見出し画像

登山靴のインソールのお話その2

こんにちは!一人ハイカー、一人ワンダーフォーゲル部のaishiです。
今回はインソールのお話の続き。
前回のお話は下のリンクから。

登山靴にインソールは必要か?論争をたまに見かけるのでネタとして乗っかって自分の意見を書いてみたいと思います。

そもそも足の状態も山行スタイルも個々によって違います。
違いすぎます。特に体と接地する大事な部分。
そういう部分を純正品で万人に合う物を登山靴メーカーが用意するのはあまり現実的ではないでしょう。

勿論登山靴メーカーも色々な考えがあって、基本は価格に見合う物になってしまいますがそれでも極力登山靴の機能を発揮できて万人に合うものを付属させてる事が多いですね。老舗登山靴メーカーのゴローみたいにそもそも登山靴に純正インソールが入ってないところもあります。

個人的にはインソールは車の足回りと同じなので使う方が自分の履き方、山行スタイルに合わせてインソールは選ぶパーツだと思っています。
車もスポーツカーなんかは純正部品は交換前提で最低限走れるパーツを付けてある事は多々あります。

運動靴のインソールもメーカーはそんなにお金をかけられる部分では無いので交換前提で安物を入れてある事も多々ありますね。

ネットなんかではインフルエンサーにもなっているLOWA(ローバー)などを中心に売っている登山靴屋さんがカスタムインソールは要らない!派なのでそれを盲信してしまう方もいるみたいですがそれはあくまでその方の考え方の一つです。
とはいえそれを否定してる訳ではなくて、割と拘りが強いと自分の理論や考え方を伝えたいという思いが強くなりすぎて少し偏った考えを発信してしまう事は誰しも多々ありますし、その理論に納得が行く人はそれでOKだと思います。
問題なく使えていると思うので。
それにカスタムインソールは靴との相性によって登山靴を傷める可能性があるというのも確かです。
でも拘りが強すぎて入れない理由に「カスタムインソールが必要なら最初からメーカーが入れている、純正が一番良い」みたいな事を言う事があるのでそれは上記でも言いましたように自分好みにチューニングする部分なのでそれは違うよね…と思う次第です。人によって入れたほうが調子がいい、登山靴を多少傷めたとしても気持ちよく、楽に歩きたいという方もいますしどう履きこなすかは購入した方次第な部分もあります。
もちろ拘りの店で拘りの登山靴を購入するのだからそういうちょっと偏屈な部分も受け入れてお店とお付き合いするというのも一つの登山スタイルではあるかと思います。しかしそのコミュニティの考え方周りに押し付けるような方もたまに出てくるのでそれは違うなと。
ちなみに上記のお店では裏革を使った登山靴のワックスがけを推奨しています。
でも多くの大手メーカー自体はこの裏革にあとからワックスがけをするのは非推奨なんですよね。これもカスタムみたいなもの。
※便宜上この記事ではヌバックもスエードも裏革としています。

これは別に否定している訳ではなくて、メーカーの言う事も販売店の言う事もそれぞれ正解があります。
メーカーとしてはやはり素材などに影響のあるカスタムをして欲しくはないですよね。そして登山靴は時期が来ればソールの張り替えや修理が発生します。
その修理の時にメーカー以外のところでワックスなどが塗られカスタムされた物を修理するのに中々責任が持てない事があります。
メーカーによってはワックスやオイルを塗った物は修理時にそれらを落とす為に別料金がかかる場合もあります。ソールの接着がつきにくくなる為です。
大きいメーカーだと特に中々目が届きにくくなるからワックス等は塗ってくれるな…となる訳です。特に今はゴアテックスなど防水機能は昔と比べて格段に上がってきてますから。

逆にワックスがけを推奨する店の言い分もわかります。
ワックスで固めてしまえばそれだけ革自体は長持ちしますからね。
ゴアテックスなどの透湿性素材が使ってある場合はその機能が低下しますが。
これは登山靴の外側の保護性などの機能を重視するかどうかの違いです。
勿論その店ではメーカーとやりとりでソール交換なども問題無くやれている訳でメーカーがOKなカスタムなら問題ないでしょう。たださっきのインソールの話と逆になっちゃう訳でメーカーが良いと思ったらワックス加工して出してるよね?という話にもなるのです。
手間もコストもかかるのでメーカーがワックス加工をするのは非現実的ですし、結局インソールと同じでユーザーの好みによってカスタムしてね!という話なだけなんですよね。

ここからはちょっと話しがズレますが…このお店も情熱や拘りがありすぎて発言だとは思いますが、思いが強すぎて「裏革の質感が好きなのでワックス加工せずに履きたい」というお客さんに対してちょっと小馬鹿にした感じで「観賞用に飾っとくとかすぐに傷んでもいいなら」みたいな言い方をyoutubeでしてたので癖が強いなぁと感じました(苦笑)
まあワックス加工してガンガンに履いて欲しいという気持ちもわかるし、でも好きな登山靴で気持ちよく裏革の雰囲気を楽しみながらライトな登山をするお客さんの考えも大アリだと思うので思いが強すぎるのもキツイなという部分もあります。
個人的にはカスタムにおけるメリット、デメリットは理解しておきたいところです。
それに純正品を楽しんで傷んだらその都度修理したり買い替えるというのもお客さんの楽しみ方の一つではあると思うので。
そしてちょっと行き過ぎた意見として「登山靴メーカーは登山靴を売りたいから長く履いてもらっては困る!だからワックス加工をやらせないんじゃないか?」なんて意見が出たりしますが、それを言い始めたら小売的にはケア商品を売った方が儲かるし、ワックス加工オプションを利用して欲しいという気持ちも強いのかもしれません。「小売やケア用品のメーカーが儲けたいからワックス加工させたいんじゃない?」なんて嫌味を言われかねないのでそういうつまらない事は言いっこなしの方がいいんじゃない?とは思います。
勿論そのお店はそのお店の売り方があるのでそのお店の中ではそのスタイルでも良いと思うんですが。
※たまに叩かれているけれどフッティングサービスにあれだけ時間を費やしてるのだから購入しない場合お金を取るのは全然おかしい事だとは思いません。
ケア商品も押し売りになるのは良くないけれど納得して買う人が殆どだと思うのでそれも悪くないと思います。またこういう拘りの専門店で登山靴を購入して繋がりを持てば色んな情報やアドバイスを得られるので全然ボッタクリなんてものではないとも思います。お店も人も色んな考え方があるのでお店との相性が大事ですね。

老舗登山靴店のゴローみたいに製造と販売が一緒になっていて規模も大きくなければ売ったお客さんに比較的目が届きやすいし、どういうカスタムをしてどう履きこなすかも責任をもってアドバイスできますが大手メーカーだとそういう部分は難しいのでメーカーの意図を理解して購入者がちゃんと履きこなすのは大事ですね。
因みにゴローの登山靴S-8等はライナーにゴアテックスは使われていない登山靴なので使ってある裏革にしっかりと防水ワックスを塗り込んで防水や傷の耐久性を高める昔ながらのやり方です。
メーカーと販売店の説明や意図が微妙に違う事は多々あるので気になったらメーカーに問い合わせしてみて、販売店の説明と違ったら購入者がそのメリット、デメリットも考えて納得のいく方を選ぶ必要がありますね。

シダスのインソール、自分にはいい感じでした。

ゴローのブーティーエルにはホシノのB+LDeを入れて慣らし中。
こちらは使ってある素材が柔らかく比較的靴の中のライニングを傷めにくいので気になる人はこういうのも良い選択肢ですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?