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一日一句【菜根譚】#86『韜光養晦 功成身退』才能はひけらかさず、栄光とともに勇退する



はじめに

「韜光養晦」という言葉

は、中国の故事から生まれた言葉で、「自分の才能や力を隠し、時機を待って行動する」という意味を持ちます。

「功成身退」の重要性

歴史上、多くの英雄や賢人が栄華を極めた後、身を引いて後継者に道を譲ったという事例があります。彼らは、権力や名声にしがみつくことなく、次の時代のために尽くしたのです。

このように、「功成身退」は、自らの功績に固執することなく、次の世代のために道を譲るという、大きな度量と責任感の表れと言えるでしょう。

現代社会における「韜光養晦」と「功成身退」

現代社会においても、「韜光養晦」と「功成身退」の考え方は重要です。

「韜光養晦」

競争社会においては、自分の能力を周囲に知られることを恐れ、控えめに振る舞う人もいるかもしれません。しかし、それは決して悪いことではありません。むしろ、自分の力を秘め、時機を待って行動することで、より大きな成果を得られることもあるでしょう。

「功成身退」

成功した後は、いつまでも第一線に居続けるのではなく、後進に道を譲ることも大切です。新しい世代の意見を取り入れることで、組織はより活性化し、発展していくことができるでしょう。

名声が高ければ高いほど、議論も多くなる。確かに称賛は増えるだろうが、同時に非難も増えるのは避けられない。「樹大招風」という言葉通りだ。だからこそ、栄光を手にした時こそ、潔く身を引くことが重要となる。

中国の故事成語である「韜光養晦」

は、まさにこの哲学を体現している。「韜」とは隠す、「晦」とはくらますという意味で、自身の才能や地位を隠し、穏やかに過ごすことを指す。これは、古代中国の戦国時代に生まれた思想で、戦乱の世を生き抜くための知恵とされていた。

現代社会においても、「韜光養晦」の精神は重要である。SNSやインターネットの発達により、個人の言動がすぐに拡散され、評価される時代となった。だからこそ、常に謙虚な姿勢を忘れず、驕らず慢らずに行動することが大切だ。

もちろん、「韜光養晦」は単に隠遁生活を送ることを意味するわけではない。自身の才能や能力を磨き、社会に貢献することは重要である。しかし、常に自らの立ち位置をわきまえ、驕ることなく努力を続けることこそが、真の成功を導く鍵となるだろう。

**「功成身退」という言葉は、「功を成した後は身を引く」**という意味

である。これは、自身の利益や名誉に固執せず、公のために尽くすことを意味する。

歴史上、この言葉を体現し、功を成した後に身を引いた人物として有名なのが、ワシントンだ。アメリカ独立戦争を勝利に導いたワシントンは、その後、二期目の大統領就任を辞退し、農園に隠居した。

ワシントンのように、自身の利益よりも公の利益を優先し、潔く身を引くことこそが、真のリーダーと言えるだろう

現代社会においても、「功成身退」の精神は重要である。企業経営者や政治家など、権力を持つ者は、常に公の利益を第一に考え、自身の利益のために権力を振りかざすようなことがあってはならない。

もちろん、功を成した後は、新たな挑戦をしたり、後進の指導に当たったりすることも重要である。しかし、常に謙虚な姿勢を忘れず、驕ることなく努力を続けることこそが、真の成功を導く鍵となるだろう。

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