心を守ってたどり着く先が私でいいの?
母の姉が死んだ。
ガンだった。
母の姉の存在は、私が20歳を過ぎる頃まで教えてくれなかった。
いる、と言うことは知っていたのだけど、どこでなにをしているのかは教えてもらえなかったのだ。
結論から言うと、母の姉は、実の父(私の祖父)からのDVで心を病み、ずっと病院で1人で暮らしていて、母はそこから逃げるように東京に出てきていた。
母は、ずっと自分の姉を見捨て父から逃げたこと、自分の姉になにもしてやらなかったことから目を背けていた。
ただただ、後悔をしていた。
母が生きるためには、そうするしかなかったのだと思う。母の心を保ち、幸せに生きるためには、暴力から逃げる必要があった。
どの選択が正解だったかは、母の人生が決める。
母は、「私は"お母さん"になりたかった」と話していたことがある。
私は、母の正解であったのだろうか。母が、命を守って姉を故郷に置いたことを、正当化できるほどに生きていけるのだろうか。
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