きき酒師の勉強会『スパークリング日本酒』
以前受けたセミナーの記録
2018/09
今回のテーマは、「スパークリング日本酒」
近年の日本酒トレンドの代表的な分野です。ここ数年で一気に伸長してきました。
◆スパークリング日本酒のテイスティング
・4つのタイプに分類
定義はシュワシュワ泡感があるもので、下の写真のもの15種をスパークリング日本酒として今回は見ていきました。4枚の写真に分けてあり、4つのタイプに分類してあります。
上の3種類は、アルコール度は5〜10%程度。ライトボディ。軽やかな甘みと酸味が特徴。
次の6種類が、アルコール度10〜15%程度。ミディアムボディからフルボディ。ドライテイストのものが多い。
この6種類辺りがスパークリングって感じですよね。ちなみにこの中で炭酸ガスを添加してないのは、獺祭、八海山、水芭蕉で、獺祭は薄く濁ってます。
炭酸ガスを注入せずに、透明度の高いスパークリング日本酒を作るのは大変のようです。
この4種は、スパークリング表記ではなく「活性にごり酒」又は「にごり酒」や「どぶろく」として表記されている場合もあります。アルコール度数も高く(15%以上の商品もある)、フルボディかつドライテイストのものが多くみられる。
最後の2種、スパークリング表記ではない場合が多く、僅かに炭酸ガスを有する日本酒が該当。微発泡等と表記されていたりすることもあります。
下の写真のようにワイングラスに入れ、味や香りはもちろん、泡のたちかたや透明度も見ていきます。
製法は様々で、炭酸ガスを添加する手法と、発酵で生じた炭酸を利用する手法に大別されます。
後者の発酵で生じた炭酸ガスを利用する手法は、瓶内二次発酵、他にタンク内で更に発酵させる手法、発酵後半に生じる炭酸ガスを利用したり、発酵が終了した醪(もろみ)に発酵中の醪を添加する手法など様々です。
他にも上槽の際に5℃以下の低音にする事で、微量の炭酸を残す手法もあるようです。
・「awa酒」
また、今回はシュワシュワしてるものをスパークリング日本酒としてみていきましたが、より厳しい認定基準で、2016年に、仏産の高級スパークリングワインであるシャンパンに匹敵するような「スパークリング日本酒」の開発とブランディングを目的としてawa酒協会が設立されました。
世界的に乾杯酒と言えばシャンパンと言うのが、スパークリング日本酒もあるよっていうことになるのか、今後が楽しみです。なかなか大きな取り組みです。
awa酒協会の認定基準は、
「米、米こうじ及び水のみを使用した日本酒であること」
「国産米を100%使用し、かつ農産物検査法により3等以上に格付けされた米を原料とするものであること」
「醸造中の自然発酵による炭酸ガスのみを保有していること(二次発酵はタンク内でも瓶内でも規定内とする)」
「外観は視覚的に透明であり、抜栓後容器に注いだ時に一筋泡が生じること」
「アルコール分は10度以上であること」
「ガス圧は20℃で3.5パール以上であること」
と言う基準を満たすと「awa酒」に認定されるらしいです。
先程も書きましたが、炭酸ガスを注入せずに、透明度の高いスパークリング日本酒にするのは大変みたいです。
◆後半は嗅覚、味覚トレーニング
その他にも基本的な反復トレーニングの様子を。香材38種類を使った嗅覚トレーニング。
前回同様の水溶液を使った味覚トレーニング
基本的なテイスティングトレーニング。この辺までは反復することが重要です。
下の写真は1枚目が米焼酎(おもろは米こうじを原料とした泡盛)、2枚目が日本酒、それぞれテイスティングしました。龍力の熟成古酒(1番右のちょっと切れちゃってるお酒)うまいっす。
当たり前なんですが、8種類とも米が原料なのに、それぞれ違う特徴があって面白いですよね。
以上でした。
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