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シェ・パニーズ、50周年おめでとう

Happy 50th birthday, Chez Panisse!!

 カリフォルニア州バークレーにある木造2階建てのレストラン、シェ・パニーズが50周年を迎えました。
 レストランのメニューに「○○さんの野菜」と書かれるのは今でこそ当たり前ですが、50年前からブレずに生産者を尊敬&応援し、地域で循環し支え合う経済圏を築き、それでいて誰もが憧れる「予約のとれないレストラン」で居続けているのだから、シビれます。

 でも本当にすごいのは、地元の公立校に「Edible Schoolyard - 食べられる校庭」を作って公教育に影響をもたらしてきたこと。教職員用の駐車場のコンクリートを剥がして作られた1エーカーの畑が、生物はもちろん、国語・数学・社会などの教科とも連動する生きた学びとしてカリキュラムに落とし込まれ、今も、バークレーにある17校の公立小中学校で実践されています。

 そんなアリスがここ数年ずっと語っているのが「幼稚園を含むすべての子どもたちに無料で、オーガニックで、地球環境を再生する給食を提供すること」。子どもの食と学び、そしてそれを支える農家を社会全体で支えようという発想です。彼女が50周年で発信したメッセージを日本語訳しましたので、ぜひ読んでみてください。

 ああ、シェパニーズ、また行きたいな。50周年、おめでとうございます!



友人たちへ
 50年前の今日、シェ・パニーズは初めて扉を開きました。私たちが目指すところは、開店初日から変わっていません。友人やご近所の皆さんがおしゃべりしに集まってくる、家庭のようなレストランを作ること。そこでいのちを祝福するおいしい食事を提供することで、皆がそれぞれにより深く、自然、政治、そして文化と繋がることができること。数十年の間、シェパニーズはお客様と、食事だけでなく考えかたも共有してきたつもりです。
 大切にしてきたのは、決して新しくもなければラディカルでもない普遍的な考えかた。人類の歴史と同じくらい古い視座です。私たちは皆、農家、漁師、酪農家など、社会に食べ物を提供しながら地球環境の守り手である人々をサポートする義務がある。そして、それと同じくらい大切なのは、皆で子どもたちを育てること。彼らにいい未来を託せるかどうかは、私たちの手にかかっています。
 シェ・パニーズで提供するすべての食事は、北カリフォルニアの小さな有機農家から届いた農作物の美しさを表現しています。自然に寄り添う農家は、存在することで里山を再生している。50年前にはわからなかったけれど、今、彼らの生きかたが気候変動の危機に対して最も有効な解決策でもあります。
 何年も言い続けたことですが、何度でも言います。気候変動の影響が増すばかりの中でシェ・パニーズの50周年を迎えた私たちが取り組んでいくのは、幼稚園を含むすべての子どもたちに無料で、オーガニックで、地球環境を再生する給食を提供すること。学校給食と地域の農家をつなぐことは、何にも勝る解決策です。
 もし全国で、公教育の食材調達の仕組みを根本から変革することができたら - 手はじめに、カリフォルニア州の大学機関からそれを始めることができたら!私たちの地球、そして子どもたちの健康は、ついに癒されはじめるはずです。
 シェ・パニーズの50周年を祝って、エディブルスクールヤードへのご寄付をお願いできましたら幸甚です。


希望と共に
アリス・ウォータース 

▼ご参考:
エディブル・スクールヤード・ジャパン
https://www.edibleschoolyard-japan.org/

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