見出し画像

イノセント・デイズ

強烈に印象に残っている本がある。

イノセント・デイズ(早見和真 著)

死ぬために生きようとする主人公の姿が何とも衝撃的だった。
この本を読んで、ずっと考え続けている。

例えば、親しい人がもう命を終えたいと思っていたとして、私はもちろんそれを止めたいと思うだろう。
でも、その人にとって死ぬことが唯一の希望だとしたら、私の思いは勝手なエゴなのかもしれない。

死ぬことが唯一の希望になるほどの絶望に、人はどう寄り添ったらいいのだろうか。
絶望を前にした時、私にできることはあるのだろうか。

「あなたのことを大切に思っている」という思いは、届こうが届くまいが、伝えたい。その絶望に凍った心が、僅かでも溶けてほしいと願う。
これは私のエゴだ。

この本を読んで2年が経つ。人の心に関わる分野で生きていくかもしれない私にとって、この本との出会いは感謝でしかない。
人に寄り添うとはどういうことなのか、ずっと考え続けていきたいと思う。