、本気!

 大学院生のときの特別講義で、半導体分野では世界的な権威の先生から聞いた言葉。学生が、やる気を出せば、種から芽が出る。その後、その気になり本気にさえなれば、何事もうまくできる。
 外国のことわざに、最も優秀な教師は、学生をその気にさせる。というのがあるそうです。先生が、学生にその気を出させさえすれば、後はほかっておいても学生は自分で勉強をし、きっと先生を超えることができる。先生を超えない人だけが世の中へ放出されていれば、未来は余り明るくありません。
 そのやる気を出させるには、土壌や栄養分や水分などに相当する、数学などの基礎的な勉強、いわば勉強の仕方が分かっていないと何もできません。小学生で九九を習ったように、微分積分を道具として使いこなせるかどうかが、その後の芽の育ち具合に大きく影響すると思います。

クマンバチは飛ぶ!

 PHPという雑誌に以前、「蜂の一種であるクマンバチは、現代の大型計算機を用いた理論計算では、あの羽あの体重あの筋肉では、飛べない!!でも、彼らは飛んでいる。もし彼らに、お前は飛べないはずなんだよと言ったらどうなるだろう。」という内容のコラムが載っていました。最近の計算機と流体力学などの理論の結果を知りませんが、昔から彼らは飛んでいます。
自分が何になれるのか?どこを目指しているのか?20才前後の数年は不安と焦りと、何ともいえぬ気持ちに襲われることが、たまにあると思います。(私もそうでした。)
 「自分は飛べる!!」そう信じていれば、希望がかなうかもしれない。少なくともそう思わなければ、希望はかなわず、絶望の闇の中へ落ちていってしまう。「クマンバチの様に」、そう思った20歳の頃でした。

(※その3 へ続きます。)

以前noteに書いた記事