タモリコンプレックスな私は

タモリさん。それは文化、説得力、憧れ、遊び心。高級住宅地、美術館、名門校が似合いながらも、無頼派、古本屋街、闇市、アングラもしっくりくる。ビンテージワインもワンカップ大関も似合う。世界中どの国に住んでいても違和感がない。どの季節もどの時間帯も似合う。濃い色も薄い色も暖色も寒色も似合う、イエベブルベ春夏秋冬。この世の全てが似合う男、それがタモリさん。


幼少期、私はタモリさんの顔ファンだった。浜田省吾と森田一義の違いなんてわからないくらい小さい頃、タモリさんの顔が載っている新聞記事を切り取ってコレクションしていた。

幼稚園で、誕生日の記念に撮ってもらった、4月生まれの子達の集合写真を入れた写真立て。端に映る私の真横に、セロハンテープでタモリさんを固定した。私とタモリさんが横並びになっているのを悦に入って眺めていた。


あれから二十数年。今だにテレビにタモリさんが映るとドキッとしてしまう。昔の自分の愚行を思い出してしまうので、直視できない。でも意識はしてしまう、番組は最後まで見てしまう。

タモリさんの何が私をここまで魅了するのだろう。わからない。日頃生きていて、タモリさんのことを考える瞬間はほぼない。でも、一度視界に入れば、タモリさんの表情が、タモリさんの動きが、私の視線を奪う。


水谷豊さんと五関晃一さんもタモリさんの波動を感じて、好きだ。



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