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Ver.1『トヨタ生産方式』を読む

あるお世話になった方からの薦めで『トヨタ生産方式』の読んでいます。(2024/1/18追記)

フォード社に代表されるような「大量生産によるコスト削減」に、敗戦後日本の少ない物量でどう勝っていくのか?が出発点だったのは興味深い。

仕掛品(作りかけで未完成の製品)の滞留や不良品は発生すればするほど製造費用を増やしていくので、それらの無駄を徹底的になくしていく。そのための試行錯誤の末にいわゆるトヨタ生産方式が出来上がっていた。

興味深かったのは速すぎは無駄を生むという点。一つの工程が頑張りすぎると仕掛品が溜まり、後工程で探す手間が生まれる。トヨタ生産方式とは製造プロセスを全体最適の視点で無駄取りしていった結果生まれた方式なんだろうと感じた。

70年代のオイルショックで注目されたのも知りませんでした。他のいろんな企業が業績を落とす中、トヨタは他の企業ほどには影響を受けなかったことで注目されだしたと。

この本から何を学べるのか?

個々の手法やテクニックはもちろん学べるし、同時に一部分だけ真似ようとしても上手くいかないんだろうと思う。

でも自分が感じたのは、昔の日本人の気概をこそ学ぶべきではないか、ということ。欧米の圧倒的な物量や技術を目の当たりにして、ある種の屈辱感をバネに、日本人としての誇りのために死力を尽くして頑張った人達が少なくなかったんじゃないか、と思う。

今の日本の状況は当時と似ている。いろいろな面でガタが来て、成長できなくなって、特にIT分野では第二の敗戦と呼べる状況なんじゃないかと思う。

もちろん個人と家族の生活を守る、特に増税と社会保障費の増加から身を守るために具体的なアクションを取っていくのは重要。でもそれと同時に、この国が”敗戦”から立ち直れるように何かを成し遂げたい気持ちもある。

論文を書き終えてみて追加(2024/1/18)

ロジスティックス4.0で目指している物流システムの全体最適を先人たちはすでに成し遂げていた、というのが驚きです。AIとかIoTとかを活用して無駄をなくして必要なものが必要なときに必要なだけ届く。これがロジスティックス4.0で目指している世界だと思うのですが、工場内に限っていえば現場の創意工夫によってこれを成し遂げたのがトヨタ生産方式だったと考えました。

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