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カルチャーつまみ食い

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本、映画、ドラマ、漫画、音楽など、つまみ食いしたカルチャーの記録です。
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2017年10月の記事一覧

本を読む人と読まない人

「私はビジネス書がうまく読めない。小説とかエッセイなら読めるのに」 そう同僚に話したら、だんだんと「なぜ小説やエッセイを読むのか?」という話になった。 ローストビーフをつつきながら、同僚は 「私は最近、昔読んだ江國香織の小説の答え合わせをしているようだ」と言った。 なるほど。いつか辿るストーリーを取り入れたり、これからやってくる人生の可能性を知るためにというのはあるかもしれない。 残念ながら私はすべてがとろけるような恋愛に身を捧げることも、しゃべるカカシや掏摸や誘拐を

ランチを分け合うということ

私は基本的に欲張りなので、ランチをシェアをするのが嫌だ。 居酒屋メニューはまたちょっとニュアンス違うけど、ランチでは1人1皿1番食べたいものを吟味して頼むものだと思っている。 だから、「これあげる」もいらない。 私は焼き魚が食べたい気分だったのに、突然唐揚げを1つ乗せられても正直困る。 ごはんと汁物と焼き魚と小鉢のバランスを計算していたのに崩れてしまうじゃないか。 配膳されたとき私は心の中で、(やっぱ焼き魚定食正解だったな)って思っちゃってたのに。 しかも、もらってし

私も思っていたかもしれない、

犬山紙子さんの「私、子ども欲しいかもしれない。」を読みました。 私のための本なのかもしれない。 それくらい、ピシッと気持ちよくはまる本でした。 ぷよぷよで18連鎖できちゃうくらいズボスボズボズボズボ〜と、次から次へと「これですわ」が連鎖する気持ち良さたるや! モテない人生だった私の人生。 下手に男友達が多いもんだから、「○○と付き合っちゃえば?」「もういい加減彼氏作りなよ」と散々言われたわけで。 いや、そーゆーんじゃなくないっすか? たまたま彼氏ができた途端、今度は

10年越しのタイムカプセル

10年ぶりの活字中毒の症状が出ている秋の夜。 久しぶりに読んだ伊坂幸太郎の「ホワイトラビット」には、こんな一文がありました。 星ってのはやっぱり、夢がある。 昔は夜にやることなんてないんだろうから、見えるものといったら星くらいだろうし、深夜テレビもスマホもないんだから、時間は無限にあった。 だから、空を見ながら想像力を膨らませていたんだろよ (「ホワイトラビット」伊坂幸太郎) 10年前、大学生だった私は、毎日貪るように本を読んでいた。 村上春樹、伊坂幸太郎、東野圭