コンテンポラリーアート　シュ・ニン（許寧）

小山登美夫ギャラリーで展示されていたシュ・ニン（許寧）の作品がとても好きです。彼女の作品は２つの概念が作品の中に表現されています。繊細さとダイナミズム、西洋と東洋、立体と平面、それらが見事に調和されて力強さが伝わってきます。
何よりも絵具の鮮やかな色彩に生命力を感じます。モダンな真っ白なお部屋の壁に飾りたい。。。。
シュ・ニンさんについて少し説明すると1979年北京生まれ。北京の首都師範大学油画専攻専科卒業後、2006年家族とともに日本へ移住し、2020年多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻修了。同年アートアワードトーキョー丸の内2020においてグランプリを獲得。現在神奈川県を拠点に制作活動を行なっているそうです。
シュ・ニンさんが「私にとって、何故絵を描くのかと何故生きるのかは同じである」と、
大きなキャンバスに、面相筆（穂先のきわめて細長い筆）で色面や線を一筆一筆重ねて書いているそうで、彼女の生き様が集大成となって表現されています。

「Season, Letter」という作品は、初めて2枚200号の大きさのキャンバスに挑戦したものであり、キャンバスの大きさが自然の広大さを喩えています。四季の変化は作家に時間の経過を気づきかせ、「人間が生きている意味」を問いかけ、勇気と感動を与えてきたものであり、その素晴らしさを手紙のように鑑賞者に届けたいと言います。
「私は絵画を通じて自由を追求している。画面に表した線たちが、時に面になり、時に細い蜘蛛の巣の糸または髪の毛になり、自由な思いへ変化していく。私の画面に花がさく。時に雨が降る。時に川に沈む。時に鳥に転換していく。画面から鳥のように見えて、鳥を描き出したのではなく、筆の手数が重なって、鳥が現れたことがある。私の自由はもしかしてそこにある。」

ぜひマインドフルネスとなって彼女の作品を感じて欲しいと思います。春の訪れのように一気に私たちをカラフルな温かい世界へと導いてくれ一瞬でも日常から連れ去ってくれるるように感じます。

Season – Letter 2019 oil on canvas 260.0 x 388.5 cm

River, rain
2020oil on canvas27.8 x 41.5 cm

Yesterday, Tomorrow
2020oil on canvas 22.5 x 33.8 cm