メルカリで国内外からの優秀な新卒126人をオンボーディングして感じた、多様性が組織にもたらす良い影響。(海外新卒編)
自己紹介
はじめまして、坂本 愛です。
2018年9月にメルカリに入社し、その後職種問わず、国内外の新卒メンバーの採用、オンボーディング(受け入れ)に携わってきました。今は、エンジニア組織に特化した人事として、組織・チームの可視化、組織づくりに携わっています。
メルカリに入社して1年と少し経ち、そろそろ発信力もつけていかないとメルカリの人事としてイケてないと反省して最近ツイッターを再開しました。良い経験させてもらっているので、もっと発信しようとnoteを始めてみることにします。少しずつですが、よろしくおねがいします。
この記事はなにか
メルカリの海外新卒採用と、海外籍新卒メンバーに対して実施しているオンボーディング内容の紹介、彼らの活躍ぶりを見ていて感じたことを書いています。すでに世の中に発信された記事や取材/TVで紹介されたものをまとめて、オンボーディング担当として感じたことを書いています。
メルカリの海外新卒採用のはなし
メルカリの新卒採用は通年オープンで、国内外で採用をしています。海外採用は、2017年から力を入れて、積極的に採用しています。ハッカソンや選考会の実施、地道なLinkedinでの発信のおかげで、今では世界中の多くの学生さんから応募を頂いています。
オンボーディング(受け入れ)のタイミング
日本では、多くの学生が3月に卒業するため、受け入れのタイミングは4月ですが、海外の場合は、6月〜9月にかけて卒業するメンバーが多いため、10月に入社日を設けています。初めて多くの海外籍新卒メンバーを受け入れたのが2018年10月で、メルカリで新しい入社者が最も多かったと言われている日でした。全部で120人以上の新しいメンバーが入社し、そのうち50名は新卒採用で入社したメンバーでした。うち40名は外国籍社員で、30名がIIT(インド工科大学)出身のメンバーが入社しました。2019年は、全部で26名の新卒メンバーが10月に入社し、うち23名はインド、中国、シンガポールから来てくれた海外籍社員です。
オンボーディングとは
一般的にオンボーディングとは、新卒・中途採用などで新しく採用をした人材を、いち早く企業カルチャーに慣れてもらい、業務を習得し、即戦力化するプロセスのことを指します。
良いオンボーディングは、入社後にいち早く即戦力化させることで、帰属意識を高め離職を防ぎ、採用コストの削減に繋がります。また、会社に対するイメージは入社1~2ヶ月で決まると言われているので、スムーズなオンボーディングにより、会社に対する共感、マネージャーやメンバーとの信頼関係構築のベースを作ることができます。入社1.5ヶ月後くらいの新メンバーの理想状態は、「この会社で働いていて楽しい!」と思えている状態です。その状態を作るためには、社内の関係づくりができていること、情報取得が出来ていること、OKRが設定されていること、フィードバックから学びを得ていること、主体的に動けている必要があります。
海外籍新卒向けオンボーディングコンテンツ
海外籍の新卒メンバーは、初めて日本(外国)で暮らす、初めて働くというダブルチャレンジなので、スピーディーな生活の立ち上げサポートが必要となります。
日本での暮らしをスタートすることで発生する最初の障害をできるだけ取り除いてあげる必要があるため、就労VISAサポート、リロケーション(引っ越し)から始まり、入社後にはバディ制度やオンボーディング研修、メンター制度などを用意してます。これまでの取材やTVで紹介されたものを下記まとめてます。
最初の生活立ち上がり時はいつもカオス
色々なシステムやサポートを用意して、新卒メンバーの受け入れをするのですが、なにせ初めて日本(海外)に生活の拠点を動かすので、海外ならではのカオスさはいつもあります。
携帯の開設が上手くいかない、ルピーを日本円に変えられなくてお金が足りない、クレジットカードを作れない、引越し業者からの電話に出ても言葉が通じない、水が止まった、日本食が合わない、などなど、慣れない外国での生活で誰もが経験する問題が昨年も今年も発生しました。
メルカリでは、こうした海外籍の新卒メンバーの生活の立ち上げをサポートするため、英語が話せて、異文化コミュニケーションを理解したメンバーをバディとして公募で集め、一人ひとりに対してサポートする仕組みを用意し、All for Oneで社員一丸となって新卒メンバーを支えています。
(2019年10月新卒メンバーとバディ/受け入れメンバーたちと)
入社後オンボーディング研修について
最初の1週間で、メルカリのバリューやカルチャーの理解を深めるコンテンツ、日本独特のビジネスマナーを伝えるコンテンツ、メンターとのコミュニケーションを深める研修などを受けて、メルカリで働く上で最低限必要な知識をインプットします。ほとんどの会社さんでは、外部の研修会社にお願いするケースが多いのですが、メルカリのバリューやカルチャー、社員を知ってもらいたくて、ゼロから内製で作り、アップデートしています。
2019年からは、そこから1~2ヶ月ほどかけて、ポジションごとに研修を行い、配属に備えます。研修内容は、その時の受け入れ新卒メンバーの特徴に合わせてアップデートを行っています。2019年10月の海外籍新卒メンバーの場合は、彼らの経験やスキルに合わせたHands-onでプロダクト開発が行える研修を実施しています。
研修中の評価や、本人の希望をもとに配属先を選定し、チーム配属を実施しています。特に2018年10月は、初めての海外籍新卒の受け入れで、いきなりチームへ配属したので、マネージャーやメンターに定期的にチェックインをして、次々と起こる問題を一つ一つ対応していく日々でした。例えば、スキルが足りていない部分を洗い出して、研修をつくって再トレーニングしたり、チームメンバーとのコミュニケーションを促すための異文化コミュニケーショントレーニングを実施したりしました。
慣れない土地で、入社してから最初の3ヶ月を乗り越えて、少しずつチームに馴染んでいく彼らを見ていて、たくましさとタフさを感じる日々です。
海外籍新卒メンバーの活躍ぶりのはなし
2018年10月の新卒メンバーを受け入れてから1年経ち、取材を受ける際に働きぶりや成果を聞かれたりします。私の目線で、1年間彼らの評価や活躍を見ていて言えることは、それぞれの良さを活かしながらGo Boldに働き、短い期間でも目に見えるアウトプットが出てきていて、現場からも良い評判が聞こえてくることです。
2つ例をあげるとすると、1つは、メルカリアプリの英語版プロトタイプを開発したDaniel Tillくんの活躍。Danielは、この実績が評価され、2019年2QのMVP カンパニーバリュー賞のMercari Go Bold Awardを受賞しました。
2つ目は、US@Tokyoに配属されたメンバーの活躍。US@Tokyoでは、GBD(Go Bold Day)という、社内コンペを行う日があり、アイディアを個人・チームで実装、デモまでつくり、Mercari USメンバー(US@Tokyoだけでなく、パルアルトオフィスメンバーもまざって)コンペをしています。2019年7月には、2018年10月の新卒メンバー5人チームが、他のシニアメンバーチームに混ざって、堂々のGo Bold awardを受賞しました。
多様なバックグラウンドの人材が一緒に働くことで生まれるポジティブな効果
ダイバーシティが促進されて一番会社にとって良いことは、よりGo Boldな発想のもと、会社としてのGo Boldさも促進されることにあると思っています。
多様なバックグラウンドの人たちが一緒に働くことで、言葉、文化や価値観の違いから起こるコンフリクトはたくさんあります。日本人同士で働くことと比べると、コミュニケーションコストがどうしてもかかってしまうのも仕方ないです。
ただ、そのコストをかけるだけのメリットがあるとこの1年実感しています。
まだ、メルカリもグローバル化を本格的に始めてから数年ですが、社員のダイバーシティ促進によって、より発想や思考がGo Bold化されています。
よく聞くのは、エンジニア同士のピアレビューのさいに、日本人だけでレビューをするのと、海外籍メンバーも混じってレビューをするのとでは、指摘のポイントや最終的なコードの完成形もぜんぜん違うということ。
発想や思考の多様化は社員のダイバーシティ化によって、少しずつ着実に進んでいます。
これから
優秀な人材を採用した後に、その人材がこの会社で働くことが楽しいと思えて、最大限のパフォーマンスを出して初めて、企業と個人のあるべき幸せな関係性が築けると思っています。この1年の成長を見ていて、メルカリという会社で成果をあげる新卒メンバーの人材像も見えてきました。定性と定量情報をもとに、人材定義をしっかりと行い、優秀な若手社員が成長し活躍できる組織にしていけるよう試行錯誤中です。
最後に
メルカリに入社してくれた新卒メンバーへは、最初に働く国として日本を選んでくれて、最初のキャリアをスタートさせる会社としてメルカリを選んでくれてありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです。新卒採用に携わる一人の担当として、感謝と尊敬の気持ちをもって全力で向き合っていきたいと思います!
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