見出し画像

生木に花咲くを驚け

「誰も取り残さない、と約束しているSDGsについて、今、親子でできることって、何でしょうか?」

昨日の放送で、そう辻信一さんに聞いたときの答え、最高だったな。

「そうだな。短い時間でいいからね、親子で一緒に目を閉じて、息を吸うってことに気づいて欲しい。この、空気を吸うってことに気づく、って大変なことなんだよ。みんな気づかないでしょう?寝てるときだって、息をしているんだよ。すごいよね。

空気って何?空気の中の、特に酸素がなかったら、僕たちは生きていけない。じゃあ、酸素って何?木が作ってくれているものでしょう。森が作ってくれているわけだ。植物のおかげで、僕たち生きているんだよね。この小さな気づき、それを取り戻して欲しいなと思う。

これを毎日、そうだな、朝起きた時でもいいし、いただきます、って言う食事の前なんかどう?目を閉じるのが怖かったら、目を開けたままでもいいよ。あ、私息をしている、ありがたいなあ...って思ってみてよ。だってさ、コロナウィルスで肺炎になると、息ができないんだって。苦しいよね。

だから、息をしているってことは、めちゃくちゃにありがたいこと。でも、ありがたいだけじゃない。楽しいなあ。息をするって、素敵だなあ。そう思えたら、これが瞑想なんですね。ぜひ、そこからはじめてもらいたい。それができるようになったら、やれることなんかいっぱい見つかるよ。君たち子どもの方がきっと、いっぱい見つけると思う」

番組ではそのあと、アン・サリーさんの「のびろ、のびろ、大好きな木」がかかって、私は涙ぐんでしまった。

ハイダの長老はセヴァンに「サステイナビリティーとは、 “respect - 敬意”。食べ物への敬意。私たちに食べ物をもたらす土地と海への敬意。身体への敬意。私たち自身への敬意」と話した。

そして辻さんは「尊敬の裏側にあるのは、謙虚さ。それはね、ハイダだけじゃなくて、僕がこれまでに出会ってきたほとんどすべての先住民族から教わったこと。空気、水、土、太陽への敬意、生物多様性への敬意を持ち、人間は地球に生きる3000万の種のほんの一部だっていうことをあらためて理解することが、サステナビリティーなんじゃないかな」

そうだよなー。

息を吸うことができるのは、森で木々が、海でサンゴや海藻たちが呼吸してくれているおかげ。「繋がりに生かされている自分」にまずは気づくことができたら、できることなんていくらでも思いつく... 確かに、そうだな。

画像1

辻信一さんは、20代の頃からの私の恩師だ。昨日、番組にご出演いただいて久しぶりにじっくりお話を聞いたあと、昔、船の上で辻さんから教わった言葉を思い出した。江戸時代の学者、三浦梅園はこう言ったそう。

「枯れ木に花が咲くよりも、生木に花が咲くを驚け」

つまり、枯れたはずの木に花が咲いたりすると珍しいからみんな奇跡だって喜ぶけど、本当に奇跡なのは生きた木に花が咲く、これが日常にあることでしょうって。

この地球に種が落ち、水と太陽と微生物の力で芽吹き、木になり、花が咲く。そしてまたその花が種を落とし、季節がめぐる。生きた木が呼吸することで酸素が供給されて、人間を含む動物たちが呼吸をすることができる。

その循環こそが奇跡だし、ずっとつないでいきたいもの、なんだな。

画像2

サステナ*デイズ、5/7(木)の音声はこちらで聞くことができます。
https://park.gsj.mobi/voice/show/19417

▼11:45 <子どもインタビュー>
中学1年生のかえでちゃんが、SDGsについて感じていること

▼12:02 <イノベーション・チームdotからのSDGsリポート>
気候変動対策を求める国際的な草の根運動が日本の学生にもひろがっている - 学生団体Fridays for Future 埼玉が登場。

▼12:10 <ゲスト>
1992年にブラジル、リオ・デ・ジャネイロで開催された「地球サミット」で、12歳の時に子ども代表としてスピーチをして、世界を圧倒したセヴァン・カリス=スズキさん。カナダ西海岸のハイダ・グワイ(クイーンシャーロット諸島)で、カナダの先住民族ハイダをルーツにもつ家族と子どもたちと自然に寄り添った暮らしている今のセヴァンさんから、未来へ繋ぐ文化について聞く。
  
▼12:31 < ゲスト>
文化人類学者で「スローライフ」、「キャンドルナイト」、「GNH(国民総幸福量)」などのキャンペーンを展開し、セヴァン・カリス=スズキさんと、その家族とも親交のある辻信一さん。親子で今できる、未来へつなげられることとは?

来週は、BIG ISSUE & 枝廣淳子さんをインタビューします!番組の感想や曲のリクエスト、ホームページより送ってください。https://www.tfm.co.jp/sustaina/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?