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not music but music

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音楽を周辺から見てみよう。音楽にこだわり過ぎなくても良いかもしれない。音楽は好きだけど、時々嫌いになりそうになる。いや、もう少し音楽を広くしよう。そういう集合体を作りたくて、この… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

Not music but music, so strange but pop

Not music but music, so strange but pop

フーゴ・バルが1916年に発表した”Karawane”は最初の音響詩と言われる。彼はその作品の発表に先立ち「言語を一切放棄、言葉の最深部の錬金術に引きこもれ、言葉を見放して、文学の神聖な領域を守れ」と発表の意図を自ら示している。そして音響詩がはじまる。言葉に潜む音と意味を分離させ各々元の居場所に置き直すその試み。それは今もって未完である。

ところで、the future is certain,

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その19 最近やっと読んだもの

その19 最近やっと読んだもの

 ずっと前から気になり続けていた『オーブランの少女』(深緑野分)をようやく読んだ。表題作は一日に一度思い出すくらい魅力的なイメージが鮮明に浮かんで、謎の真相部分も、始まり方も終わり方も凄く凄く好きだった。ただ、重要人物のキーになる行動がどんな精神状態でもそれはしないだろうと思われ、どうがんばっても理解できなくてそこだけがずっと引っかかり続けている。けど、それでも好き(でもやっぱりあそこはないでしょ

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