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夏の幻と、夕涼みの物語

以前、断捨離をして後悔した400冊の本のひとつに『日本の路地裏』という写真集がありました。創作においては実際の風景から得られる着想が多く、その場所で生活を営む人達の姿を想像するだけでも、数多の物語が生まれてくるのです。

どちらかと言えば、綺麗に区画された大通りの美しさよりも、雑多な生活感が滲み出る路地裏の風景が好きです。特に東京下町の迷路のような細い路地は、両手を伸ばすと向かい同士の玄関と玄関に同時に手が付きそうな幅の狭さで、それゆえに昔ながらの味のある引き戸のお家も多く、軒下のビール瓶のコンテナに敷いてある座布団の列を見つけては、肩を並べてお喋りするご近所さんの井戸端会議の様子が目に浮かんできます。

 

さて、早いもので『すまいるスパイス』2回目の告知をさせて頂きます。

今回はすまスパ恒例の朗読回です。『ピリカ文庫』より「夕涼み」をテーマに寄せられた【ニョコロさん】の作品をピリカさんが、そして【へいたさん】の作品をこーたが朗読させて頂きます。どちらも夏の情緒たっぷりの趣の深い作品となっておりますので、ぜひごゆっくりお楽しみ下さい。


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