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青が好き

ずいぶんと見えないゴールに向かって進んできた。

そのゴールはおそらくしあわせだ。

小さく声にして言おう、

『私は今しあわせだ』

それは私が幸せへのゴールまで辿り着き、そのゴールのテープを切れたからではない。

逆なんだ。

ゴールに向かおうとする衝動が和らぎずいぶんおさまっていったからだ。

違う言い方をすると、今に、自分に、くつろげるようになったから。


そこには、安心と新鮮さがあった。

何気ない日常があり、騒音も雑音も、不意な出来事も、困ったことも、起こるけれど

それでも、その今と自分にくつろげるならば、

美しい朝の光に細胞はわき立ち、心地よい風の新鮮さとともに目の覚めるような空の青さに言葉をなくす。

なにはなくてももう幸せなんだ


どこかに向かおうとしていた衝動に、向かわなくても大丈夫なんだと、ことごとく言い聞かせ、向かおうとする衝動の合間に見えた、空の青さの美しさを見逃さず、その深い青さから感じる何かを信じてきたんだ、そしてその青さをいつも感じてその青さにふるえていたいと願ったんだ。

そんなことを繰り返すうちに、どこかに向かおうとする衝動は少しずつ、時に痛みを伴いながら時に涙もたくさん流しつつ、それでも少しずつ和らいでいった。

今は、空が青いことを満喫している。

青さを感じている。それ以上もそれ以下もなく。


私は青が好き

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