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#120 ヨセミテに行ってみて

 アメリカの国立自然公園で最初にできたというヨセミテを訪れたとき,日本人ガイドの方が自慢げに言ってました.「ここには,ガードレールがありません.自然を守るための公園なので,最低限必要な人工物しかありません.谷底へ落ちていく人がいたら,それは自己責任です.」これを聞いて,(さすがアメリカ,事故も自己責任!?)と,心の中でつぶやきました.

 日本の国立自然公園,最初にどこをたずねたか記憶が曖昧です.小学校で訪れた日光かなと思います.さすが大自然だなーと思いました.滝がカッコよかった(小学生らしい感想です.)国内の国立公園でとくに印象深いのは,やはり北アルプス(日本の)の河童橋から見た穂高の山並みです.少し行けば,徳澤園「氷壁の宿」があります.昔ワンゲル部員の学生さんと一緒に槍や穂高に行ったときには,看板を見ながら”前穂東壁”の絶壁「屏風岩」(約600m)を見上げ手を合わせたものです.(テント泊なので,当然小屋どまりはせずに見るだけの通過でした.いつか,コロナが落ち着いたら一度のんびりと小屋どまりをして,小梨平あたりをのんびり散策したいものです.(退職後かな?)
 井上靖さんの小説「氷壁」のモデルになった”ナイロンザイル事件”で弟さんをなくされた石岡繁雄先生は,私の勤務先にもお勤めでした.石岡先生の講義を学生時代に聴講したワンゲルOBの方々から,いろいろお話を伺っていました.

 そういえば,ヨセミテの日本語観光ツアーの日本人ガイドさんに,「ヨセミテの絶壁,穂高に似てますね」と一言ぼそっと言ったら,エラク怒られました.約975mの断崖絶壁エル・キャピタンをロッククライミングで登るには四日以上かかるので,”ソンジョソコイラの岩山”と同じにするなという気持ちだったのでしょう.(でもでも,見た目は,エルキャプタンと穂高の東壁「屏風岩」,どちらも同じくらいカッコよくてきれいなんだけどなぁ―.きっとあのガイドさん,上高地には行っていないのでは?と心の中でつぶやいたのでした.)

 MacBookのデスクトップの”壁紙”(背景),エルキャプタンなどのヨセミテの風景がありますね.ヨセミテを訪れた後に”壁紙”をみると,感慨深いです.あの景色がよみがえります.川のそばで獲物を追いかけていたコヨーテ(?)が思い出されます.日本で売るPCなら,Windowsのように富士山がいいと思うんだけどなぁー.あるいは,穂高のジャンダルムや槍ヶ岳の朝焼けなんか,最高だと思うんだけどなぁー.”舶来品”を愛するなら,やはり”異国情緒”が必要というところでしょうか.

 ヨセミテ観光ツアーを終え,サンフランシスコにバスが戻ってきて降り際に,日本人ガイドさんに”少し多め(?)”にチップをお渡ししたら,満面の笑顔になりお別れをしました.とてもよく説明をしてもらい,気持ちの良かった一日です.

 頭をリフレッシュするときには,Macのデスクトップ画面を時々,エルキャプタン(ヨセミテの一枚岩の巨大岩壁)にします.あのガイドさんの笑顔とコヨーテが頭の中に浮かびます.