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【story】LINE LOVE STORY-4

LINEの友達リストから削除してしまった。

友達リストにいる人を長押しするとブロックか非表示だけだったと思ったのにいつの間にかここから直接「削除」出来るようになったのはいつからだ。
けど、いいきっかけかも知れない。
いつもこちらからLINEして、ほぼ既読無視の一方的なトーク履歴を見返す度に私は何をしているのだろうと悶々としていた。
しかし、その人とは友達以上恋人未満の関係だ。

以前、職場で仲良くなった人だった。
同い年で趣味や好きな物や意気投合することが多かった。
雑談ばかりしていて先輩に一緒に怒られたこともあった。
職場で離れて以降も、仕事の愚痴や他愛のないこと、たくさんやり取りした。
頻繁にあったやり取りが一転。
彼の返事が急に素っ気なくなった。
1行での返信。そこから「うん」「わかった」の一言に変わり、最終的には「既読」の表示のみ。
『何かあったの?仕事?』と一度聞いたら「別に大丈夫」の返事だけ。
趣味の話も、仕事のこともずっと返事がないままで、ただ私が一方的に独り言を呟いているようなトーク履歴になってしまった。

友達削除したが、トーク履歴は残したまま。
トーク履歴から再度友達追加すれば別に問題はない。
そのトーク履歴を削除しようか迷っていた。

そうか。私は彼のことが好きだったんだなと気づいた。

しかし、LINEの位置づけは男女間で考え方が違うとよく聞く。
男性は「連絡ツール」。女性は「リアルタイムツール」。
彼の考え方と私の考え方の違いかも知れない。
どこかのサイトでLINEで不安に思っていることの大半はそんなことはないと書いてあってホッとしたこともあった。

LINEは恋愛に向いてないツールなんじゃないか。

トーク履歴を削除した時には、もう涙が止まらなかった。

*****

翌朝。気持ちは浮上しないまま、いつもの平日。
いつものように着替えて、朝食、洗顔、歯磨き、化粧とルーティンをこなし、いつものように玄関を出る。
電車の中で確認するスマホ。そしてLINE。

何度見ても彼からのLINEはなかった。

この毎朝、彼からLINEが来ていないか見てしまう癖はいつになったら治るのだろうか。

もう一度見てしまう。

LINEを開いたタイミングで通知が届いた。
…彼からだった。
トーク画面を開くと「友達ではないアカウントです。」の表記が。

『ずっと返事しなくてごめんね。仕事で疲れすぎちゃって。』

…仕事?って聞いても「別に大丈夫」って返事してたじゃないか。

どう返事していいか解らなくなったので、友達追加しないままにした。
そうすると未読無視状態になるのだろう。
別に駆け引きしているつもりはないが、やはりLINEは女性には向いていないツールだ。

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