「 あたしはあなたにはなれない なれない
ずっと遠くから見てる 見てるだけで 」
・ゴールデンウィーク前に熱を出して、検査しても何も出ず、なんとか1日で下げて無理矢理仕事に言って連休に転がり込んだ時には、枯れて声が出なくなっていた。
それでも来てもいいよと言う同期の元へ、後ろの人に「背もたれ倒してもいいですか」すら言えない新幹線に揺られながら向かった。
同期の家にいるとどうしても喋りすぎてしまい、元から出なかった声がさらに出なくなって同期に「声でなさすぎて普段100なら今1って言われてんけど普段どんだけうるさいねんwww」という話をすると、「いやうるさいと思ったことないけど…」と言われた。全く声が出てないのにちゃんと聞いてくれようとしてくれて嬉しかった。
今回3泊もできたのに、同期以外と予定が合わず、予定があったとしても声が出なくなっていたので、ゆっくり過ごすことにした。
ゆっくり過ごすはずだったのだが、その分同期は変わらず予定があって、その間のご飯を作る羽目になった。
お菓子もご飯も作れる同期と違って料理が生きていく最低限レベルでしかできないので、一緒に住んでるときも作ったとしても文句を言われながら食べるので極力作らないようにしていた。スーパー独自のメーカーなど安いのでも気にしないわたしと違ってこだわりのある同期はおつかいをしても文句を言うので「1から100まで全部説明しろ！！！」とキレることがたびたびあるが、たまに当たった時「正解だー！！」と楽しそうにしてるので許してしまう、よくない…
1日目に作ったきのこのクリームパスタは、言われた材料しか入れてなかったこと、きのこを洗ってなかったことに対して指摘された。きのこ嫌いだからにおいをとるために洗うんだって、宇波家はきのこ好きしかいないし、一緒に住んでたときは鍋でぐらいでしかきのこを食べてなかったので気づかなかったしわたしがいかにちゃんと料理してなかったかがバレた。
次の日のお昼は麻婆豆腐をリクエストされたけどわたしの喉が死んでしまうのでそぼろ丼にすることにした。夜ご飯にもそぼろを使うと知らなくて作りすぎて怒られたけど、急遽バイトにすぐ行くことになり、弁当に詰めてあげたらこんな豪華なお昼なかなかないと嬉しそうなLINEを送ってくれた。
その日の夜はご飯を作ってくれて、「これ食べて体調治しな？」と言って出してくれた。美味しかったし元気になった。
そのご飯が効いたのか、持ってきた薬がなくなってとりあえずで新しく買った薬が効いたのか、次の日には会話に困らないくらいには声が出るようになっていた。
コナンの映画を一緒に観たかったのに、あんまり乗り気じゃないからネタバレを恐れて1人で観に行って、「せっかくだから4DXでみよう」ということになり、頑張って早起きして迷子になりながら2人とも行きなれない街の映画館に向かった。同期と映画に行くと決まって映画の予告が始まる頃に着いてしまう。
初めて4DXでみるけど酔いやすいわたしに「酔い止め飲んどきよ」と何度も教えてくれた。無事酔い止めを飲んでめちゃくちゃ揺れたけど酔わずに楽しめた。
映画、ひとりでみるのに慣れちゃって、もうひとりでいいや〜と思ってたけど、今年初めて人と、さらに好きな人とふたりでみて、そのあと一緒にいたら不意に思い出した映画の話ができてうれしい。
映画のあとは、本屋さんに行ってコナン・ドイルのシャーロック・ホームズの冒険を買ったわたしに「コナンからホームズ買う人見たことないんよ」とつっこまれ、美味しいから行こうとずっと行ってくれていた店で満腹になり、突然浅草に行くことになり、課題をするためにスタバをハシゴして、美味しい鯛焼きを食べた。
夜はずっと行こうねと話していたおにぎり屋さんに行ったら、ラストオーダーぎりぎりなのに入れてくれてはちゃめちゃに美味しいおにぎりを食べることができた。
その帰り道に、「最近子どもたちが可愛いって言ってくれるから嬉しい」という話をしたら、じっと顔を見られて、「確かに学校にいたら可愛い先生だわ」と謎の褒められ方をした。鼻かみすぎて真っ赤っかだったのに。
その日の夜、スタバ2軒も回ったのに課題が終わらなかったらしく、手伝いを頼まれたので、「手伝うから謝辞に書いてくれ！！！！」と頼んだらなんかウケてた。だって有名大学の修論に名前が載るんだよ、光栄すぎるじゃないか。
次の日の帰る時に「次会う時は修士とれてるからね〜」と言われたので「謝辞楽しみにしてるな！！」と返した。いつも別れる前に握手をするんだけど、今回は先に手を出してくれた。
・帰りながら、鼻にティッシュ刺してても、パジャマのTシャツをぶかぶかの借りてるズボンにインしてお風呂から出てきても、笑って受け入れてくれるこの人を手放したら誰と生活できるんだろうと思ってしまった。好きな人の前でそんなことをできた自分にも驚いて、もう好きな人じゃなくて生活を共にしていた人だからその感覚の方が強いんだと思った。
・次の週に関東インカレがあり、800mに出るということをゴールデンウィーク中に知った。冬の間脚を痛めて走れてないと聞いていて、出れると思ってなくて、日曜なら無理してでも行けたのに！！！と怒ると、2分切れるかな〜って試合見てもでしょと寂しそうな顔をされた。かっこよさとか、ちょっと気にするんだそこは、と気を遣われたことにびっくりした。
当日は自分からは触れてこなかったけど、後輩ちゃんも気にしてたよという旨と一緒に連絡したら「来年は引退試合だから後輩ちゃんと一緒に観に来て」と誘われた。走り続けることがすごいよ。国立競技場で走るのを観るの、楽しみにしてるよ。
・わたしが東京に行ってる間、両親はお母さんの実家、つまりわたしのおばあちゃんおじいちゃん家に行っていたらしく、お母さんに「『彼氏のとこか！？』って聞かれたから適当に返しといたわ〜」と言われた。
たぶん今まで一緒に住むために「付き合ってる」とか、「別れた」とか、何度も嘘をついてしまったけど、それでもずっと同期の話をするわたしをみてたぶん気づいてるんだと思う。
今思うと、ドラマのいちばん好きな花を勧めてくれた時にはもう気づいていたのかもしれない。
ちゃんと彼氏と付き合って、彼氏の親やおじいちゃんおばあちゃんとうまくやってる妹と違って、イレギュラーな付き合い方をしてる娘のことを受け入れてくれてありがたい。
・やりたいことをまっすぐにやろうとする同期が憧れだから、どうして付き合ってくれないんだ！！！とかは思わなくなった。名前がなくても一緒にいてくれることがわかってきたから。
数日前、同期から勧められて好きになったYouTuberの中のわたしの推しが結婚を発表して、驚いて連絡したら、「今日の動画のネタバレになるから我慢して言わなかった」と優しさをくれた。(たぶん少し前にネタバレ絶対にしてほしくないわたしとネタバレ許容派で本誌と時差がありすぎてネタバレするなと言われても困る同期とで喧嘩したから気を遣ってくれた)
その発表と同時に載せられた写真がパリで、冬に一緒に行く時にここは行かないとと同期は意気込んでいた。同じ画角で撮ろうねと言ったらサラッと嫌な顔したスタンプで流されたがぜってーに撮ってやる。推し達の結婚報告のポーズ全部真似したい厄介ヲタクはわたしです。
・毎年ゴールデンウィークが終わると、わたしが中間テスト受からない試験期末テスト成績処理と夏休みまで怒涛の日々が続くので夏まで会えないことが多くて、今年は特に次はたぶん8月なので3ヶ月会えない。
久しぶりにnoteを始めた頃の一緒に住んでいた時のnoteを読んだら1ヶ月会えないだけで発狂してた。人間慣れるものですね。
一応わたしも社会人なので半日携帯見れない日もザラにあるし、同期は同期で研究に部活にバイトに忙しい日々を送ってるぽいので連絡がこない！！会えない！！！寂しい！！！ということは減ったけど、それでも今日は喋りたいことがあるのに！という日は、この距離がもどかしくなることがある。
コナンの映画を観てから余韻に浸っていろんな解説やTwitterの感想をみてる中で、蘭は新一をいつまでも待っていて、和葉は平次のためなら死ぬことも迷わなくて、青子はずっと快斗のことを信じてるって言ってる人がいて、それを踏まえて相思相愛を聴いたら最初は平和の曲だと思ってたけど全員に当てはまりすぎて、コナンははちゃめちゃミステリーじゃなかったのか…？？となってしまった。
「あなたになりたい」ってわたしの中の最大の愛の言葉のひとつだと思っていて、憧れからなる恋愛もあると思う。少なくとも同期はそう。
同期の話をしたかったのかコナンの愛を話したかったのかわからなくなった、とりあえず5月はコナンに狂った月でした。また来年も、一緒に観に行きたい。
次に逢える約束の日だけでいい
あなたの隣で素直に笑いたい
二人の夢は秘密だと言える事だけで
あたしは生きて来たの
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