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【夢×夜:6】馴染みの雑貨屋

こんな夢を見た。

会社の宴会に参加している。我らの店のテーブルは、アルコールに対してアレルギーを持つ私がいるせいで(これは本当)、宴会というよりは食事会という雰囲気。他の店のテーブルはまあまあ出来上がっている。
おや、あれは以前同じ店で働いていたものの、やらかしが原因で異動となった先輩じゃないか。などと懐かしい顔もいる。

さて、ウチのテーブルだけ宴もたけなわな雰囲気になってきた。ちょっと皆で散歩しようか、とラテン系なノリの店長(略してラ店長)が言い出した。ここのビルの上の階に雑貨屋がありますよね、との一声で、フロアの隅の細いエスカレーターに乗る。古い雑居ビルだからか、下りはエスカレーターがなく階段を使う必要がある。

エスカレーターの両側は本棚になっていて、ビッチリ本が収納されている。初めて来たスタッフが物珍しそうだ。

「あれ?このエスカレーター、先が行き止まりですね」
エスカレーターの終着地点は、確かに激突しない程度に踊り場があるが、本当に行き止まり。
「ああうん、だから右側の本棚を上から超えて入るんだよ」
「?」
「ここの、左側の本棚に足を掛けるんですよ」
その為にわざと1人分の足が乗せられるだけのスペースが、本棚にあった。当然そこだけ靴底の汚れがある。ああそうそう、この店そうなんですよね、と久しぶりに棚に左足を乗せ、エイヤッと右側の本棚の天板に手を置いた。本棚の向こう側が雑貨店になっている。隠れ家とはよく言ったもんだ。1度天板に跨がり、そこからスルッと雑貨店に入店する。
♪ピロピロピロピローン
どこにでもある入店の音がした。

よく言えば品数が豊富、悪く言えば雑多過ぎて店としてこれはいいのか?と首をかしげたくなる程の品数。先程の本棚にあった本も、ここの商品の一部だ。

曲がりなりにも接客業である我々は、ハチャメチャな陳列に「この店ヤバい」と同時に察して、無言で店内を軽く巡り、店主が出て来ないうちに店を後にした。

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