夏休みと小3男子
夏休みがはじまった。
「ママ、メシー!」
と打ち合わせ中に電話が鳴るところから始まって、
ガチャ!
「玄いるー?オレ、1分で昼メシ食ってきたからー!」
ガチャ!
「玄ー、オレのマシンガン見ろよ!」
ガチャ!
「もうみんないるー?」
って、誰もピンポンしないまま登場し、気づけば庭で水鉄砲バトルが繰り広げられている。とうもろこし畑の影に隠れて、3対3のガチバトル。
ちなみに、同じ家の2階には中学女子バレー部がいつものようにたむろして、箸が転げてもおかしい様子の爆音でゲラゲラ笑っている。
しゅ、集中できない…!笑
ご飯作って仕事して、またご飯作って、仕事しながら子どもの要求に耳をかし、またご飯を作る。打ち合わせやメールの返信はできても、翻訳とか文章を作る仕事は、早朝にやるしかない。
フリーランス在宅仕事の母には「夏休みって、きつー!」と思ったりもするけれど、在宅だからそんな遊び姿を拝めもするのであり、一緒に出かけてみれば、スカッとするような遊び姿を何度でも見せてくれる。
夕暮れ時の諏訪海岸で、堤防から何度も飛び込む子どもたち。横には、飛び込むべきか、飛び込まざるべきかを胸に、ただそれを見守る子もいる。
子どもがドキドキしながら自然を相手にして、挑戦したりしなかったりする横顔は、たまらない。
危ないから、と大人が止めるのは簡単なことだけど、できれば口出し無用で、ギリギリまで見守りたいなと思う。だってそのとき子どもが取り組んでいるのは、何より大事な「自分と向き合う時間」だから。
状況と真正面から向き合う。
年上の仲間が挑戦する様子も眺めたりする。
自分の身の丈を俯瞰する。
「やっぱりやめとく」と判断するのも、大事な力。
必要な時間をかけてついに一歩踏み出して、
「できた!」となったときの心の震えは格別で、
「もう一回!」って駆け出す背中には自信が宿っている。
そっかー
自信とか、メタ認知力とか、「今だ」「ここだ」っていう嗅覚とかってこんな風にして育つのかと、その眩しい背中が教えてくれる。
全身全霊の挑戦を持って身につけたそういう自信は、きっと人生の財産だ。
海や山で、目がギラギラしたこんなガキんちょたちに会うたび、世界はまだまだ大丈夫だと思う。だからできれば、
失敗してもいいんだよ
見てるよ、受け止めるよ
やってごらんよ
って、言葉じゃなくて、存在の質や場づくりで伝えられる。
そんな大人でありたいなー
そして、そんな大人が増えることが、
実はなによりの社会づくりなのかもしれないなー
そんなことを思いながら翻訳の手を止め、こんな文章を書いている昼下がり。
大変だけど幸せな夏休みの、始まりはじまり。
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