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More tea, Vicar? -『フ議連』について

今更ですが…というまえがき

 お疲れ様です。あいなです。

 当アカウントは、現在、千葉県警の交通安全啓発動画がとある団体の抗議を受けて削除された件について、関係している地方公共団体に情報開示請求をしています。

 このコーナーでは、少し情報開示請求の話から離れて、私個人が考えている『そもそも論』を記事にしてみようと思います。

  恐らくこの記事をご覧になる方は、おおかたの情報も前提知識もご存じだと思うので詳しい経緯はさくっと省きますが、情報公開請求で得た資料や、SNS・ニュース等で当事者さん達が公開しているコメントなどを見返してみると、認識の違いを修正できない/しないままに、相手を批判したり訂正を回避したりしており、どうにも話し合いのテーブルに座る以前の『そもそも』的な部分が食い違ったまま、延焼を続けているような印象があります。

 今回はその『そもそも』の部分の一つである『フ議連』についての記事を書いています。
 知識としては拙く、話としては周回遅れなのですが、今後の情報開示請求の総まとめをするにあたって個人的に必要なことだと感じましたので、記事にして残しておこうと思います。


フ議連=フェミニストの支持団体?

 フ議連の公開質問状を読み、しばらくした後で私が気になったのは、

 今までも同じことをしているのでは…?
 それはなぜ話題になってなかったのかな…?

 …ということでした。

 調べて、蓋を開けてみれば、そこそこ話題になった表現規制はあるものの、どちらかというと該当の規制対象や表現の内容、炎上発言をした個人への批判にスポットが当たっており、『炎上事件はフ議連関係者が起こした』というのは、炎上の最中にはあまり話題にはなっていなかったような印象があります。

 そこで、インターネット上でのフ議連の活動報告や、関係者のSNSなどを探していった結果、フ議連の関わった表現規制の炎上事件に関して、気になった何名かをピックアップしてご紹介するとともに、フ議連と関係の解説をしていきたいと思います。

 お付き合いのほどよろしくお願いします。

元草津町議を支援する活動家・増田都子氏

 まずは2020年に草津町で起きた町議のリコール失職事件です。

 フ議連は、リコール投票の前後で活発にSNSを活用し、関係者がリコール後の2020年12月11日に草津町に対して抗議デモ&フ議連名義で抗議文を送っていました。

 しかし、その5日後の2020年12月16日に、町議会から公式に回答書が出され、SNSでの誹謗中傷発信者が個別に町から警告をされたようです。
(これは議会で町長が述べた事で、対象者が実際にどのような警告をされたのかは確認できていません)

 すると、その批判の声は大幅にボリュームダウン(むしろ一斉に消失)し、元町議への支持はしつつも社会に向かって声は上げない、という方針に切り替えた…かのように見えました。

 (この記事を書いている真っ最中の)2022年10月31日に、元町議が虚偽告訴の罪で在宅起訴されたときも、フ議連から声明等は出されませんでした。

 私が、違和感を感じたのは、2021年12月のことです。

 2021年12月13日に元町議が町長に対して刑事告訴をしたと記者会見をしたあたりから、増田都子という名のバリバリの左派活動家が、元町議の横に寄り添い、顔を表に出して協力体制をアピールし始めているのに気が付きました。

※ちなみに、2022年5月頃に、町長と町が、ネットで町の評価を貶めたとして元町議とその支援者2人を民事で訴えたという話がちょっとニュースになったのですが、その際に訴えられた支援者のうちの1人がこの増田氏です。

『ノンアポで話し合い』元荒川区議・せの喜代氏

 そして、町の事件に関連して、増田都子氏の過去の活動をチェックしていると、元フ議連メンバーであり今回の千葉県警が動画削除した件の初期にVtuber側の署名運動に賛同した女性区議に対して『ノンアポで話し合い』を行なおうとした元荒川区議・せの喜代氏(長い…)との交流履歴があることが分かりました。

 ここで私はようやく『元フ議連の現一般人』=『フェミニスト』=『左翼活動家』である可能性がすごく高いんだな…ということが腑に落ちました。

 『言葉ではなく、心で理解できた』と表現した方がいいかもしれません。

 70年代安保闘争あたりで全共闘や新左翼という集団から分派していった人たちの中で、暴力革命を忌諱し、組織内部の女性差別に反発し、社会のマイノリティに寄り添った考えを持つ人たちが組織した草の根民主主義的なグループ…そのうちの一つが、フ議連なのです。

 そして、フ議連の世話人や、せの喜代氏や伊藤とし子氏のように今回の件に賛同している政治家や、支援者の中で交わされている言葉の中に、『市民ネット』という単語を多く目にしました。

 調べてみると、『市民ネット』は『全国市民政治ネットワーク』という団体の略称のようです。
 この団体は、消費者運動から端を発し市民の政治改革を目的としている、地域に根差した地域政党の集合体のことでした。

全国市民政治ネットワークとフ議連

 つまり、フ議連の設立は1992年なのですが、元メンバーや現在所属している人たちは、その昔の、70年安保闘争や、1977年設立の『全国市民政治ネットワーク』という地域に根差した政治団体に関わりのあった人物である、もしくは思想的に共感している可能性がある人物ということになります。

 今回の動画削除の件で最初期に大きな声を上げたと思われている、千葉県議会議員の伊藤とし子氏が、全国市民政治ネットワーク加盟団体の一つである『市民ネットワーク千葉県』に所属している人物だったということも、私が上記の可能性に大いに納得するポイントの一つでした。

市民ネットワーク千葉県・伊藤とし子氏

 伊藤氏は、この事件が発覚した当時のフ議連の世話人リストには載っていないようなのですが、2018年度ごろまでは、ブログやSNSなどへ、フ議連のメンバーと共にセミナー等に参加していた様子の記事を載せており、交流があったことが伺えます。

 また、『市民ネットワーク千葉』のHP上で公開されている、2021年10月1日付発行の機関情報誌では、『「萌え系美少女」キャラクターには、「女性を性的商品として扱っている」「子どもを性の対象とする風潮を助長する」など多くの批判があります。』とこの問題を批判的に取り上げ、『県も県警も独自の「広報物ガイドライン」を策定して、周知徹底を図るべきです。』と締めくくり、自治体の広報についての更なる表現規制強化を求めていました。

東村山・生活者ネットワーク・大塚恵美子氏

 ここで、1つ問題を出してみたいと思います。
 下記は、何の表現規制が炎上した話かお分かりになりますでしょうか?

 東村山市に、全国市民政治ネットワークの関連団体の一つ・『東村山・生活者ネットワーク』という名の市民団体があります。

 そこに所属している元・東村山市議会議員の大塚恵美子氏は、今でもフェミニスト議員連盟の会員です。

 2019年2月28日の東村山市議会3月定例会の中で、当時の大塚市議が発言している内容の一部に、『自衛官募集のポスターに、おへそが見えたり下着が見えそうな若い女の子のキャラクターを載せている』というものがありました。

 そしてこの指摘がニュースの記事となり、防衛相は翌日(3月1日)に、ポスターの撤去を関連部署に指示したそうです。

 フェミニスト議員連盟は、その後の2019年3月4日付で、当時の防衛大臣宛に『自衛官募集ポスターの女児・女性の性的対象物化への抗議』という抗議文を送付しました。

 もうお分かりになった方もいらっしゃると思いますが、これは、2019年3月1日に自衛隊とストライクウィッチーズのコラボポスターが撤去された話になります。

※参考ページ1

※参考ページ2

※参考ページ3

 この出来事の日付を追っていくと、この件は『フェミ議連が抗議をした』ために『ポスターが撤去された』のではない、ということが分かります。

 実際は、全国市民政治ネットワーク系の議員が議会の質疑の中で突然このポスターを問題だと指摘し、それを左翼系の新聞社が取り上げてその日のニュースにした結果、翌日に防衛大臣が滋賀地方協力本部に撤去指示を出した、という経緯になっています。

 フェミニスト議員連盟の抗議文の日付は2019年3月4日です。
 全てのことが終わってから、土日を挟んで(ゆっくりでは…?)抗議文が出されているということです。

 この話の中でフ議連側が『話題のポスターを回収させたのは私達です』という主張をしたというところにレジスタンス的な仕草を感じたことが、私の中で違和感ポイントでした。

 そして今回の交通安全動画の削除の件と併せて考えることによって、

【フ議連の名前は、左翼活動家たちの旗印・藁人形・弾除け・風見鶏として使われているのではないか?】

 …という疑念が湧いてきたのです。

自民党・岩屋毅氏

 この2019年に起きた自衛隊コラボポスター炎上事件当時の防衛大臣は、自民党所属で衆議院議員8期目(当時)の岩屋毅氏です。
 岩屋氏は自民党の中でも保守的な思想を尊重する主義のかたのようで、日本最大の右派・保守系団体である『日本会議』を支援する目的で設立された超党派の議員連盟の幹事も務めている人物です。
 (ちなみに神道政治連盟国会議員懇談会にも所属しています。)

 左翼活動家が支持をしているフ議連と、保守系の議員とはなんだか対極の立場にあるのではないのかな…と思ったのですが、岩屋防衛大臣はこのニュースに対して、まるで話題になる事を避けるように、粛々と対応を指示していたように見えます。

 これは個人的なイメージですが、何か自分達へ向けられた攻撃的な指摘に対して、『反論』もしくは『反抗』するということは、相手の土俵に乗って戦う意思を見せる事です。

 また、『無視』もしくは『コメントを控える』ということは、相手の要求を受け入れなかったり、聞く耳を持たない、聞く価値が無いと断じる事です。

 岩屋防衛大臣のこの時の行動は、そのどちらでもなく、『撤退』でした。

 相手の批判を受け流しつつ、(首相批判や憲法改正へ飛び火するのを避けて)被害を最小限に抑えるための行動だったのではないかと思います。
 そして、このポスターは、岩屋氏にとっては特に重要な事でもなんでもなかったので、批判も大して痛くなかったのではないでしょうか。

 ちなみに、日本の国会議員の約4割(2015年時点)が参加している日本会議議員連盟は、「“誇りある国づくり”を目指し、美しい日本を守り伝えるため」をスローガンに掲げ、思想を同じくする国民運動を支持し、これを推進しています。

 また、神道政治連盟国会議員懇談会が2022年6月13日開催した会合の中でLGBTなど性的少数者に対して差別的な内容の文書や冊子を配布したニュースがありました。
 文書の中で『家庭と社会を崩壊させる』などと危機感を煽っていたことを覚えている方も多いと思います。

 つまり、表現規制に賛同する人というのは、保守系の政治家だけではなく、官僚や地方公務員や地方行政団体における意思決定の場に関わっている人の中にも、多数存在しているのではないでしょうか。

 そして、彼らが伝統的な価値観や思想を持っていて「性的表現を青少年に見せるべきではない」「アニメキャラ自体、別に存在しなくてもいい」と考えているのだろうな…という予測は、別に突飛なものではないでしょう。

千葉県知事・熊谷俊人氏

 千葉県で行われた表現規制の中には、自治体の長である市長自らが企業に対して圧力をかけたのでは?と批判が集まった事件がありました。

 2017年11月に、当時千葉市長だった熊谷俊人氏が、千葉市に本社を構える某コンビニ企業へ圧力をかけて、成人雑誌の販売を中止させたのではないか…という話です。

 Twitterにて文字として公表された熊谷氏の主張は、
『(表紙にカバーをかけるなど)対策の提案をした』
『負担が増えるということで実現にはならなかった』
『提案をきっかけに企業の内部で検討をしてくれた』
『コンビニ側の自主的な営業判断だった』
 …というものでした。

 それに対して、当時のツイッター上での表現規制反対派からの反応は、
 『表現に対する弾圧ではないか?』
 『地元企業に市長が働きかけたらそれは圧力になるのでは』
 『行政の関与があったのに企業の自主判断と言うのは問題がある』
 …という批判でした。

 一方で、女性を中心に『むしろすべてのコンビニでやって欲しい』『いい取り組みだと思う』という良い評価も多数あったようです。

 この件は、熊谷千葉県知事の表現規制に関する政治手腕を推し量る上で、外すことはできないでしょう。

 アニメやゲームなどのコンテンツに寛容である一方で、自分が必要だと感じた政策は強い意思で進める実直さが感じられる、重要なエピソードだと思います。

 その後の2021年3月に行われた千葉県知事選において、『市民ネットワーク千葉県』は、熊谷俊人氏を支持することを表明していました。

 熊谷氏自身も、選挙に際して支持・支援を表明している政党として、市民ネットを挙げています。
(他にも立憲民主党・国民民主党・千葉維新・社民党、公明党や保守系無所属の個別の議員からも応援を貰っているということを表明しています。)

 つまり、市民ネットワーク千葉県は『千葉県議会における与党』と考えることができるのではないでしょうか。
(一人会派ではありますが、組織票は一定数あるようです)

 このような過去の実績や後ろ盾があるからこそ、全国市民政治ネットワークが、全国フェミニスト議員連盟という名前を使い、地方の行政団体に対して強い抗議の声を上げることができたのではないかと、個人的には思うのです。

『萌え系美少女キャラ』という仮想敵でつながる左翼と右翼

 この件を調べていくうちに、どうやら、行政団体に抗議文を出すフ議連も、集会で仲間に冊子を配る宗教右翼も、『萌え系美少女キャラ』というものを『ステレオタイプな女性や子供の性的対象物』・『女性や子供への性加害を誘発する児童ポルノ』として認識しているらしいということが分かってきました。

 興味深いことに、彼らは、自らの中にある差別思想・歴史認識・ジェンダー観が全く対極の思想であるにもかかわらず、

【萌え系美少女キャラ】=【社会にとって有害な情報】

 という、共通認識を持っているようなのです。

 これは私の勝手な妄想になるのですが、

 ージェンダーフリー思想を掲げて性的搾取を忌諱する左翼活動家ー

 ー美しい国という思想を掲げて伝統的価値観を押し付ける宗教右翼ー

 それぞれの思想から派生した『表現規制』というワンイシューで、ヘンテコな悪魔合体をしてしまっているような気がしているんですよね…。

 そういうわけで結局のところ、政治という大きなくくりの中では、フ議連自体も表現規制派のデコイに過ぎないので、フ議連やその関係者だけをボコボコ叩いても全く意味がないのです。

 ですから、声の大きな誰かに従順になるのではなく、個人の人権感覚や倫理観をしっかりと持つことが、この件を見守る上でとても重要な事なのだと改めて感じました。

次回は『千葉県警の回答』について。

 次回は、回答文とニュース記事等のコメントから『千葉県警側』はこういうふうに思ってたんじゃないかなーという考察をまとめたいと思います。

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 それでは、また。 

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