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楽譜を探すお仕事をネットでやってみようと思った。(その2)


ちょっとおさぼりしてしまったが、続き。新型コロナのニュースがあちこちいろいろ…、あと自分のこともいろいろ…。落ち着かない日々ですね。不要不急の外出はもちろん避けております。しかし食材買い出しはせんとならんので(まとめ買いダメ)その買い出し途中で見る桜は癒しでございました。今年も桜は元気に咲いておりましたよ。買い出しに行く途中に桜があるので、一瞬のほっこり気分。しかしこれは花見ではなく、自己メンテナンスみたいな気分… 人間にもメンテナンスは必要です。批判非難ばっかり見る日々、パンデミック収束方面に向かうのは一体いつなのやら。

さて、本題に。

<楽譜を知っていく内に(知りたい欲)が増えた>

楽譜問屋にいると、とんでもない量の楽譜を知っていく訳だが、楽譜の内容まで全て把握してるかと言うと…中を知らぬものもあったなぁと。やたらに注文が来るが、どんな楽譜か知らぬ…というのは、入社当時は確かにあった。楽譜一冊の中にどれだけの情報があるのか? 今自分で覚えている限りを書くと「出版社(編集社/者)(企画含む)」「書名(タイトル、曲名)」「著者(編曲者、校訂者)」「価格」「コード(ISBNコード、JANコード、出版社コード)」「出版日」……、重要視されてるのはこれくらいだろうか。このあたりの情報が分かってれば、商品の取り寄せ発注手配が出来るし、出版社に問い合わせて、商品が現状入手できるかどうかが分かるのだ。そして、国内出版社は殆どが電話で問い合わせが出来るから良いのだが、これが海外の出版社(輸入楽譜)となると、なかなかそうもいかない。メールやFAXでのやり取りになる。私が書いた<>というのは実はここからで、輸入楽譜は謎がたくさんあって面白い。手元に楽譜の資料がないから中もわからないし、そもそも日本語じゃないからどう発注すればいいのかわからなくて大変(代理店に聞きながら発注した)。それがまた面白い(私は変人か…笑)。私が発注関連の作業に入れるようになったのは、恐らく10年くらい前からだろうか。今まで自分が関わったことがないくらいの量の見積依頼があり、その半分以上が輸入楽譜だった。そこから私の欲の探求が始まった。

<輸入楽譜を買う方法>

この部分を掲載するにあたり、私が知っている情報をつらつらと、まぁよくもこんなに……と思うほど長くライティングしていたのだが、更新直前になって思い留まった。何故か。

もしかして、これ、非公開情報なんじゃ…?

と思ったからだ。いくつかのエンジンで、思いつく限りの優しいものから難しいキーワードまで、略名も含めて検索をかけてみた。

『うん、見事にひっかからない。誰もどこにも書いてない!!消すぞ!!』
非公開情報決定!!(独断と偏見による/笑)

問屋内でも知ってる人は誰もいなかったし、教えてもらったのは某業者さんなので、言ったり書いたりするのはまずかろう…。情報をなんでも書いたり公表していい訳ではない。誰かが書いてれば、リンクを貼ってご紹介も出来たのだが(とあるジャンルで、その中で重鎮ではなかろうか…という方がご自身のサイトでこの類に近い話を長々と書かれていたのだが、ページの最後の方に(非公式)と書いてあったので、やっぱりそういうのはあるようだ)。

各出版社のHPで検索をすると「これは日本ものじゃなさそう?」な輸入アイテムが見つかると思う。日本のAmazonでも輸入楽譜が手に入るが、日本の楽譜検索サイト及び、各音楽出版社HPに載っていれば、大元の海外出版社に在庫があれば取り寄せは出来る。しかし、海外の出版物である輸入楽譜が欲しい!という方は(わざわざ輸入の楽譜が欲しいんだから、ある程度英語わかる方や、ベテランの先生が殆どだろうな)という予想がある。しかし、習い事に通われてる生徒さん( 小〜中くらいの学生さん)が、先生と同じものを買ってきなさいと言われて買いに来た…っていうお問い合わせもよくあり…『いや、先生…楽譜の情報くらいもうちょっと生徒さんにちゃんと教えてあげて…。せめて写メで表紙撮るとか…。出版社もわかんないし、酷いとタイトルも曖昧で、これじゃ海外のもの何でもいいから買ってこいとかないでしょ;;』っていうのも過去にはあって、私たちは本当に困った。間に入った楽器屋さん(問い合わせを受けた小売店)はもっと困ったに違いない。私たちはどの出版社から出てて、どの価格で、どの納期でお届けできますよってとこまでしか紹介出来ない。その点、オンライン購入なら画像も見れるし、大体の金額や納期も(ざっくりしてるけど)わかるし、自宅まで届けてくれるし、いいことづくめではなかろうか? 

<輸入楽譜の欠点>

とは言え、海外の楽譜は勝手に表紙が変わったり印刷インクも擦れまくったり紙質が変わったり(金額が変わるなんて日常茶飯事)、下手すりゃ中身も変わる(いきなり改訂されちゃったりする)。日本出版社の品と違い、輸入ものなので折れて入荷なんてザラだし(運送途中で落としたりぶつけたり…)乱丁もしょっちゅうある(印刷機ミスとか面付失敗、チェック漏れなど)。加えて、輸入楽譜は余程の不具合がない限り、基本的に返品がきかないものだ。多少の折れや紙の圧迫程度では返品は受け付けてくれない。
日本の楽譜と違って色々と興味深いところが多い輸入楽譜だが、リスクもそれなりにあるので『購入時は美本は期待しない!』くらいのラフな気持ちで購入した方が気もラクだと言えよう。特に吹奏楽譜については、よほどマニアックなご個人購入以外はコンクール使用が殆どだと思うので、購入したらすぐさま楽譜を開封し、パート譜と指揮者用楽譜のチェックをすることをお勧めしたい(パート譜抜けしょっちゅうあるので…)。

余談。
ドイツにベーレンライターという出版社があるのだが、実は2社あって「Bärenreiter(ドイツのカッセル)」と「Bärenreiter Praha(チェコのプラハ)」。ん? プラハ?? なぜ? 後者が前者に吸収されて傘下になったので、こういう名前になったと。元々の出版社名は「Supraphon(スプラフォン)」。なんかややこしいけど、知識が増えるのが自分には面白い。それに海外楽譜出版社の吸収傘下は珍しいお話しではない。気付いたらいつの間にか出版社のマークが前は1つだけだったのに、表紙の中や裏にいくつもあったりする。『あっ、吸収合併したな?』とか、今までクレジットしてなかったのにいきなり再販時にクレジットが付いてたりする。これは氷山の一角。

……とこんな感じでいろいろ知識が増えに増え、輸入楽譜を取り寄せた時は中を見て一人でニヤニヤしてたりしたのだった(ただの変な人…)。

販売の話になかなか入らない;もうちょっと続く。

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