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【DTM講座】『メランコリーキッチン』のミックス~リズム&マスタリング編~

今回は『メランコリーキッチン』でリズムとマスタリングで使用したプラグインについて紹介していきたいと思います。


ドラムのミックス

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Steven Slate Drums 5.5

僕がメインで使っているドラム音源でポップス~ロックなどのバンドサウンドと相性が良くかなり使いやすいです。プリセットの段階で音が作りこまれているのでドラムパターンさえ打ち込めばすぐにドラムトラックが完成してしまいます。普段はオーディオに書き出した後、バスにまとめて軽くコンプで整えるのですがこの曲では何もしてませんでした。コンプを挿すのを忘れてたみたいです…。それなのに今までで一番ドラムサウンドが良いのが複雑ですね。それくらい音が完成されているのでロックなサウンドが好な方にはおすすめです。

ベースのミックス

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IK Multimedia MODO BASS

これは物理モデリングという技術で作られたベース音源で軽い・色んなベースを選べる・音が良いと三拍子揃ったプラグインです。5弦のジャズベを作ることもできるし、ピックアップや右手のポジションまで変更できる異常なまでの自由度が売りですね。錆びた弦まで選べるなんて本当に変態だわ。エレキベースだけしか使えないのが唯一の弱点かな。

iZotope Neutron3

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普段はベースの処理はWEVAS JJP BASSというプラグインを使っているのですが今回はNeutronの方が合っていたのでこっちを選びました。ギターと同じでAIアシスタントを選択すると低音がボワボワしちゃうのでEQの調整は必要ですね。

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Plugin Alliance Black Box Analog Design HG-2

これは音を歪ませてベースの抜けを作る狙いで使用しました。音の質感は変えずに倍音を少しずつ足していくことで音の抜けを調節しています。全てのトラックに使うとうるさくなってしまうので注意が必要ですね。

パーカッションのミックス

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Reveal Sound SPIRE

ドラムの後ろで鳴っているパーカッションで使用したシンセです。硬めのサウンドが特徴でEDMなどに良く合うサウンドです。有名なプラグインでプリセットも豊富に揃っているのでシンセの音作りが苦手な人にも使いやすいと思います。音抜けが抜群なのでリードで良く使います。この曲ではドラム系のプリセットを使用してスネアより少し小さい音量でセンターから鳴るように調整しています。

オルガンのミックス

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IK Multimedia Sample Tank4

色んな楽器のサンプルが収録されているマルチ音源で最大で8000種類260GBというアホみたいな容量があります。プリセット検索が優秀なため目的の音が見つけやすくて好きです。Native InstrumentsのKontact6と比較されますが初心者の方ならSample Tank4の方が扱いやすいのではないかなと思います。音質は専用音源より劣りますが膨大なライブラリーと扱いやすいGUIが魅力ですね。マルチ音源の中ではコスパ最強ではないでしょうか。この曲の主役といってもいいオルガンも味があって良い音だと思います。

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Native Instruments PHASIS

原音を揺らして独特の雰囲気を出すフェイザーという種類のエフェクトです。ギターでは一般的なエフェクターで僕が大好きなEVHもよく使用していました。このプラグインはかなりシンプルでパラメーターも少なく適当に弄ってるだけで良い感じになります。かなり薄くかけているのですがフェイザーがあるだけで音に深みを与えてくれます。ロウソクの火が揺れているのをイメージしてもらえると分かりやすいと思いますが、全く揺れていないを火は美しく感じられないんですよね。のっぺりしたサウンドに変化つけたい時におすすめです。

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iZotope Ozone9 Imager

これはOzone9 Advanceに収録されている単体プラグインで音像を広げたり狭めたりできるステレオイメージャーという種類のプラグインです。iZotopeには無料でもらえるOzone Imager2というプラグインもあるので持っていない方はぜひダウンロードしてみてください。簡単に音が広がるので最初に使った時は感動すると思います。ただ使い過ぎると音が不自然になるので注意が必要です。

ミックス時のマスタートラック

僕はマスタリングをする前には必ず2MIXにまとめるようにしています。その理由は使用しているStudio OneというDAWにミッスとマスタリングをシームレスに行き来する機能があるのとOzone9という激重なプラグインを使用したいからです。僕が2Mixを作る時のルールはマスターの音量が-5dB位になるようにすることです。その理由はマスタリングする際に音圧を調整するための余裕を持たせたいからです。

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Sonible smart:comp

AIが自動で最適なコンプをかけてくれる便利なプラグインです。自然なかかり方をするのでマスターコンプとして使用しています。リダクションが最大でも-3dBくらいになるように調整して全体を均す感じですね。かなり細かく分析して帯域ごとにコンプをかけてくれる優秀なコンプです。

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ADPTR AUDIO Metric AB

もうこれはみんな持っていた方が良いってくらいの神プラグインです。リファレンス曲(参考曲)と自分の曲の比較をしてくれるプラグインで曲の周波数、ダイナミックレンジ、音像などを比較できます。アナライザーを見ながら自分の曲の足りない帯域を見つけて改善することでミックスの質を劇的に上げることができます。リファレンス曲の音量を自作曲の音量に揃えてくれる機能がかなり便利で使いやすいです。

マスタリング

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iZotope Ozone9

これがあれば誰でもマスタリングが出来てしまう魔法のプラグインです。AIアシスタント機能を使えば80点くらいまでに仕上げてくれます。そこから自分で調整していく感じで僕は使っています。処理が難しい低域の調整やリファレンス楽曲と同じEQ処理ができる機能など便利過ぎてダメになるレベルですね。作曲~マスタリングまで自分だけで行っているDTMerには最高の相棒になると思います。それぐらいマスタリングは難しくて沼にハマる可能性が高い作業なんですよ。

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IK Multimedia Stealth Limiter

僕が一番好きなマキシマイザーで簡単に音圧を上げることができます。基本的な操作はinputノブを回すだけでなのでこれ以上簡単なプラグインはなかなかないと思います。MODEを変更することで倍音の出方を変化させることもできます。ただCPU負荷が高く激重なのでOzone9と併用すると2つだけで50%くらいCPUをもっていかれちゃいます。

おわりに

ここまで書いててなんですがミックス・マスタリングには正解はありません。今回はこんな感じで作っていますが曲が変われば違う処理をするし使用するプラグインも変わると思います。ただ「こんなプラグインあるんだ」とか「そんな使い方あるんだ」くらいの軽い感じで楽しんでもらえたら幸いです。僕から言えるのはお金は大切にしてくださいってことですね。純正プラグインだけでも絶対に良い曲は作れますから諦めないでください。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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