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日記29 誰かの『最後の一葉』になる。


近頃、色んな著名人が自死と思われる最期を遂げていて、悲しいという言葉では言い表せないというか、何とも耐えがたい気持ちになります。


三浦春馬さんが逝かれた時は、私と年齢が近い二十代ということもあったり、自死の際のことがいろいろ細かく報道されたり、遺書があったりと、そういった断片から色々と想像されてしまって、かなり落ち込みました。前々からよく言われていますが、自死の際の報道というのは、改めて行かねばならないと強く感じます。



自分でも色々と考えたんですが、人は急にいなくなってしまうもんなんだなということを痛感したというか、もともとかなりやばい状態、あと一歩で転落、という状況に追い込まれてる人って多かったように感じるんですが(逆にいうと、ギリギリの状態でなんとか生活をこなしている人が多かったのかも)、そのあと一押し、をこのコロナ騒動が押してしまったように感じます。コロナによって、周りとの繋がりがどんどん希薄になっていって、あるところで最後の糸が途切れてしまって、それが、そういう形で色んな人の最期の一押しになってしまっているのかなぁと。


そういう状態の社会である、と考えた時に、せめてもの抵抗として、自分が最後の一押し、つまり、最後の繋がりになりたくないな、という思いがあります。むしろ、積極的に、繋がりを作っていく方にシフトしていかねばならないのかなぁと。

前に話題になったジョーカーをこの前やっと観たんですが、ストーリーが進むにつれて、主人公から繋がりが、一本、また一本と失われていく感じがすごく怖くて、結局、最後の一本が切れて、主人公はああいう結論を取ることになったわけですが、ああなった時に、つまり、すべての繋がりが切れた際に人が行き着くのは、狂気か死なのかもしれません(むしろ、狂気によって死へと導かれてしまうのかもしれませんが…)


専門家的なアプローチだと、心の病を緩和して、社会福祉と繋いで…、という感じだろうと思うんですが、素人には、そんなこと、なかなかできないと思うし、もしかすると自分さえ、そういうギリギリの状態の一人なのかもしれませんし、そう上手くやるのは難しいとは思います。

ただ、素人は素人なりのアプローチがあるんだろうなと思っていて、さっきも言いましたが、それが相手の最後の繋がりでい続けることなのかなぁと思います。ちょっとおしゃれにいえば、相手の最後の一葉でいること、になると思いますが、どれだけ消えない繋がりでいられるか、が素人ができるアプローチの一つなのかもしれません。


とはいうものの、言うは易し、というもので、これもなかなかに大変で、自分でも精一杯なのに誰か、しかも、その誰かはギリギリの状態の誰かです、の支えになろうと言っているようなもので、一筋縄ではいかないものです。いずれは自分がギリギリの状態に追い込まれることもあります。責任感が強い人だったり、優しい人だと逆に潰れちゃうこともあるので、たまには上手く放っておくことも肝心だと思います(経験則ですが、これが何よりも肝心に思います)。


それから、こういう支えになろう!と思って行動に移した際に、自分なら救える!と思うことはさっき言ったような、自分が潰れてしまう原因にもなるものです。なぜかというと、素人だからです。素人だから、心の病を癒したりとか、そういう精神科医的な働きは期待できないからです。これは自戒も込めて。


でも、素人だからこそ、最後の一葉になり得ると思うのです。精神科医みたいな専門家はどちらかと言えば、ふっとい幹や根っこみたいなイメージなので、素人は葉っぱ一枚です。そんな小さな繋がりが生きる糧になるかもしれない。ならない時も沢山あるのでしょう。ここは覚悟すべきところなのかなと思います。

でも、その可能性にしがみつくしかないのだと思います。素人ができるアプローチで最高のものは、専門家に繋ぐことだと思いますが、それが難しい時は最後の一葉になることだと思います。決して、自分を犠牲にせずに。

どんな小さな会話とか挨拶とか、たとえ、SNSなどでのちょっとした冗談とかでも、最後の一葉になってるかもしれませんし、ギリギリの状態かもしれないという意味で気になっている人がいるなら、軽い気持ちで、既読無視されても、ちょっとした挨拶くらいかけてみると、それが思いがけない最後の一葉になるかもしれません。その時に、相手に誠実でいること、嘘をつかないこと、できないことを約束しないようにいれば、それで良いと思うのです。自己満足の範疇でいいから、出来ることをできる範囲でやってみることが重要なのかなと思います。自分には救えないのだ、と考えて、自分のできることをやることが最後の一葉なのだと思います。

おわり




今から、最後の一葉になろうとしている未来の自分に向けて。

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