ある男子大学生の日記(2023/01/17)
めちゃくちゃ日記をサボってしまった。ただ、気にせずに再開していこうと思う。もし2年間くらい継続することができたなら、3日間くらい気になる隙間ではない。そうだろう。
カラオケと弟
今日は初めて、弟と二人でカラオケに行った。
数年前に家族で行った時よりもお互い格段に上手くなっていてびっくり。弟に歌を聴いてもらうのは初めてだから緊張しちゃった。
彼の音楽の趣味はかなり私に影響を受けているな、と思う。RADWIMPSの曲を歌えばほとんど分かってくれるし、私が良いと思った曲は大概良いと言ってくれる。
4年ほど前、私が高校生だった頃、弟との関係はあまり良くなかった。私の大学受験と、弟の反抗期が重なったのが大きい要因だろうか。なんとなく家の中ではピリピリしていたような気がする。そして稀にその名残が、未だに顔を出す。
最近は一緒に映画を見たり、買い物をしたり、散歩に行ったりする。彼が高校生、私が大学生になり、お互い落ち着いたんだなと思う。身長はあっという間に追いつかれ、今はどちらも185cmくらいある。今日二人で電車に乗り、彼の迫力を感じた。もう喧嘩したら勝てないな。
「灰色と青」を一緒に歌おうよ、と弟が誘ってくれた。楽しかった。今度また一緒に歌うために練習しちゃおうかな。
カラオケ残り10分、弟が1曲、そのあとに私が1曲入れて終わろう、という流れになった時。「最後はやっぱりこれでしょ」と弟が曲を入れる。
高橋優さんの『明日はきっといい日になる』
私は去年の年末、家族4人揃った場で、大学にいけていないこと、2月には自殺するつもりだったことを明かした。両親はもう慣れっこで、しばらく説教を頂いた。ぐうの音も出ない。
ただ、弟だけが泣いてくれた。「困ってるんだったら言ってよ。」って大泣きしてくれた。隠して仲良くゲームしたり映画を見たりしていた。全然泣くつもりはなかったのに、彼が泣いたのを見て泣いてしまった。
そんな弟がこの曲を歌っているのを聴いて、私はもう一回、こっそり泣いた。この次に曲は入れなかった。これで終わり以外考えられなかった。
弟は最後に、今日の最高得点を更新した。
でも私は彼に100点をあげたいなあ。
あの日こぼしたチキンライス弁当
今日の夜ご飯は、家族が作ってくれた海南チキンライスだった。
おなじみWikipediaの説明。シンガポールにいる時に、週に1回は食べるような大好きな料理だった。
日本に帰国してからも、チキンライスを出すお店があれば迷わずに入ってしまう。みんなにとっての「チキンライス」はケチャップライスの方だろうが、私にとっての「チキンライス」はジャスミンライスの方なんだ。
去年、私が気に入って通っていた「チキンライス弁当」のお店がある。毎週金曜日はそこでチキンライスを買って、いつものおばちゃんに650円を払う。午後の仕事前にそれを喰らって気合を入れる。そういうルーティンだった。
しかしある日、650円を払ったあと、並べてあった一つのチキンライス弁当を机から落とし、ひっくり返してしまった。おそらく腕が当たってしまったのだと思う。床に米と鶏肉が散らばってしまい、大変なことになった。
持っていたティッシュで慌てて掃除するも、結局ホウキとチリトリを持ってきたおばちゃんに、片付けをほとんど頼ることになる。
「あの、すみませんでした。この分のお代、お支払いします。」
「いいの、大丈夫よ~。ここの社長お金持ちなんだから。」
毎週会って仲良くなったおばちゃんは、謎の理論でお代を受け取ってくれなかった。
私の後ろにもたくさんの会社員さんが並んでいて、突き刺さる視線が辛かった。私がこぼしたのに、ほとんど片付けを頼ってしまったのが辛かった。お代を受け取ってくれない優しさが辛かった。
その次の週、私はお詫びとお礼をしようと、またチキンライスを買いに行こうと思った。でも行けなかった。なぜ私はあの日勇気を出して謝りに行けなかったんだろうか。
その後、私はそこでお弁当を買うことはなくなった。そして仕事を辞めて、近くに寄ることすらなくなる。私は日本で食べたチキンライスの中で、あのお店のチキンライス弁当が一番美味しかったんだ、と胸を張って言える。
今度金曜日に買いに行こうかな。おばちゃんはまだそこで働いているだろうか。まだ覚えてくれているだろうか。
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