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《映画》 怪物 を観て
映画/怪物/監督 是枝裕和/脚本 坂元裕二/2023
一昨日の夜に、今泉力哉監督がTwitterのスペースで話しているのを聞いた。
すごく面白くて、終わった後にアーカイブで初めから聞き直していたら眠れなくなった。
映画怪物の話をしていて、
“誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。
誰にでも手に入るものを幸せって言うの”
と田中裕子が言うシーンについて、すごくセリフっぽいということを話していた。
それを聞いて考えていたんだけど、確かに坂元脚本の作品ってとてもセリフがセリフっぽい。
でもそのセリフっぽさが好きで、 Filmarksを書くときによくメモに残したりしている。
これって私にとっては本を読む感覚に近いのかなと思った。
本を読む時にも、その本の中で好きな言葉を見つけて、写真に撮ったりアプリにメモして残している。
一冊の本の中で“この言葉”というものが見つけられれば儲けもの、みたいな文章を何かの本で読んだからだと思う。
だから何か作品を読んだり観たりする時は、新しい何かを得ようとしているところがあって、そういう面で印象に残る坂元さんの言葉が好きなのかな、と思った。
たくさんの言葉をくれるから。
他にも好きなところはたくさんあるけどね。
反対に今泉監督は、作品の中でなるべくセリフっぽいものを入れないようにしている、極力普段会話している時に喋る言葉だけで構成できないかと思っている、と言っていて面白いなぁと思った。
確かに現実世界にはセリフがあるわけではないし、全然関係のない誰かのぽろっと言った言葉に気づかされたり救われたりするものだよね。
今泉監督の作品は、私たちの日常に溶け込む作品という感じがする。
映画を見終わった後になんとなくもう一度再生したくなって、そのまま部屋で流してみたりする。
そういう作り方の違いってどうやって生まれてくるんだろう。
映画とドラマでも違ったりするのかな。
あのシーンの言葉について、私が感じたこと、今泉監督が言っていたこと、他にもいろいろな人の感想を見ていたんだけど、解釈が一つじゃないから難しい。
しばらく考えていたら、あれ…これって違うんじゃ…と思ってきた。
その言葉を受け取る人によって感じ方は違うし、その人のその時の心理状況によっても違うし、それをこちらが決めつけるような構図になっていないか、自分がそう思うからって相手に押し付けていないか、本当は違うかもしれないのに。
それってこの映画を通して言えることで、なんだかハッとさせれらた。
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