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目を覚ますと薄暗い部屋の中に男がいた。思っていた通りだ。 「おはよう」 「よく眠っていたね。多分二日くらい。どうしてもっと目を覚まして、ぼくと一緒に居てくれないの?」 「あなたが幻想じゃないならね」 立ち上がって照明代わりのテレビを消す。カーテンを開けると街の上に雨雲が広がっていた。
散歩の途中で しましまと会った 出かける前に両手に 薬草を染み込ませた オイルを塗ってきた 三番目に嫌いな人と 出会わなくなる おまじない この薬草とオイルは 猫にとって毒だから しましまを 撫でることは できないけれど 晴れた住宅地を 二人並んで歩く 車が少ない道を選んで 少しでも海に近い方へ