積み重ねた時間の思い出

 私が生まれた際に両親が揃えてくれた衣装箪笥のことを突然思い出し、昨夜は眠れなくなりました。

 使用する度に聞こえた引き出しの擦れる音や、手にかかる感触は覚えているものですね。

何も意識せずに使っていた当時、不本意な引越しでその箪笥を手放すことになっても何も感じず、むしろ古くさい家財道具が新しくなることに喜びを覚えたくらいです。

 もうあの箪笥の形状はこの世にないと理解し、とても惜しいことをしたのだと、しんみりした夜でした。

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