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東京都文京区 1パーク 5機種

東京ドームシティ アトラクションズ(後楽園ゆうえんち)☆☆☆

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初来園:1999 来園回数:50回以上
Maps:https://drive.google.com/drive/folders/1PPwyFBkGbjp8zeUDKheXUGsZn4EkRslS?usp=sharing

1955年7月9日開園。東京都区内最大級の遊園地及び複合レジャー施設です。
開園時導入されたコースターに、世界で初めて"ジェットコースター"という固有名が付けられました。
その人気ぶりはすさまじく、瞬く間に全国区へ。日本でのローラーコースターの一般名になったという話はあまりに有名。
それにちなみ、7/9は日本での"ジェットコースターの日"という記念日になっています。

開園当初より限られた敷地内に多数の乗り物を設置する都市型遊園地というコンセプトは守られており、リニューアルが繰り返されてきました。
1968年の一大リニューアルより、元祖ジェットコースターから二代目ジェットコースターへバトンタッチ。2000年まで稼働を続けました。
1992年、地下遊園地"ジオポリス"の拡張など、斬新なアイデアで最先端を牽引してきた同園ですが、最大の転機はやはり2003年のラクーア開業でしょうか。
入園無料化、乗り物の半数以上の刷新、温泉施設、商業施設の新設、(当初のみ)フリーパスの廃止など、革命的ともいえる変化が行われました。
パーク名も半世紀近く親しまれた後楽園ゆうえんちより東京ドームシティアトラクションズへ改名。
これについては、個人的には必ずしも良かったのかと言われるとどうかなあというところですが、トータルでは大きな躍進になった事は間違いありません。

私にとっては、長年最寄りパークとして親しみ、特に00年代のこのパークが無ければ、今の自分は無かったのではないか、と思うほどです。
それゆえに、2011年1月30日、東日本大震災の1か月ちょっと前に発生した痛ましい死亡事故には、胸が締め付けられる思いでした。
ちょうど同時期に園内のスリルライド、コースターの多くが撤去、刷新の時期を迎えており、同園のファミリー向けへのシフトの追い風となった事は明らかと言えます。

2020年には開園65周年を迎えます。姿かたちは大きく変わりましたが、前年には16年ぶりの新コースター導入など希望の光も見えてきました。
パーク以上に世の中の変化もあり、大型コースターの新設は絶望的と言わざるを得ませんが、これからも期待し続けたいパークです。


  サンダードルフィン☆☆☆☆

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初乗車:2003/11/1 乗車回数:100回以上
https://photos.app.goo.gl/urtVbqKiWFzyhJNQ6

瑞インタミン製大型キャメルバックコースター。モデル名 メガコースター
2003年春、センターレス大観覧車"ビッグオー"と共に新エリア"ラクーア"の目玉ライドとして導入されました。
東京都内最大のコースターであり、2020年現在も同園の人気No1アトラクションを保ち続けています。

商業施設及び入浴施設の入ったビルの上から観覧車の中央をくぐり抜ける、三角形の狭い敷地を最大限に活用したコースが最大の特徴です。
ローラーコースターを導入するだけでも難しいであろう立地に、国内最大級80mの規模、改めて、凄い事であると感じます。
動線の関係上最下点までは落下できず、落差こそ66,5mに留まっていますが、74度での吸い込まれる様なファーストドロップは素晴らしい爽快感です。
特に最後尾での乗車は、ナガシマスパーランド スチールドラゴン2000の97mのドロップに勝るとも劣らない、国内屈指の落下であると思います。

一方、土地の制約の中では最大限のコースであるのは承知の上で、その短さと、ビルの上での失速の2点は欠点として挙げざるを得ません。
1124mというと聞こえはいいですが、規模を考えると短く感じられるのは事実です。実質的なドロップは4回、エアタイムは1回という事になります。
最高速127km/hから駆け上がった1週目のビルの上は、浮きこそ感じられないもののまだスピード感を保ったキャメルバックがあります。
しかし、運動エネルギーの多くを失った二週目にも同じ高さまで登るとなると、かなり低速での走行になることは想像に難くありません。
トリックトラックと呼ばれる左右への振りがあり、単純な直進でこそ無いものの、退屈と言わざるを得ないストレートです。
個人的には、敵う事であればビルの裏側や、一部中への落下、あるいはハートラインロールのような低速を活かせるエレメントの配置が良かったのではないかと思います。

2010年12月5日、車両のボルトが落下する事故があり、2013年8月1日までの2年以上、運休を余儀なくされました。
再開に当たり、コースほぼ全周に落下防止ネットが設置されたほか、ホームゲートの新設などがありました。
私を含め、00年代以降の関東地方のコースターファンのほとんどがこのコースターに乗車し、その走りに魅せられてきました。
このコースターが無ければ、今の自分は無かった、そう思う方も多いのではないでしょうか。もちろん私もその一人です。
地元を離れて数年、帰省をするたびに訪れたくなるこのパークは実家のようでいて、そして母たるこのコースターに乗車してはその温もりに包まれます。
慣れ親しんだコースターの多くが失われていく中、幾多の逆境を乗り越え走り続けるこのコースターが、これからも末永くここに在り続けることを願ってやみません。


  パニックコースターバックダーン☆

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初乗車:2019/5/11 乗車回数:10回以上
https://photos.app.goo.gl/4CiYCLYkbHKHPFAy8

※本編のネタバレを含みます。乗車後の閲覧をお勧めいたします。

独ゲルシュトラウアー製屋内急加速ファミリーコースター。
地下エリア"ジオポリス"に位置し、コースの全編が地下に設置されています。2020年現在同園の最新コースターでもあります。
最大の特徴として、同じコースを2度走行し、2週目は車両がバック走行で進む、また、異なった照明の演出がある、という点があります。
ステーションの壁へのマッピングを含む演出効果に合わせてタイヤによる急加速から始まり、キャメルバックとカーブを繰り返すコースです。
この車両の走行中に、なんとコースの終点からステーションへ逆向きに進入するようトラバーサーの切り替えが行われています。
これにより、一時停止などの、感覚として中だるみのある時間を最低限に抑え後半に移行します。素晴らしい技術であると思います。
爆弾の爆発演出と共に逆向きに2度目の加速から飛び出したコースは、カラフルなライティングとポップな音楽に包まれ、まるで違った雰囲気です。
乗客は同じコースを2度走ることになりますが、演出効果と座席の向き、加えて、進行方向自体が逆になることで、実質的に1回の乗車で先頭、最後尾の乗り比べをも実現しています。
限られた敷地を最大限に活用することは、同園を始めとした都市型パークの最大の課題と言えますが、それを見事にクリアした形と言えます。

同社製屋内コースターは都内だけで3か所、一部屋内を含むものは国内にさらに2か所と、大ヒットとなった事も納得の出来です。
最後になって申し訳ありませんが、規模はあくまでファミリーコースターであり、乗車感としての見所はほぼありません。
二段落ち風の動きもあり、わずかなエアタイムを期待していましたが、それも体感することはできませんでした。期待をし過ぎず乗車するのがお勧めです。


  リニアゲイル☆ クローズ

後楽園20071124 110

初乗車:2003/11/1 乗車回数:50回以上
https://photos.app.goo.gl/UVdgDmdtLtJ3iA8k6

瑞インタミン製インバーテッド急加速往復コースター。モデル名 インパルスコースター
同園の名物でもある落下傘塔ライド スカイフラワーのある、パラシュートランドというエリアにありました。
この土地は1980年より、縦に長いコースターが入れ替わりで設置されてきた場所です。
1980-1985のわずかな期間は、世界的にも珍しい、米アロー製往復ループコースター ブーメランがありました。
続く1986-1997には、トーゴ製パイプラインコースター ウルトラツイスターの、その1号機が設置されました。
第三弾として1998-2010の間稼働していたのが本機という事です。明らかに、最も寿命が短そうな機種ですが最長という事実に驚いています。

外観は驚くほどシンプルであり、左右に90度の垂直コースを配したU字型のコースです。
これを2,5往復、片道200mということなので約500m程の走行という事になります。
オープン時、最高速100km/hという速さが話題になりました。急発進型といえば、アントンシュワルツコフ製シャトルループの90km/hが最速であった時代です。
この速さを実現したのがLIMランチ(リニアインダクションモーター)という加速機構です。
そもそもは、リニアモーターによる加速コースターすら、国内では鈴鹿サーキット マッドコブラがオープンしたばかりという時でした。
インバーテッド型としては世界初のLIMランチコースターとしての登場、人々は期待に胸を躍らせました。
しかし、あくまで最高速が100km/hです。それに到達するのは、実に4回の加速を経たとき、という事でした。
そのため、発車時は目測では半分の50km/hも出ていないのではないか、という速度、これでは、急加速というにはあまりに力不足です。

これならでは、としてはまず逆向きでの追加加速は、斬新な感覚でした。段々加速して最高潮のまま終わる、というのも考えようによっては良い事かと思います。
最後尾に乗車すれば最高速での前向きの落下はかなりの位置から垂直落下を体感できることになります。レールの最高高度は50mとのことです。
先頭でもシンプルに風を感じる気持ちよさがありました。後ろ向きの落下は、残念ながら体感的にはあまり迫力を感じませんでした。

このコースターを一号機に、より大型かつ片側、もしくは両側がひねったタワーのもの、加速部分が屋根で覆われたもの、改善されたモデルが海外に多数設置されました。
世界初に乗ることができた事は嬉しいですが、末期には運休日も増え、速度もかなり落としていたように感じました。
クローズは残念でしたが、役目を終えた、という雰囲気は否めないものでした。


  ジオパニック☆☆ クローズ

後楽園遊園地20050709 014

初乗車:1999 乗車回数:87回以上
https://photos.app.goo.gl/M4gyTny1K5gagXPz6

トーゴ製屋内コースター。
1992年、地下遊園地エリア"ジオポリス"の目玉アトラクションとして導入され、2008年のリニューアル一時閉鎖まで稼働を続けました。
全長は420mと長くはないのですが、全体に低速で進むこともあり体感は十分に長く感じます。
地底探検をテーマとしており、他のほとんどの屋内コースターは広いドーム状の空間の中を走るのに対し、常に狭い洞窟の中を走ります。
コースのほぼ全編が暗い中を進みますが、一部外(ジオポリス敷地内)に出る部分があるほか、レーザーや照明の演出効果が多数あります。
巻き上げは小刻みに計3回あり、また後半にはわずかながらタイヤによる中間加速があります。
ドロップらしいドロップは4か所。特に最後の1回は前述の加速に合わせ、照明及び向かい風の演出、フラッシュが炊かれた瞬間に落下!と、盛りだくさんでテンションが上がります。
欠点としては、そもそもの規模と中間ブレーキの多さ、加えて終盤は徐行のように進むこと、特殊なハーネスによる座席の窮屈さなどが挙げられます。
しかし、それらは同時期の屋内コースターに当てはまるものであり、トータルでは十分に楽しめる、良作であったと言えます。

私にとって印象深い一日があります。2005年7月9日、開園50周年の日でした。
この日の前後1週間程度は日替わりで各ライドが終日無料開放となっており、当日の対象機種はこのジオパニックでした。
私はある目標を掲げて当日パークへ赴きました。それは、このコースターに1日100回乗ること。
夕方ごろ、30回程度の時点で既に飽きがきました。結果としては50回まで頑張り、その日は撤退することにしました。
その日から、1つのコースターに何十回も乗車すること、特に、回数乗ることを目標として乗ることはしないようになりました。
ところで、身長100cmという規模の割に緩い制限であることもあり、私にとっては、初めて乗車したちゃんとしたコースターでもあります。
コースターの魅力も、乗りすぎることの無意味さも教えてくれた、同園内のサンダードルフィンと並ぶ私のバイブルとなった大切なコースターです。


  スピニングコースター 舞姫☆★ クローズ

後楽園遊園地20050618 056

初乗車:2003/11/1 乗車回数:20回以上
https://photos.app.goo.gl/Ww6or2rGHRXzk1DD8

独マウラー製車両横回転マウスコースター。
2000年オープン。車両横回転コースター自体は既にありましたが、乗客が背中合わせに座るライドとしては日本初登場となりました。
同園のタワーランドというエリアに、フライングカーペットの跡地にオープンしました。
実質的には入園無料になってからもメインゲートと言える入口の正面にあり、いつも賑わっていた印象です。
コースレイアウト自体は至ってシンプルなマウス系らしいコースですが、車両の回転が加わり特に外向きでカーブに入った際の遠心力はスリルがありました。
中盤にあるドロップも落下感があり、長くはないコースですが満足度は高かったと思います。
舞姫 というネーミングもいいですね。車両は長らくメタルグリーンで統一されたカラーでしたが、2005年『恋するハニカミ!』イベントよりピンク色に塗り替えられました。

2011年1月30日、安全バーが正確に固定されていなかった乗客が転落、死亡する事故がありました。同機は撤去されています。
当時、パーク全体のライドの刷新、特にスリルライドは減少の傾向にあり、このコースターも撤去の対象であった可能性は否めません。
しかし、その最後がこのような形になった事を大変残念に思います。完全な人災であったことが、一層悔やみきれません。
2年後よりオーストリア、ウィーンプラ―タ―に移設され、屋内コースターとして稼働しています。
https://rcdb.com/11479.htm
1950年より稼働する木製コースター Hochschaubahn は、一度は乗ってみたいブレーキマン同乗コースター!(係員が乗車し、手動でブレーキをかけるコースター)
中型が中心ですが14種のコースターが揃うオーストリア最大の遊園地です。そこでまた乗ることができるのを楽しみにしています。

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